建設・採掘の職業は4.99倍、全職業の平均は1.05倍
2026年7月の有効求人倍率は、建設・採掘従事者で4.99倍でした。
建設躯体工事従事者は7.94倍、建築・土木・測量技術者は5.46倍です。
同じ月の職業計は1.05倍。求人を出しても人が来ない、という現場の感覚は、この数字の差にそのまま出ています(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分参考統計表7-1、常用(パートタイムを含む)・全国計)。
ここで、先に一つ断っておきたいことがあります。
結論から言うと、「建設業の有効求人倍率」という統計は公表されていません。
厚生労働省の『一般職業紹介状況』に、産業別の有効求人倍率はありません。産業別に出ているのは新規求人数とその増減だけです。
世の中の記事が「建設業の有効求人倍率」と呼んでいる数字は、ほぼすべて職業分類の「建設・採掘従事者」の数字です。
産業でいう建設業と、職業でいう建設・採掘は別のくくりです。建設会社の経理担当は産業では建設業に入りますが、職業では事務従事者に入ります。
この記事では、厚生労働省が実際に公表している職業分類の数字だけを使います。
人手不足の構造そのものは建設業の人手不足|2035年129万人不足の構造と打ち手、採用の全体像は建設業の採用戦略ガイドで扱っています。
最新の数字(2026年7月)
建設関係の職業の有効求人倍率・新規求人倍率(令和8年7月)
| 職業 | 有効求人倍率 | 新規求人倍率 |
|---|---|---|
| 建設・採掘従事者 | 4.99倍 | 8.37倍 |
| 建設躯体工事従事者 | 7.94倍 | 12.70倍 |
| 土木作業従事者 | 6.49倍 | 10.54倍 |
| 建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) | 4.24倍 | 6.61倍 |
| 電気工事従事者 | 3.26倍 | 6.32倍 |
| 採掘従事者 | 3.32倍 | 4.52倍 |
| 建築・土木・測量技術者 | 5.46倍 | 9.08倍 |
| 定置・建設機械運転従事者 | 1.62倍 | 2.89倍 |
| 職業計 | 1.05倍 | 2.04倍 |
厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分参考統計表7-1(常用(パートタイムを含む)・全国計)より作成
有効求人倍率と新規求人倍率の違い
2つの倍率は、数えている範囲が違います。
- 有効求人倍率: その月に生きている求人の総数を、求職者の総数で割った数字。前の月から持ち越した分も入ります
- 新規求人倍率: その月に新しく出た求人を、新しく登録した求職者で割った数字
どちらもハローワークで受け付けた分だけの数字です。求人サイトや人材紹介の動きは入っていません。
建設・採掘は新規のほうが高く、8.37倍でした。建設躯体工事は12.70倍です。新しく出てくる求人の勢いに、新しく登録する人の数が追いついていません。
経営会議で引用するときは、有効なのか新規なのかを一言添えてください。数字が倍近く変わります。
数え方の範囲で数字は変わります
上の表は「常用(パートタイムを含む)」です。パートを除いた常用で見ると、同じ月の建設・採掘従事者は有効求人倍率5.65倍、新規求人倍率9.42倍になります。
有効求人倍率で見ると、建設躯体工事従事者は8.62倍、建築・土木・測量技術者は6.65倍、職業計は1.16倍です。
自社の数字と比べるときは、どちらかにそろえてください。片方をパート込み、もう片方をパート除きで並べると、差が実際より大きく見えます。
なお、全職業をまとめた「全体」の有効求人倍率は、同じ月で1.18倍でした。これは季節調整値、つまり季節による求人の増減をならした数字です。ならす前の原数値は1.15倍、正社員の有効求人倍率は1.00倍でした。
同じ全職業でも集計の取り方が違うため、職業別の表の1.05倍とは直接つなげられません。並べて引用しないでください。
(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分参考統計表8-1、および月次の概況より)

10年の推移|急騰したのは2016〜2019年です
建設・採掘従事者の有効求人倍率(年度計)
出典: 厚生労働省『一般職業紹介状況』雇用関係指標(年度)の有効求人数・有効求職者数(全国計・年齢計)から算出
職業別 有効求人倍率の推移(年度計・常用(パートタイムを含む)・全国計)
| 年度 | 建設・採掘 | 建設躯体工事 | 土木作業 | 電気工事 | 建築・土木・測量技術者 | 職業計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016年度 | 3.37 | 7.68 | 3.12 | 2.29 | 4.55 | 1.25 |
| 2017年度 | 4.13 | 9.74 | 3.84 | 2.79 | 5.22 | 1.38 |
| 2018年度 | 4.87 | 10.68 | 4.73 | 3.24 | 5.57 | 1.46 |
| 2019年度 | 5.21 | 10.55 | 5.32 | 3.53 | 5.81 | 1.41 |
| 2020年度 | 5.01 | 8.82 | 5.64 | 3.58 | 5.12 | 1.01 |
| 2021年度 | 4.90 | 8.62 | 5.74 | 3.31 | 5.29 | 1.05 |
| 2022年度 | 5.17 | 9.76 | 5.90 | 3.24 | 5.55 | 1.19 |
| 2023年度 | 5.27 | 9.39 | 6.14 | 3.20 | 5.57 | 1.17 |
| 2024年度 | 5.13 | 8.56 | 6.10 | 3.30 | 5.58 | 1.14 |
| 2025年度 | 5.02 | 7.72 | 6.21 | 3.37 | 5.58 | 1.10 |
厚生労働省『一般職業紹介状況』雇用関係指標(年度)の有効求人数・有効求職者数(全国計・年齢計)から算出
この表の倍率は、厚生労働省が倍率として直接公表している値ではありません。公表されている求人数と求職者数の実数を割り算して出した値です。
もう一点、2022年度までは職業の名称が違いました。建設・採掘の職業、建設躯体工事の職業、土木の職業、電気工事の職業、建築・土木技術者等という表記で、2023年度から現在の名称に変わっています。中身の区分はつながっているものとして並べています。
読み取れることは4つです。
- 倍率が大きく上がったのは2016年度から2019年度の4年間。建設・採掘は3.37倍から5.21倍まで動きました
- 2020年度からは5倍前後で横ばい。直近3年はむしろ下がっています(5.27→5.13→5.02)
- 建設躯体工事は2018年度の10.68倍がピークで、2025年度は7.72倍まで下がりました
- 土木作業だけはほぼ一貫して上がっています。2016年度3.12倍から2025年度6.21倍です
電気工事は2018年度以降ずっと3倍台、建築・土木・測量技術者は2022年度以降5.5倍台でほぼ動いていません。
「年々どんどん悪化している」という語られ方をよく見ますが、数字はそう言っていません。上がりきったところで止まっている、というのが実際の形です。
横ばいでも、楽にはなっていません
倍率が横ばいでも、人が足りている話にはなりません。働き手の数そのものが減り続けているからです。
建設業の就業者は1997年の685万人から2010年に504万人、2025年平均で478万人になりました。
うち技能者は455万人から2010年に331万人、2025年は296万人です。技術者は1997年も2025年も41万人でした。2010年に31万人まで落ちてから戻しています。
年齢構成も偏っています。55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%。全産業は32.8%と17.0%です(国土交通省『参考資料集』(令和8年4月3日))。
事業所への聞き取りでも、不足感は12産業でいちばん強く出ています。厚生労働省の調査で、正社員等労働者の過不足を示す指数は調査産業計が+47、建設業は+59でトップでした。医療・福祉が+57、運輸が+55です。
この指数は、人が「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」と答えた割合を引いた値です。30人以上の民営事業所3,174件の回答をもとにしています(厚生労働省『労働経済動向調査』令和8年5月調査)。
一方で、実際の現場がその日の作業を回せているかは別の話です。国土交通省が型わく工(土木・建築)、左官、とび工、鉄筋工(土木・建築)、電工、配管工の8職種について毎月調べている不足率は、令和8年7月調査で1.2%の不足でした。前月1.0%、前年同月1.6%です。
9月の労働者確保の見通しを「困難」「やや困難」と答えた割合は26.3%。前年同月の28.1%から1.8ポイント改善しました。いちばん多い答えは「普通」で58.5%です(国土交通省『建設労働需給調査結果(令和8年7月調査)』)。
日々の現場はぎりぎりで回っています。詰まっているのは、新しい人が入ってくる入口のほうです。
賃金も動いています。建設業の生産労働者、つまり現場で直接作業にあたる人の年収は、2025年の対前年伸び率が+4.9%でした。非正規雇用を除いた全産業の+3.5%を上回っています。
賃金を上げても倍率が下がっていない、という読み方もできます。
職業別の難しさの順番
採りにくい順(令和8年7月・有効求人倍率)
| 職業 | 有効求人倍率 | 年度計で見た動き |
|---|---|---|
| 建設躯体工事従事者 | 7.94倍 | 2018年度の10.68倍がピーク。以降は下がってきた |
| 土木作業従事者 | 6.49倍 | 2016年度3.12倍からほぼ一貫して上昇 |
| 建築・土木・測量技術者 | 5.46倍 | 2022年度以降は5.5倍台で横ばい |
| 建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) | 4.24倍 | 2023年度以降は4.82→4.59→4.37と低下 |
| 採掘従事者 | 3.32倍 | 2023年度以降は4.33→4.30→3.89と低下 |
| 電気工事従事者 | 3.26倍 | 2018年度以降は3倍台で安定 |
| 定置・建設機械運転従事者 | 1.62倍 | 2023年度以降は1.88→1.85→1.80でほぼ横ばい |
厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分参考統計表7-1、および雇用関係指標(年度)から算出
右端の列のうち、建設従事者・採掘従事者・定置建設機械運転の3つは2023年度からの3年分だけです。2022年度までは職業の区分名が違い、そのままつなげて比べられません。
同じ建設の仕事でも、いちばん上といちばん下で5倍近い差があります。
自社の採用計画を立てるとき、「建設・採掘4.99倍」をひとまとめで使うと判断を誤ります。躯体の職人を探しているのか、施工管理を探しているのか、電気工事の有資格者を探しているのかで、市場の混み具合はまったく違います。
施工管理の採用が重い理由は施工管理の採用が難しい5つの理由、現場監督の確保策は現場監督が採れない原因と確保する5つの方法、電気工事士については電気工事士の採用を成功させる方法で扱っています。
他の職業と並べてみる
主な職業の有効求人倍率(令和8年7月)
出典: 厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分参考統計表7-1(常用(パートタイムを含む)・全国計)より作成
正式な名称と数字は次のとおりです。保安職業従事者6.54倍、介護サービス職業従事者3.82倍、自動車運転従事者2.53倍、社会福祉専門職業従事者2.43倍、保健師・助産師・看護師1.94倍、生産工程従事者1.59倍、情報処理・通信技術者1.34倍、事務従事者0.36倍。一般事務従事者に絞ると0.29倍です。
人手不足の代表として語られる介護でも3.82倍。建設・採掘の4.99倍には届きません。躯体工事の7.94倍は、警備などの保安職業も上回ります。
逆の端にあるのが事務です。0.36倍ということは、求人1件に求職者が複数いる状態を意味します。同じ会社の中でも、現場の求人と事務の求人では市場がまるきり逆を向いています。
くり返しになりますが、これは職業別の数字です。産業別の有効求人倍率ではありません。「医療・福祉業界の倍率」「運輸業界の倍率」として出回っている数字を見かけたら、出どころを確かめてください。
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無料で相談する倍率の数字より、中小の採用結果のほうが厳しい
倍率はハローワークの求人と求職者の比です。実際に何人採れたかとは別の数字になります。
厚生労働省が建設業4,449社から回答を得た調査があります。そのうち、建設技能労働者が1人以上いる3,521社への設問を見てみます。
直近3年の常用の若年技能労働者の採用状況は、「採用できていない」が49.8%、「あまり採用できていない」が18.7%。合わせて68.5%でした。
「採用したいと考えていない」は14.8%でした。
報告書は、採用できていないと答えた割合が従業員数5人以上で約7割に上ると指摘しています。さらに、令和5年度の若年技能労働者の入職人数は0人が75.6%でした(厚生労働省『建設業における雇用管理現状把握実態調査報告書(令和6年度調査)』、令和7年2月・集計対象企業4,449社、うち建設技能労働者が1人以上いる3,521社への設問、調査時点は令和6年7月31日現在)。
1年かけて若手を1人も入れられていない会社が、4分の3を超えています。
この調査に答えた企業は、常用従業員9人以下が66.2%を占めます。30人以上は5.5%です。中小の実態がそのまま出た数字として読んでください。

小規模の事業者に絞ると、さらにはっきりします。
建設業向けアプリ『助太刀』の調査では、直近1年間の中途採用人数が3人以下の会社が94%、1人も採用できなかった会社が43%でした。
ここで注意したいのは、数字のもとになった範囲です。回答した建設事業者313社のうち、採用に関わったことのある172社の回答をまとめたものになります。
そして回答者の8割が従業員20人以下の事業者でした。建設業全体の平均ではなく、小規模事業者の実態として読んでください(株式会社助太刀『建設業の中途採用状況調査』2024年9月3日、調査期間2024年6月24日〜7月31日)。
同じ調査で、人材紹介会社を使っている会社は13%にとどまりました。
都道府県で、倍率はここまで違う
建設・採掘従事者の倍率は、全国計で5.02倍(2025年度)です。ところが都道府県ごとに見ると、いちばん高いところといちばん低いところで4倍近い開きがあります。
建設・採掘従事者の有効求人倍率が高い都道府県(2025年度)
| 都道府県 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 富山 | 9.00倍 |
| 新潟 | 8.64倍 |
| 京都 | 8.50倍 |
| 福井 | 6.82倍 |
| 愛知 | 6.41倍 |
| 山口 | 6.33倍 |
| 群馬 | 6.18倍 |
| 香川 | 6.16倍 |
| 岐阜 | 6.10倍 |
| 千葉 | 6.05倍 |
| 全国計 | 5.02倍 |
厚生労働省『一般職業紹介状況』雇用関係指標(年度)の有効求人数・有効求職者数(受理地別)から算出
低いほうは、沖縄2.29倍、岩手3.09倍、長崎3.18倍、宮崎3.26倍、徳島3.30倍、熊本3.43倍、高知3.52倍と続きます。
もっとも高い富山の9.00倍と、もっとも低い沖縄の2.29倍。同じ求人票を出しても、集まり方がまるで違います。全国平均の5.02倍を自社の目安にしている会社は、まず自分の地域がどちら寄りかを見てください。
この数字も、公表されている求人数と求職者数から割り算して出した値です。受理地別、つまり求人を受け付けた側の都道府県で集計しています。
隣県から通える範囲で採っている会社は、近隣の都道府県もあわせて見てください。そのほうが実感に近い数字になります。
都道府県別の倍率としてよく引かれる労働政策研究・研修機構(JILPT)の都道府県別有効求人倍率は、全職業をまとめた数字だけです。建設の職業別の内訳は載っていません。地域差を職種まで落として見たいときは、上のように実数から計算する必要があります。
倍率を踏まえて、採用をどう組み立てるか
5倍の市場で1つの手段だけに頼ると、応募が集まりません。求人広告、人材紹介、スカウト採用(ダイレクトリクルーティング)、ハローワーク、社員からの紹介、採用ホームページ。この6つを職種と地域に合わせて組み合わせるところから始まります。
職人と施工管理では、使える手段が違います
ここは法律で線が引かれています。職業安定法第32条の11により、建設業務に就く職業を有料で紹介することは原則として禁止されています。
例外は、国の許可を受けた建設業の事業主団体が行う建設業務有料職業紹介だけです。
ここでいう建設業務とは、工事そのものに直接たずさわる作業のことです。
一方で、施工管理と建設現場の事務職員は建設業務に当たらないと、厚生労働省の『職業紹介事業の業務運営要領』に書かれています。この2つは有料職業紹介を使えます。
設計や積算は要領に明文がありません。使えるかどうかは、紹介会社と個別に確かめてください。
つまり、こういう住み分けになります。
- 躯体や土木の職人は、民間の有料の紹介会社経由では採れません。求人広告、ハローワーク、社員からの紹介、採用ホームページが軸になります
- 施工管理は、人材紹介が主力になります。有資格者を確実に採れるルートです
先ほどの助太刀の調査で人材紹介の利用が13%にとどまっていたのも、回答者の多くが小規模事業者で、技能者の採用が中心だったからと説明がつきます。技能者を探している会社が紹介会社を使えないのは、当然の結果です。

人材紹介は、上手く使えるかで差がつきます
手数料は、全業界の平均で30〜35%。建設業の施工管理では主流45%です。1級を持つ所長クラスや、急ぎで探す希少な人材では60〜70%まで上振れることがあります。
金額だけ見れば高く感じます。ただ、5.46倍の市場で有資格者に会える手段は限られています。使うこと自体は正しくて、使い方しだいで効き方が変わります。
紹介会社を上手に使いこなすコツは、難しいことではありません。求める人物像を具体的に伝える、推薦が来たら早く返事をする、見送った理由をきちんと返す、複数社に優先順位をつけて任せる。この4つで推薦の質と量が変わります。
媒体の組み合わせ方は建設業の採用媒体完全比較ガイド、中途採用の進め方は建設業の中途採用を成功させる5つの戦略、求人票の直し方は建設業の求人票の書き方に載せています。
採用代行を基本線に置く
採用の手段も媒体も、毎年のように移り変わります。社内の人だけで追いかけるのは負担が大きいので、建設業に特化した採用代行と組むのを基本線に置いてください。そのうえで、社内の手をどこに割くかを決めます。
役割の分け方は次のとおりです。
- 社内と採用代行で一緒に: 求める人物像と採用要件の整理。現場を知る社内の知見が要ります
- 社内: 面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し
- 採用代行: 求人票、媒体、スカウト、応募者対応、日程調整といった運用全般
紹介会社のとりまとめも、この運用の一部です。何社に何を伝えて、どこを優先するか。ここを任せられると、社長と現場リーダーは面接と口説きに集中できます。
弊社の建設特化の採用代行は月額20万円(税別)〜です。建設業に特化した採用代行の価格帯は、月額20万〜30万円(+媒体費)が目安になります。採用代行を使っても媒体費は別にかかるので、予算は両方で組んでください。
料金の形は月額固定をおすすめします。成果報酬型は、業者側から見ると決まらなければ売上にならない契約です。難易度の高い建設業の案件は後回しになりやすく、契約したのに動いてもらえない、ということが起きます。
なお、採用人数を書面で約束する業者は業務委託の枠を超えています。契約書に書けるのは、スカウトの送信通数、求人票の作成・改訂本数、月次レポートの提出日、応募者対応の返信時間といった業務の工数です。採用人数は、四半期ごとの振り返りで話し合う材料として扱います。
求人倍率についてよくある質問
Q. 建設業の有効求人倍率は何倍ですか?
厳密には、産業別の有効求人倍率は公表されていません。よく「建設業の有効求人倍率」と呼ばれているのは、職業分類の建設・採掘従事者の数字です。令和8年7月時点で4.99倍、建設躯体工事従事者7.94倍、建築・土木・測量技術者5.46倍でした(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分)。月次で公表されるので、最新値は厚生労働省のページで確かめられます。
Q. 全職業の平均と比べてどれくらい厳しいですか?
同じ月の職業計は1.05倍です。事務従事者は0.36倍でした。建設の職業は、公的統計で見ても採りにくい側の端にあります。
Q. 有効求人倍率と新規求人倍率の違いは何ですか?
有効求人倍率はその月に生きている求人の総数を求職者の総数で割った数字、新規求人倍率はその月に新しく出た求人を新しく登録した求職者で割った数字です。建設・採掘は令和8年7月で有効4.99倍・新規8.37倍と、新規のほうが高く出ます。資料に載せるときは、どちらかを明記してください。
Q. 都道府県別のデータはありますか?
建設の職業に絞った都道府県別の倍率は、そのままの形では公表されていません。厚生労働省が公表している都道府県別(受理地別)の求人数・求職者数から計算する形になります。この記事では2025年度の値として、富山9.00倍から沖縄2.29倍までの幅を載せています。全職業の都道府県別倍率なら労働政策研究・研修機構(JILPT)が公表しています。
Q. 倍率は今後どう動きますか?
日本建設業連合会は、2035年度に必要な技能労働者393万人に対して技能労働者数の予測を264万人とし、129万人の不足を見込んでいます。この129万人は技能労働者の不足であって、建設業就業者全体の話ではありません。
埋め方は2つのシナリオが併記されています。国土交通省が進めるi-Construction2.0(建設現場の作業を機械やデータの活用で省人化していく取り組み)が実現するケースでは、生産性向上で98万人、入職者を増やして31万人。過去10年と同程度の生産性向上にとどまるケースでは、生産性向上で61万人、入職者を増やして68万人です。
生産性が伸びなければ、そのぶん人を採る側の負担が増えます。日建連は2025年比で生産性を25%向上させる目標も掲げています(日本建設業連合会『建設業の長期ビジョン2.0』2025年7月)。
求人を出す側の数が減らないかぎり、倍率が大きく下がる見通しは立ちません。当面は5倍前後の水準が続くものとして採用計画を立てるほうが安全です。
まとめ
- 建設・採掘従事者は4.99倍、建設躯体工事7.94倍、建築・土木・測量技術者5.46倍。職業計は1.05倍(令和8年7月)
- 産業別の有効求人倍率は公表されていません。「建設業の有効求人倍率」と呼ばれる数字は、職業分類の建設・採掘従事者のものです
- 倍率が急に上がったのは2016年度から2019年度。以降は5倍前後で横ばいで、直近3年は微減しています
- 躯体工事は2018年度の10.68倍から7.72倍まで下がる一方、土木作業だけは3.12倍から6.21倍までほぼ一貫して上がっています
- 倍率より採用結果のほうが厳しく、若年技能労働者を採用できていない会社が68.5%、令和5年度の入職0人が75.6%
- 地域差は大きく、富山9.00倍から沖縄2.29倍まで開いています
- 職人は求人広告・ハローワーク・社員紹介、施工管理は人材紹介。法律で使える手段が分かれています
倍率は、自社の採用が業界平均並みに難しいのか、それ以上に厳しいのかを測る物差しです。平均値をそのまま自社に当てはめず、職種と地域まで落として見てください。
次の一歩として、人手不足の構造は建設業の人手不足|2035年129万人不足の構造と打ち手、採用の全体像は建設業の採用戦略ガイド、媒体の選び方は建設業の採用媒体完全比較ガイド、求人票の直し方は建設業の求人票の書き方もあわせてご覧ください。
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