建設人材477万人、建築人材も不足。どの職種から採るべきか

建設業の就業者数は2024年時点で477万人。ピーク時(1997年)の685万人から208万人が減少しました。

なかでも現場で実際に手を動かす技能者(建設人材の中核)は、464万人から303万人へ35%減。建築設計・施工管理などの技術者(建築人材)も、有効求人倍率4.93倍と深刻な不足状態にあります。

「人が足りない」のは分かっている。問題は「どの職種を優先して採用すべきか」です。限られた予算で最大の効果を出すには、データに基づく優先順位付けが不可欠です。

この記事では、建設人材・建築人材の不足状況を職種別のデータで比較し、中小企業がどこから手をつけるべきかを解説します。


建設人材・建築人材の不足度|職種別データ

職種別有効求人倍率ランキング

厚生労働省「一般職業紹介状況」(2025年)から、建設・建築関連の主要職種を比較します。

建設・建築関連の職種別有効求人倍率(2025年)

厚生労働省 職業安定業務統計(2025年)

建設躯体工事は7.75倍で最も深刻。鳶職、鉄筋工、型枠大工は「募集しても応募ゼロ」が当たり前の水準です。建築・土木技術者(施工管理、建築士、測量士など)も4.93倍と、全産業平均の約4倍です。

年齢構成から見る「あと何年もつか」

建設業就業者の年齢構成(2024年)

55歳以上が37%、29歳以下はわずか12%。今後10〜15年で約170万人のベテランが退職適齢期を迎えますが、若手の入職は年間3.8万人(2024年、11年ぶりの4万人割れ)にとどまります。

退職と入職のバランスが完全に崩れており、特に技能者の世代交代が進んでいないのが最大の問題です。

建築人材も例外ではない

建築士、施工管理技士、CADオペレーターなどの建築系技術人材も不足が深刻化しています。

  • 測量士:約6割の企業が不足を感じている(国土地理院調査)
  • 1級建築施工管理技士:人材紹介で採用すると1人200万円前後
  • CADオペレーター:BIM/CIM対応人材は特に希少

建設人材(現場職人)だけでなく、建築人材(技術者・管理者)も不足している点が、建設業の人手不足を複雑にしています。

建設業の人手不足が深刻な職種ランキング|職種別データと採用戦略


「どの職種から採るか」の優先順位

すべての職種を同時に採用するのは現実的ではありません。限られた予算と時間で最大の効果を出すには、優先順位をつけることが重要です。

優先度の判断基準は3つ

  1. 事業への影響度:その職種がいないと工事が止まるか
  2. 採用難易度:有効求人倍率と市場の人材数
  3. 育成期間:未経験から戦力になるまでの時間

建設・建築人材の採用優先度マトリクス

各職種の有効求人倍率・業界データより作成

事業が止まるリスクが高い職種(施工管理、躯体工事系)は、コストをかけてでも優先的に確保すべきです。一方、CADオペレーターや一般作業員は未経験育成で比較的短期間に戦力化できます。

施工管理の採用が難しい5つの理由|データと対策を解説


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建設・建築人材を確保する3つの基本戦略

戦略1:未経験者を採用して自社で育成する

経験者の奪い合いに疲弊するよりも、未経験者を育てる方が中長期で合理的です。

福岡県の工野建設は初めての高卒採用に挑戦し、4名の内定を獲得。資格取得費用の全額負担と合格報奨金(5〜10万円)を制度化し、若手が成長を実感できる環境を整えています。

育成型採用のポイント

入社後3ヶ月の研修プログラム、メンター制度、資格手当(月3,000〜10,000円)の3つを揃えると、未経験者の定着率が大幅に改善します。

未経験者を採用して定着させる施工管理の育成ロードマップ

戦略2:外国人材で即戦力を補う

建設業の外国人労働者は5年間で約7万人から約14万人に倍増。特定技能制度では18業務区分で即戦力の外国人材を採用できます。

ただし、外国人材だけに頼る戦略はリスクがあります。アジア各国でも建設人材の不足が深刻化しており、日本の賃金水準では人材を引きつけにくくなっています。国内人材の育成を軸に、外国人材で補完するのが現実的なバランスです。

建設業の外国人採用ガイド|特定技能・技能実習の制度と受入れ手順

戦略3:採用代行(RPO)で複数職種を同時に採用する

建設人材と建築人材の両方を採用したい場合、社内だけで対応するのは困難です。職種ごとに異なる求人設計、媒体選定、スカウト文面が必要になるからです。

人材紹介で施工管理と電気工事士を1人ずつ採用すれば、成功報酬だけで300〜400万円。一方、RPOなら月額25万円〜の固定費で複数職種の採用を同時に進められます。

年間で3名以上採用する計画なら、RPOの方がコストメリットが大きく、しかも採用ノウハウが自社に蓄積されます。

採用代行(RPO)とは?建設会社が導入すべき3つの判断基準


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まとめ

建設人材・建築人材の確保に向けて、押さえておくべきポイントをまとめます。

  1. 建設人材477万人、技能者303万人。ピーク比で30〜35%が減少し、回復の見通しは立っていない
  2. 躯体工事7.75倍、建築技術者4.93倍。職種によって不足度が大きく異なる
  3. 55歳以上が37%、新卒入職は年3.8万人。退職と入職のバランスが完全に崩壊
  4. 事業影響度×採用難易度×育成期間で優先順位をつける。すべてを同時に採るのは無理
  5. 未経験育成+外国人材+RPOの組み合わせが、中小企業にとって最も現実的な戦略

人材の不足は放置するほど深刻化します。まずは自社にとって最も事業インパクトの大きい職種を特定し、そこから採用戦略を立てることが第一歩です。

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