年間340万円の助成金を、受け取れる可能性がある

従業員20人の建設会社が、使える助成金をすべて活用した場合。

トライアル雇用助成金で24万円、正社員化で80万円、技能実習助成で年間最大500万円、CCUS活用促進で160万円

合計で年間340万円以上の受給が見込めます。

助成金は「知っている会社」だけが受け取れるお金です。

令和8年度予算案では、建設事業主向け助成金に71億円が計上されています。

しかし実際の活用率は低く、制度の存在を知らない中小建設会社が大半です。

この記事では、建設業の人材確保に使える7つの助成金制度を、支給額・要件・申請方法とともに解説します。


なぜ建設業に助成金が必要なのか

高齢化率25%、若手はわずか12%

建設技能者のうち、60歳以上が全体の約25%。4人に1人が60歳以上です。

一方、29歳以下はわずか約12%

今後10年で大量の退職者が出る一方、若手の入職は追いつきません。

採用単価は上昇を続けている

建設業の有効求人倍率は5.27倍(2025年1月・厚生労働省)。

施工管理技士の採用単価は1人あたり約200万円。中小建設会社にとって、採用のたびに大きな負担が発生します。

助成金は、この採用コストを直接的に軽減する手段です。


建設業の人材確保に使える助成金7選

1. トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)

35歳未満の若年者または女性を、試行的に雇用する際に支給される助成金です。

トライアル雇用助成金の概要

項目内容
支給額1人あたり月額最大8万円 × 3か月 = 最大24万円
内訳一般トライアルコース月4万円 + 建設業上乗せ月4万円
対象35歳未満の若年者または女性
要件中小建設事業主(資本金3億円以下 or 従業員300人以下)
申請先ハローワーク

厚生労働省「建設事業主等に対する助成金」

建設業には一般コースに上乗せされる特別枠があります。他業界では月4万円のところ、建設業は月8万円。この上乗せを知らない事業主が多いのが実態です。

2. キャリアアップ助成金(正社員化コース)

有期雇用の作業員を正社員に転換した場合に支給されます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の概要

区分中小企業大企業
通常40万円/人30万円/人
重点支援対象者80万円/人60万円/人

厚生労働省(2025年度)

重点支援対象者(3年以上の有期雇用など)の場合、1人あたり最大80万円

有期雇用で3年以上働いた現場作業員を正社員化するケースは建設業に多く、活用しやすい制度です。

3. 人材確保等支援助成金(CCUS等活用促進コース)

令和7年度に新設された制度です。建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用し、技能者の処遇を改善した場合に支給されます。

  • 支給額:レベル判定で昇格+賃金5%以上アップした技能者 × 16万円
  • 上限:年間160万円(10人分)
  • 要件:雇用する技能者全員のCCUS登録が完了していること

CCUSへの登録料も補助制度で全額カバーできます(技能者登録料:上限4,900円/人、レベル判定手数料:4,000円/人)。

4. 人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)

建設現場の職場環境を改善する取り組みに対して支給されます。

  • 雇用管理改善促進事業:技能者1名あたり16万円(上限160万円/年)
  • 団体向け事業:経費の2/3(上限3,000万円)

5. 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)

技能講習や資格取得のための研修費用を助成する制度です。

建設労働者技能実習コースの助成内容

項目20人以下の事業主21人以上の事業主
経費助成率3/4(上限10万円/人)35歳未満7/10、35歳以上9/20
賃金助成日額8,550円日額7,600円
CCUS登録者の賃金助成日額9,405円日額8,360円
年間上限500万円500万円

厚生労働省(2025年度)

20人以下の中小事業主は経費の3/4が助成されます。足場の組立て作業主任者技能講習や玉掛け技能講習など、建設業で必須の資格取得に幅広く使えます

6. 人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)

職業訓練法人が行う認定職業訓練に対する助成です。

  • 経費助成:訓練経費の1/6
  • 賃金助成:日額3,800円(技能実習コースの賃金助成に上乗せ)

7. 働き方改革推進支援助成金

労働時間の短縮や有給休暇の取得促進など、働き方改革に取り組む企業を支援します。

令和8年度予算案では101億円が計上されています。

2024年問題(時間外労働の上限規制)への対応と合わせて活用することで、採用時のアピールポイントにもなります。

2024年問題の詳細

建設業の2024年問題と採用への影響についてはこちらで解説しています。→ 建設業の2024年問題とは?採用への影響と対策


支給額シミュレーション|従業員20人の中小建設会社

すべての制度を組み合わせると、どのくらいの金額になるのか。従業員20人の中小建設会社をモデルに試算します。

助成金の年間受給シミュレーション

制度活用内容年間受給額
トライアル雇用助成金未経験若年者2名を試行雇用48万円(24万円×2名)
キャリアアップ助成金有期雇用者1名を正社員化80万円
CCUS等活用促進コース技能者5名がレベル昇格+賃金5%アップ80万円(16万円×5名)
技能実習コース3名に資格取得講習を実施約75万円(経費+賃金助成)
働き方改革推進支援勤怠管理システム導入約60万円

各制度の上限額をもとに試算

合計:約343万円

助成金を使わない場合と比較すると、以下の通りです。

助成金活用の有無による年間コスト差

助成金なし500万円(採用・育成コスト)
助成金あり157万円(採用・育成コスト)

モデルケースによる試算

採用・育成にかかる実質コストを約70%削減できる計算です。


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助成金申請の流れと注意点

申請前に必要な3つの準備

助成金を申請するには、事前にいくつかの要件を満たす必要があります。

  1. 雇用管理責任者の選任(建設業特有の要件。事業所ごとに選任が必要)
  2. 雇用保険の適用事業所であること(助成金の原資は雇用保険料)
  3. 計画書の事前提出(多くの助成金は「計画→実施→申請」の順序)

よくある失敗3つ

申請時の注意

以下の失敗で不支給になるケースが頻発しています。

  1. 申請期限を過ぎた。支給申請には原則2か月以内の期限があります
  2. 計画書の事前提出を忘れた。「先に実施してから申請」はできません
  3. 賃金台帳や出勤簿が整備されていない。書類不備は不支給の最大原因です

社会保険労務士に申請を委託するのが確実です。着手金なし・成功報酬型で対応する社労士事務所もあります。


助成金だけでは足りない? 人材確保を加速する採用戦略

助成金はコスト削減の手段であり、人材確保の全体戦略ではありません。

助成金と組み合わせるべき施策は以下の通りです。

  • 求人費用の最適化:無料媒体と有料媒体を組み合わせてコストを下げる
  • リファラル採用:社員紹介による採用で定着率を高める
  • 採用ブランディング:自社の強みを発信し、応募の「質」を上げる

ただし、これらの施策をすべて自社で回すのは簡単ではありません。中小建設会社の人事担当は総務・経理と兼任していることが多く、採用業務に十分な時間を割けないのが現実です。

人材紹介に頼れば1人あたり150〜200万円(年収の30〜35%)のコストが発生します。せっかく助成金で節約しても、採用コストで相殺されてしまいます。

採用代行(RPO)なら月額25万円〜で、求人設計から応募対応、面接調整まで対応できます。助成金でコストを下げつつ、採用代行で採用活動そのものを効率化する。この組み合わせが、中小建設会社にとって最もバランスの取れた戦略です。

建設業の求人費用はいくら?手法別コスト比較と削減法

建設業のリファラル採用完全ガイド|コスト1/10で定着率も高い手法


助成金活用チェック

自社の助成金活用チェック

Q1.雇用管理責任者を事業所ごとに選任していますか?

Q2.建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者を登録していますか?

Q3.有期雇用の作業員で、3年以上勤務している方はいますか?

Q4.社内で助成金の情報を定期的に確認する体制がありますか?

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まとめ

建設業の人材確保には、7つの助成金制度が活用できます。

押さえるべき3つのポイントは以下の通りです。

  1. トライアル雇用助成金は建設業特有の上乗せがある(1人最大24万円)
  2. CCUS登録が助成金活用の基盤になる(活用促進コースで最大160万円/年)
  3. すべて併用すれば年間340万円以上の受給が見込める

令和8年度予算案では建設事業主向けに71億円が確保されています。

知っている会社だけが受け取れるお金です。まずは社労士に相談し、自社で使える制度を確認するところから始めてみてください。