助成金だけでは人は確保できない。建設業に必要な「仕組み」の話

建設業の人材確保に使える助成金は複数あります。トライアル雇用助成金、人材確保等支援助成金、キャリアアップ助成金など、活用すればコスト負担を軽減できるのは事実です。

しかし、助成金は「採用コストを下げる手段」であって、「人を集める方法」ではありません。

帝国データバンクの調査(2026年1月)では、建設業で正社員が不足していると回答した企業は70.4%。厚生労働省のデータでは有効求人倍率5.27倍。この環境で人材を確保するには、「人が集まる仕組み」そのものを作る必要があります。

助成金は使えるなら使うべきです。でも、それだけで人が来るわけではありません。人材確保には、採用・育成・定着の3つを回す「仕組み」が必要です。

この記事では、助成金に頼らず建設業で人材を確保する5つの実践的な方法を、コスト比較と事例つきで解説します。


なぜ建設業は人材確保が難しいのか

採用市場の構造が変わった

建設業の就業者は1997年の685万人から477万人(2024年)へ30%減少。55歳以上が37%を占め、29歳以下はわずか12%。そもそも採用市場に出てくる建設経験者の絶対数が減っています。

「待ちの採用」が通用しなくなった

ハローワークに求人を出して待つだけでは、建設業の有効求人倍率5倍超の環境で応募は期待できません。しかし中小建設会社の多くは、今でもこの「待ちの採用」を続けています。

人材確保 ≠ 採用だけではない

人材確保には3つのレバーがあります。

  1. 採用:新しい人材を獲得する
  2. 育成:未経験者を戦力化する
  3. 定着:既存社員が辞めない環境を作る

多くの企業は「採用」だけに注目しますが、育成と定着を同時に改善しなければ、採用した人材がすぐに辞めていく「ザル」状態が続きます。

建設業の人手不足は当たり前?嘘?データで見る本当の原因と対策


建設業の人材確保|5つの実践的方法

方法1:求人票を「求職者目線」で作り直す

最もコストがかからず、最も即効性がある方法です。

建設業の求人票で最も多い失敗は、「会社が伝えたいこと」を並べてしまうこと。求職者が知りたいのは、以下の5項目です。

  • 年収レンジ(「400〜600万円」など具体的に)
  • 年間休日数・残業時間の実績値
  • 資格取得支援の内容と費用負担
  • 入社後のキャリアパス(3年後・5年後の具体例)
  • 現場の雰囲気が分かる写真や動画

ある建設会社はホームページで社風や働く様子を詳しく発信した結果、7ヶ月間で15名の応募を獲得し2名の採用に成功しました。

建設業の求人票の書き方|応募が増える7つのコツ

方法2:未経験者を育てる体制を整備する

経験者の採用が難しいなら、未経験者を育てる方が中長期で合理的です。

未経験育成の3つの仕組み

  1. 入社後3ヶ月の研修プログラム(座学+現場OJT)
  2. メンター制度(先輩社員が1対1でフォロー)
  3. 資格取得支援(費用全額負担+合格報奨金5〜10万円+資格手当月3,000〜10,000円)

この3つの仕組みを整えるだけで、未経験者の応募が増え、入社後の定着率も大幅に改善します。福岡県の建設会社では、高卒向け求人サイトを活用した初めての新卒採用で4名の内定を獲得しています。

未経験者を採用して定着させる施工管理の育成ロードマップ

方法3:リファラル採用(社員紹介)を仕組み化する

社員の紹介による採用は、定着率が他チャネルより20%以上高いというデータがあります。紹介者が社内の実情を伝えたうえで紹介するため、入社後のミスマッチが起きにくいのです。

紹介報奨金の相場は5〜20万円。人材紹介会社の成功報酬(150〜200万円)と比べれば、コストは10分の1以下です。

「紹介制度があること」を全社員に周知するだけで、自然と紹介が生まれる会社も少なくありません。制度を作ったら、毎月の朝礼や社内チャットで繰り返し告知するのがポイントです。

建設業のリファラル採用完全ガイド|コスト1/10で定着率も高い手法


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方法4:定着施策で「辞めない会社」を作る

せっかく採用した人材が1〜2年で辞めてしまえば、採用コストは丸ごと無駄になります。定着率の改善は、採用と同じくらい人材確保に効果があります。

建設業で効果が高い定着施策は以下の3つです。

定着施策とその効果

各社事例より作成

ある建設会社は長期病気休暇時に自動で有給休暇を付与する制度を導入し、子育て中の社員の離職を防ぎました。また、新築寮を設置して若手同士が悩みを共有できる環境を整えたことで、定着率が改善した事例もあります。

建設業の離職率を下げる定着施策5選|辞める理由から逆算する

方法5:採用代行(RPO)で「採用力」を外部から補う

「対策が必要なのは分かっている。でも、採用に割く人手がない」。

これが中小建設会社の最大のジレンマです。求人票の作成、媒体運用、スカウト送信、応募者対応。採用業務にはフルタイム1人分の工数がかかります。

人材確保のコスト比較(年間3名採用の場合)

業界相場より試算

RPOなら月額25万円〜で、求人設計から応募対応まで一括で任せられます。年間3名以上採用するなら、人材紹介より150〜300万円のコスト削減。しかも採用ノウハウが自社に蓄積されるため、長期的な採用力の向上にもつながります。

採用代行(RPO)とは?建設会社が導入すべき3つの判断基準


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まとめ

建設業の人材確保に向けて、押さえておくべきポイントをまとめます。

  1. 助成金はコスト軽減策であり、人を集める手段ではない。人材確保には「仕組み」が必要
  2. 人材確保 = 採用 × 育成 × 定着。3つのレバーを同時に回すことで効果が出る
  3. 求人票の見直しが最も即効性のある第一歩。コスト0円から始められる
  4. リファラル採用はコスト1/10、定着率20%以上高い。仕組み化して全社で取り組む
  5. 採用する人手がないなら、RPO月25万円〜。年間3名以上で人材紹介より合理的

人材確保は「いつかやろう」で先送りできる課題ではありません。建設業の就業者が毎年減り続ける中、動き出すのが早いほど有利です。

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