就業者30%減、倒産113件。建設業の人手不足はもう「いつか解決する問題」ではない

国土交通省の統計によると、建設業の就業者数は1997年のピーク685万人から2024年には477万人へ。27年間で約30%、実に200万人以上が業界から去りました。

さらに深刻なのが、帝国データバンクが発表した2025年の人手不足倒産データです。建設業の人手不足を原因とする倒産は113件で、初めて100件を突破。全業種427件の約26%を建設業が占め、業種別で最多となっています。

人手不足は「困っている」段階から「会社が倒れる」段階に入っています。採用を後回しにするリスクは、もう無視できません。

この記事では、国土交通省・厚生労働省・帝国データバンクの一次データをもとに建設業の人手不足の実態を整理し、中小企業でも実践できる採用戦略を解説します。


データで見る建設業の人手不足の実態

技能者は464万人→303万人。現場を支える人が足りない

日本建設業連合会(日建連)の統計では、建設技能者数は1997年の464万人から2024年には303万人へ、34.7%も減少しました。

建設業就業者数の推移(万人)

管理職や事務職を含む就業者全体でも30%減ですが、実際に現場で手を動かす技能者はそれ以上のペースで減っています。工事の受注はあるのに、施工する人がいない。この構造的なミスマッチが業界を直撃しています。

有効求人倍率5.27倍。「1人の求職者を5社で奪い合う」状態

厚生労働省の一般職業紹介状況(2025年1月)によると、建設業全体の有効求人倍率は5.27倍。全産業平均の約1.25倍と比べると、4倍以上の採用難易度です。

建設業の職種別有効求人倍率(2025年)

職種有効求人倍率
建設躯体工事8.01倍
土木作業6.63倍
建設業全体5.27倍
全産業平均約1.25倍

厚生労働省 一般職業紹介状況(2025年1月)

建設躯体工事に至っては8.01倍。求人を出しても応募が来ない状況が数字で裏付けられています。

55歳以上が37%、29歳以下は12%。世代交代が進んでいない

国土交通省のデータ(2024年)によると、建設業就業者の年齢構成は55歳以上が約37%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっています。

今後10年で高齢層の大量退職が進めば、人手不足はさらに加速します。日本経済新聞の調査では、大型工事について「26年度は受注できない」と回答した建設会社が約7割にのぼりました。

建設業の人手不足が深刻な職種ランキング|職種別データと採用戦略

人手不足倒産113件。「採用できない=経営リスク」の時代

帝国データバンクによると、2025年の建設業倒産は2,021件(前年比6.9%増)で過去10年最多。4年連続の増加です。

なかでも人手不足を直接の原因とする倒産は113件で、全業種の人手不足倒産427件の約4分の1を建設業が占めています。

帝国データバンクの正社員不足調査(2026年1月)

建設業で「正社員が不足している」と回答した企業は69.6%で、全業種トップでした。採用できないことが、そのまま事業継続のリスクになっています。

建設業の人手不足は当たり前?嘘?データで見る本当の原因と対策


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人手不足を採用で打開する5つの戦略

戦略1:求人票の「見える化」で応募の母数を増やす

建設業の平均年収は全産業平均を上回る水準ですが、求人票でそれが伝わっていないケースが大半です。給与レンジ、賞与実績、年間休日数、資格手当の金額など、数字で示せる情報はすべて記載しましょう。

ある建設会社はホームページで経営理念や社風を詳細に発信した結果、7ヶ月で15名の応募を獲得し、2名の採用に成功しました。

建設業の求人票の書き方|応募が増える7つのコツ

戦略2:未経験者を「育てる仕組み」で採用の間口を広げる

経験者だけを求めていては、有効求人倍率5倍超の市場で勝てません。未経験者を採用して自社で育成する仕組みを整えることが、採用の間口を大きく広げます。

新潟県の小柳建設は、DXと採用改革を両輪で進め、離職率を17.8%→13.9%に改善。数十人規模の新規雇用を実現しました。

未経験者を採用して定着させる施工管理の育成ロードマップ

戦略3:SNS・動画で「働くイメージ」を発信する

建設業に「きつい・汚い・危険」のイメージを持つ若年層は多いですが、実際の現場を見せることでそのギャップを埋められます。SNS広告とホームページの採用記事を連動させた中小建設会社は、出稿から約2ヶ月で若手人材の採用に成功しています。

TikTokやInstagramで現場の日常や社員の声を発信し、29歳以下の層にリーチする取り組みが増えています。

戦略4:働き方改革を「採用のウリ」に変える

完全週休2日制、残業時間の上限管理、有給取得率の向上。これらの取り組みを「やっている」だけでなく「求人で伝える」ことが重要です。

平成建設は毎年数十名の新卒を採用し、200人規模の職人チームを構築。女性社員比率27%を実現するなど、働きやすさを前面に出した採用戦略が成果を上げています。

建設業の働き方改革|成功企業5社の事例と2025年最新データ

戦略5:採用代行(RPO)で採用活動そのものをプロに任せる

人手不足の建設会社は、現場の仕事で手一杯。採用活動に割けるリソースがないのが実情です。ここに人手不足が解消しない本当の原因があります。

採用を成功させるには、求人媒体・人材紹介・スカウトなど複数のチャネルを組み合わせる必要があります。採用代行(RPO)なら月額10万円〜の固定費で、人材紹介のエージェントコントロールも含めた採用活動全体をプロが最適化してくれます。

人材紹介 vs 採用代行(RPO)のコスト比較

比較項目人材紹介採用代行(RPO)
費用体系成功報酬(年収の30〜35%)月額固定10万円〜
1人あたりコスト約150〜200万円年間120万円÷採用人数
3名採用時の年間コスト450〜600万円120万円
採用ノウハウエージェント側に蓄積自社に蓄積される
求人票の改善対応なし継続的に最適化

業界相場より試算

RPOなら複数チャネルの運用をプロに任せることで、コストを抑えつつ採用の質を高められます。しかも、採用ノウハウが自社に残ります。

採用代行(RPO)とは?建設会社が導入すべき3つの判断基準


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まとめ

建設業の人手不足について、押さえておきたいポイントをまとめます。

  1. 就業者は685万人→477万人に30%減少。技能者は34.7%減とさらに深刻
  2. 有効求人倍率5.27倍、躯体工事は8.01倍。待っていても応募は来ない
  3. 55歳以上が37%、29歳以下は12%。世代交代の遅れが将来のリスクを拡大
  4. 人手不足倒産113件、建設業倒産2,021件。採用できないことが経営リスクに直結
  5. 求人票の改善、未経験育成、RPO活用。今日からできる戦略で人手不足を打開

人手不足は「業界全体の問題だから仕方ない」ではなく、「自社の採用戦略で差をつけられる領域」です。求人の出し方、育成の仕組み、採用リソースの確保。一つずつ見直すことが、人材確保の第一歩になります。

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