「採用代行って怪しくない?」と思うのは、むしろ正常です
「採用代行」と検索すると、サジェストに「怪しい」が出てくる。実はこのキーワード、毎月110回以上検索されています。
それだけ多くの経営者や人事担当が、RPOに対して不安を感じているということです。
帝国データバンク(2025年10月)の調査では、建設業の70.2%が正社員不足。採用を何とかしたいけれど、よくわからないサービスにお金を払うのは怖い。その気持ちは当然です。
疑うことは悪いことではありません。大切なのは「何が怪しいのか」を正しく理解し、見極める力を持つことです。
この記事では、採用代行が怪しいと感じる5つの理由を整理し、悪質な業者の見分け方と安全な導入方法を解説します。
「採用代行は怪しい」と感じる5つの理由
理由1:成果が保証されないのに月額料金がかかる
月額固定型のRPOは、毎月25〜50万円の費用が発生します。しかし「何人採用できるか」は保証されません。お金を払っているのに採用ゼロというリスクが、不安の最大の原因です。
ただし、人材紹介の成功報酬(1人150〜200万円)と比較すると、年間3名以上の採用なら月額固定型のほうがコスト効率は良い。問題はRPOの仕組みではなく、「成果を出せる会社を選べるかどうか」です。
理由2:何をしてくれるのかが見えにくい
「採用代行」と言われても、具体的に何をしてくれるのかイメージしにくい。これも不信感の原因です。
実際のRPOの業務範囲は明確です。求人票作成、媒体選定・掲載、スカウト送信、応募者対応、面接調整、内定フォロー。「何を、いつまでに、どれくらいの量で行うか」を契約前に確認しましょう。
理由3:違法なサービスもあるのでは?
採用代行には、職業安定法上の規制があります。特に「委託募集」に該当する業務(企業名で求人を出すなど)を行う場合、厚生労働大臣への届出が必要です。
許認可なしに委託募集を行う業者は違法です。契約前に「御社は委託募集の届出をしていますか?」と確認してください。
→ 採用代行は業務委託?雇用契約との違い・違法リスク・許認可をわかりやすく解説
理由4:悪質な業者の存在
RPO市場の拡大に伴い、残念ながら品質の低い業者も増えています。契約後にほとんど稼働しない、レポートを出さない、担当者がすぐ変わる——。こうした事例が「採用代行=怪しい」というイメージを広げています。
理由5:建設業のことを理解していない業者が多い
IT企業向けのノウハウで建設業の採用をやろうとしても、うまくいきません。施工管理技士の有効求人倍率は5倍超(厚生労働省)。資格要件、現場経験の評価基準、業界特有の転職動機を理解していない業者に任せると、的外れなスカウトを大量に送るだけで終わります。
怪しい採用代行を見分ける5つのチェックポイント
チェック1:許認可を確認する
最低限の法的チェック
委託募集を行うRPOは、職業安定法に基づく届出が必要です。「有料職業紹介事業の許可番号」や「委託募集の届出番号」を提示できない業者は避けてください。
チェック2:建設業の実績を具体的に聞く
「建設業の実績があります」だけでは不十分。「何社で、どの職種を、何名採用したか」を具体的に聞いてください。施工管理技士、電気工事士、大工など職種名が出てこない業者は、建設業の経験がない可能性が高いです。
チェック3:レポーティング体制を確認する
週次または月次で、応募数・面接通過率・採用単価などの数値レポートを提出してくれるかを確認しましょう。データを出さない業者は、成果が出ていないことを隠している可能性があります。
チェック4:契約期間とトライアルの有無
いきなり12ヶ月契約を求める業者は要注意。1〜3ヶ月のトライアル期間を設けている会社なら、リスクを抑えて効果を検証できます。
チェック5:ノウハウが自社に残るか
契約終了後に何も残らないRPOは、人材紹介と変わりません。求人テンプレート、スカウト文面、対応マニュアルなど、成果物が自社に引き継がれるかを確認しましょう。
→ 採用代行(RPO)おすすめ比較|建設会社が失敗しない選び方と主要サービス
採用代行のデメリットを正直に整理する
RPOは万能ではありません。デメリットも理解したうえで導入を判断しましょう。
採用代行のデメリットと対策
| デメリット | 具体的なリスク | 対策 |
|---|---|---|
| 成果が保証されない | 月額料金を払っても採用ゼロの可能性 | トライアル期間で効果検証してから本契約 |
| 自社理解に時間がかかる | 最初の1〜2ヶ月は成果が出にくい | 初月は情報共有に集中。3ヶ月単位で評価 |
| 丸投げでは効果が出ない | 経営層が関与しないと方向がズレる | 面接と最終判断は自社で。週1の定例で方針確認 |
| 担当者の質にバラつき | 担当変更で品質が下がるリスク | 担当固定を契約条件に入れる |
| 契約期間の縛り | 効果がなくても解約できない | 最低契約期間と中途解約条件を事前に確認 |
→ 採用代行(RPO)とは?仕組み・費用相場・選び方を完全解説
「怪しくない」RPOを選ぶと、こうなる
信頼できるRPOを選べば、建設業でも確かな成果が出ています。
ある新潟県の建設会社(従業員約90名)は、RPO導入後に49名の応募を獲得し13名を採用。1人あたりの採用コストは約4万円まで削減できました。人材紹介なら1人150〜200万円だったコストが、98%削減された計算です。
長野県の建設会社(従業員約15名)では、20〜30代の若手大工3名の採用に成功。さらにRPO終了後も採用の仕組みが社内に定着し、自走で新卒採用にも成果を出しています。
大切なのは、「怪しいからやめる」ではなく「怪しくない会社を見極めて活用する」という視点です。
帝国データバンク(2025年)によると、建設業の人手不足倒産は年間113件で過去最多。採用を先延ばしにするリスクのほうが、はるかに大きいのです。
まとめ
「採用代行は怪しい」と感じる理由は5つあります。
- 成果保証なしで月額料金が発生 → トライアルで効果検証してから本契約
- 業務内容が見えにくい → 契約前に業務範囲と成果物を明確にする
- 違法なサービスの存在 → 許認可番号を必ず確認する
- 品質の低い業者がいる → 実績・レポート体制・担当固定を確認
- 建設業を知らない業者 → 職種名レベルで実績を聞く
疑うことは正しい判断です。ただし、人手不足倒産113件の時代に採用を放置するリスクも見逃せません。「見極める力」を持って、信頼できるパートナーを選ぶことが、建設会社の採用戦略の第一歩です。