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建設業のリファラル採用完全ガイド|コスト1/10で定着率も高い手法

監修

建設採用センター 編集部

建設業界の採用支援に特化したプロフェッショナルチーム。企業の採用戦略設計から実務代行まで、豊富な支援実績を持つ。

採用コスト120万円を、20万円に下げた方法

ある企業では、人材紹介経由の採用単価が120万円でした。

 

リファラル採用(社員紹介制度)を導入し、紹介報酬を20万円に設定したところ——

1年間で62名を採用。1人あたりのコストは約6分の1に。

 

しかもリファラル経由の採用者は、他チャネルと比べて離職率が約20%低いというデータもあります。

安くて、定着する。それがリファラル採用の本質です。

リファラル採用を実施した経験がある企業は62.5%

成果を認める企業は81%にのぼります。

 

この記事では、建設業でリファラル採用を導入するための制度設計から運用までを解説します。


リファラル採用とは何か

リファラル採用とは、自社の社員が知人・友人を候補者として紹介する採用手法です。

 

「縁故採用」とは異なり、紹介された候補者は通常の選考プロセスを経て合否が決まります。

 

違いを整理すると——

リファラル採用と縁故採用の違い

項目リファラル採用縁故採用
選考プロセス通常通り実施簡略化・省略されることが多い
合否判断スキル・適性で判断人間関係への配慮が入りやすい
紹介報酬制度として明文化なし(暗黙の了解)
社員の心理的負担制度化で軽減できる断りにくさが残る

 

リファラル採用の支援サービス市場は急成長しており、2024年度見込みで50.7億円(前年比+69%)。

2028年度には300億円に達すると予測されています。


建設業でリファラル採用が効く3つの理由

理由1:採用コストを大幅に削減できる

建設業の採用コストは高騰しています。

採用手法別コスト比較(年収400万円の候補者の場合)

採用手法1人あたりコストコスト内訳
リファラル採用12〜30万円紹介報酬10〜20万円+諸経費
求人広告40万円〜4週間掲載費
人材紹介120〜200万円年収の30〜40%

各種採用サービスの公開料金より作成

 

人材紹介と比較すると、リファラル採用のコストは最大1/10

建設業の有効求人倍率が5倍超という市場環境では、採用チャネルの多角化がコスト管理の鍵です。

採用コストの全体像

人材紹介・求人広告・RPOの費用を詳しく比較した記事はこちらです。→ 施工管理の採用コスト完全ガイド — 人材紹介・求人広告・RPOの費用比較

理由2:定着率が高い

リファラル経由の採用者は、入社前から会社の雰囲気や仕事内容をリアルに把握しています。

 

紹介者である社員から「うちの会社はこういうところがいいし、こういうところは大変」と聞いた上で入社するため、入社後のミスマッチが起きにくいのです。

採用チャネル別の定着率

リファラル採用35.9%(3年定着率)
人材紹介23.3%(3年定着率)

HR NOTE調査データより

 

建設業は離職率の高さが課題です。リファラル採用は採用の「質」を高める手法でもあります。

理由3:転職市場に出てこない人材にアクセスできる

建設業の経験者は、積極的に転職活動をしていない「潜在層」が多い傾向にあります。

 

こうした人材は求人サイトには登録していないものの、信頼できる知人からの誘いであれば話を聞く——そんなケースは少なくありません。

 

リファラル採用の採用決定率は、求人広告の20倍、人材紹介の4倍というデータもあります。


リファラル採用の制度設計5ステップ

ステップ1:紹介報酬を決める

ステップ2:就業規則に明記する

ステップ3:紹介フローを簡素化する

ステップ4:全社に周知する

ステップ5:KPIを設計し運用する

ステップ1:紹介報酬を決める

紹介報酬の相場は以下の通りです。

リファラル採用の紹介報酬相場

対象報酬額備考
正社員(全体平均)約13.9万円ボリュームゾーンは5〜30万円
大手企業平均約15.5万円全体平均の約1.4倍
技術・専門職20〜50万円採用難易度に応じて上乗せ
非正規雇用5,000〜1万円パート・アルバイト向け

TalentX 2025年版統計レポートより

 

建設業の施工管理者は採用難易度が高いため、20〜30万円の設定が妥当です。

 

ここで重要なポイントが2つ——

 

1つ目は、被紹介者にもインセンティブを設定すること。紹介者と被紹介者の比率は2:1が一般的です。紹介報酬20万円なら、被紹介者に入社祝い金10万円を設定します。

 

2つ目は、支給タイミングを分割すること。入社時に50%、試用期間終了後に50%とすることで、短期離職のリスクを軽減できます。

 

なお、調査によると報酬額と紹介率に相関はありません。高額にしてもミスマッチ紹介が増えるだけ。金額より運用の質が重要です。

ステップ2:就業規則に明記する

リファラル採用の報酬制度は、必ず就業規則に記載する必要があります。

 

これは法的な要件です(詳細は後述)。記載すべき内容——

  • 紹介報酬の金額と支給条件
  • 支給タイミング
  • 対象となる紹介の範囲
  • 報酬は賃金・給与の一部として支給する旨

 

10人以上の事業所は、就業規則の変更後に労働基準監督署への届出も必要です。

ステップ3:紹介フローを簡素化する

社員が紹介を躊躇する最大の理由は「面倒くさそう」です。

 

1〜2ステップで紹介が完了する仕組みをつくりましょう。

 

  • 紹介フォームをスマートフォンから入力できるようにする
  • 「候補者の名前」「連絡先」「簡単な紹介理由」の3項目で完了
  • 紹介者への途中経過の連絡を徹底する(選考状況が不明だと次の紹介が止まる)

ステップ4:全社に周知する

制度を作っても周知されなければ使われません。

 

導入企業の90%以上で制度が形骸化しているという報告もあります。

 

形骸化を防ぐポイント——

  • 経営層が直接、制度の意義を語る(全社朝礼・キックオフ)
  • 社内ポータルやチャットで定期的に募集情報を発信する
  • 成功事例を社内で共有する(「○○さんの紹介で△△さんが入社しました」)
  • 求める人材像を具体的に共有する(「2級施工管理技士を持っている30代」など)

ステップ5:KPIを設計し運用する

紹介数だけでなく、プロセス全体を追跡します。

リファラル採用のKPI設計

KPI計測方法改善のヒント
紹介数(月間)紹介フォーム提出件数周知を強化する・成功事例を共有する
応募転換率紹介 → 応募の割合被紹介者への初期対応を迅速にする
採用決定率応募 → 内定の割合求める人材像の共有精度を高める
定着率(6か月・1年)入社後の在籍率入社後フォローの仕組みを強化する

法的注意点:知らないと違法になるリスク

リファラル採用の報酬制度は、職業安定法との関係を正しく理解する必要があります。

 

知っておくべきポイントを整理します。

リファラル採用の法的要件

要件内容違反した場合
賃金として支給報酬は「賃金・給与」の一形態として支払う有料職業紹介の無許可営業とみなされるリスク
就業規則への記載支給条件・金額・タイミングを明記労基法違反の可能性
全従業員への周知制度の存在と内容を全社員に告知制度の有効性に疑義が生じる
金額の上限目安年収の30%未満が目安人材紹介業と同等とみなされるリスク

職業安定法第40条・第30条に基づく

 

特に注意すべきは職業安定法第40条です。

 

労働者の募集に従事する社員に対して「報酬」を支払うことは原則禁止されていますが、就業規則に明記し、賃金の一部として支給する形をとれば合法になります。

 

違反した場合の罰則——

  • 無許可の有料職業紹介と認定された場合:1年以上10年以下の懲役、または300万円以下の罰金
  • 第40条違反:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

 

社労士や顧問弁護士に制度設計を確認してもらうことを強くお勧めします。


リファラル採用でよくある5つの失敗

失敗1:制度の周知不足

失敗2:紹介がノルマ化する

失敗3:紹介者への結果連絡がない

失敗4:人材の偏り

失敗5:同時退職リスク

 

これらの失敗の多くは、制度設計よりも「運用」の問題です。

 

リファラル採用は「仕組みをつくって終わり」ではなく、継続的に改善していく文化が求められます。


リファラル採用チェック

自社のリファラル採用チェック

Q1.リファラル採用の制度(紹介報酬・紹介フロー)を就業規則に明記していますか?

Q2.経営層が全社員に向けてリファラル採用の意義を発信していますか?

Q3.紹介フォームがスマートフォンから1〜2ステップで完了できますか?

Q4.紹介数・応募転換率・採用数・定着率をKPIとして追跡していますか?

0/4 回答済み


リファラル採用の制度設計、お手伝いします

紹介報酬の設定から就業規則への記載、社内周知の方法まで。建設業に特化したリファラル採用制度の導入をサポートします。

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まとめ

リファラル採用は、コストは人材紹介の最大1/10、定着率は約20%高い——建設業の採用課題を解決する有力な手法です。

 

導入の5ステップ——

 

  1. 紹介報酬を決める(建設業は20〜30万円が目安、分割支給)
  2. 就業規則に明記する(法的に必須)
  3. 紹介フローを簡素化する(スマホで1〜2ステップ)
  4. 全社に周知する(経営層からの発信が不可欠)
  5. KPIを設計し運用する(紹介数・応募転換率・採用数・定着率)

 

ただし、リファラル採用だけで採用課題のすべてが解決するわけではありません。

人材紹介・求人広告・RPOと組み合わせた採用チャネルの最適化が重要です。

 

採用コスト全体の比較については、こちらの記事をご覧ください。

施工管理の採用コスト完全ガイド — 人材紹介・求人広告・RPOの費用比較

 

応募が増える求人票の書き方と合わせて活用すると、効果はさらに高まります。

建設業の求人票の書き方|応募が増える7つのコツ

 

採用代行(RPO)の導入判断基準についてはこちらで解説しています。

採用代行(RPO)とは?建設会社が導入すべき3つの判断基準

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