人手不足で仕事を断る建設会社は68%、それでも5社に1社は採用が止まったままです
社員5〜100名の建設会社に聞いた調査があります。有効回答は1,659件です。
この調査では、68%の会社が「人手不足で仕事を断ることがある」と答えました(クラフトバンク総研『中小建設業の人手不足・賃上げに関する調査』2025年版、2025年8月調査)。
一方で、採用の課題として最も多かったのは「応募がない」で33%です。
次に多かったのが「そもそも採用活動をしていない」で22%でした。
仕事はあります。人が足りません。それでも22%の会社では、採用活動そのものが止まっています。
正社員が不足していると答えた建設業の企業は69.6%で、51業種のうち1位でした。全体平均は52.3%です(帝国データバンク『人手不足に対する企業の動向調査』2026年1月、有効回答1万620社)。
結論から言うと、採用代行が向いているかどうかは、会社の規模でも予算でもありません。
採用の実務を毎週動かす人が、社内にいるかどうかです。その人がいない会社ほど、採用代行を入れる効果が大きくなります。
採用代行という仕組みそのものは採用代行(RPO)とは?仕組み・費用相場・選び方を完全解説にまとめています。はじめての方はそちらもあわせてご覧ください。
採用代行が向いている会社の5つの条件
1. 現場が忙しい月は、採用の作業が丸ごと止まる
採用の担当が専任でいる建設会社は多くありません。社長が求人票を書き、現場のリーダーが面接に出る。この形が普通です。
工期が詰まっている月ほど、採用は後回しになります。求人票もスカウトも手つかずのまま、1ヶ月が過ぎます。
採用は、止まると成果がゼロになる種類の仕事です。スカウトを1ヶ月送らなければ、その月の応募はありません。
採用代行が引き受けるのは、この毎週続ける部分です。求人票の手直し、スカウトの送信、応募者への連絡。細かいけれど止められない作業を外に出します。
面接と最終判断は社内に残します。社長が会って口説く場面は、外に出す仕事ではありません。
2. 求人媒体・スカウト・人材紹介を同時に回せていない
いまの建設業の求人票は、同じ職種の他社の求人と並べて見られます。給与の書き方、休日の書き方、任せる現場の規模。どれか1つが抜けているだけで応募は減ります。
打てる手は求人票だけではありません。求人媒体、スカウト(会社から候補者へ直接声をかける採用のやり方)、人材紹介、社員からの紹介。この4つを同時に回すのが今の採り方です。
1つ試して、うまくいかなければ次、という進め方では時間が足りません。
同時に回すと、作業量が一気に増えます。ここで手が止まる会社が多いです。採用代行が向いているのは、この段階の会社です。
3. 紹介会社に登録したのに、推薦がほとんど来ていない
人材紹介は、建設業の有資格者を確実に採れる主力の手段です。使うこと自体は正しい判断です。
課題は使い方にあります。登録して連絡を待つだけでは、候補者は出てきません。
紹介会社の担当者は何十社もの求人を抱えています。要件がはっきりしていて、返信の速い会社から順に候補者を出します。
手数料の水準も見ておいてください。紹介手数料の相場は、理論年収(月々の給与の12ヶ月分に、交通費以外の諸手当と報奨金・一時金を足した金額)の30〜35%程度です。国に届け出れば、年収の50%まで受け取れる決まりになっています(パーソルキャリア『人材紹介サービスの費用と紹介手数料の相場』)。
当社が建設業の採用に関わるなかでの実勢では、施工管理の採用では45%が主流です。1級を持つ所長クラスや急募の希少人材では60〜70%まで上振れるケースもあります。
人材紹介は、1名あたりの費用が大きい手法です。決まれば効果も大きいのですが、推薦が止まったまま数ヶ月が過ぎると、現場の欠員だけが残ります。
やることは決まっています。要件を1枚の文章にして渡す。推薦が来たら当日中に返す。見送りの理由を具体的に返す。2〜3社と付き合い、動きの良い会社に情報を厚く渡す。
この毎週の往復を続ける人が社内にいないなら、そこを外に出す価値があります。
福島県の総合建設業A社(従業員50名規模)は、求人広告と人材紹介がそれぞれ別々に動いていました。求人原稿の改善と応募者の一次対応、紹介会社のとりまとめをまとめて任せたところ、応募数は約2.4倍になり、1年で13名を採用しています。
4. 施工管理や技術者を、毎年1名以上採り続ける必要がある
建設業の就業者は478万人です。ピークだった1997年の685万人から、200万人以上減りました。建設技能者は296万人です(日本建設業連合会『建設業の現状』)。
年齢の偏りも進んでいます。55歳以上が36.7%、29歳以下は11.7%。全産業はそれぞれ32.4%、16.9%です(国土交通省『国土交通白書2025』)。
採用の競争も厳しいままです。施工管理にあたる建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.65倍で、職業計の1.10倍とは5倍以上の開きがあります。
技能職はさらに厳しく、建設躯体工事が7.35倍、土木作業が5.96倍という水準です(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年3月分、常用雇用(パートタイムを含む))。
1人の求職者を5社から7社で取り合う数字です。年に1名でも、採り続ける必要があるなら採用活動は止められません。
止められない仕事を兼任で回すと、担当者の余力しだいで結果が上下します。毎年続く採用なら、外に運用の受け皿を置いておくほうが安定します。
5. 応募が来ても、返信が翌日以降になっている
建設会社の求人に届く応募が年に数名、という会社は珍しくありません。その1名か2名への返信が3日遅れれば、その年の採用が終わることもあります。
転職を考えている人は、同時に何社にも応募しています。先に返信が来た会社から面接が進みます。
現場に出ている社長が、その日のうちに応募に気づくのは難しいです。ここは仕組みで解く場所です。
応募通知を受け取る人を1名決める。当日中に一次返信を出す。この2つだけでも結果が変わります。
採用代行に任せる場合、この返信時間は契約書に書ける数字です。「24時間以内に最初の返信を出す」といった形で決めておくと、運用が緩みません。
5つのうち3つ以上が当てはまるなら、採用代行を検討する段階に来ています。

今は採用代行を入れないほうがいい4つのパターン
1. 求める人物像が社内でまとまっていない
求める人物像は、社内と採用代行が一緒に作る部分です。現場を知る社内の知見がないと書けないからです。
ただし、社長と現場のリーダーが一度も話し合っていない状態だと、その打ち合わせも進みません。「施工管理を1名」で止まったまま、時間だけが過ぎます。
資格は何が要るのか。扱う現場の規模はどのくらいか。年収はいくらまで出せるのか。未経験でも育てる気があるのか。
ここが決まらないまま求人を出すと、来た応募者の合否が毎回ぶれます。紹介会社にも、その迷いがそのまま伝わります。
まず社長と現場のリーダーで、採りたい人の条件を1枚に書き出してください。これを片づけてからのほうが、同じお金でも効果が出ます。
2. 採っても辞めていく状態が続いている
入った人が1年以内に抜けていく。この状態のまま応募だけを増やすと、費用が積み上がるだけです。
建設業の年間の平均労働時間は2,018時間で、他産業より62時間長いという数字があります(国土交通省『国土交通白書2025』)。
公的統計上は全産業との差が62時間ですが、現場では繁忙期の施工管理がこの平均から大きく外れます。
休日の取り方や残業の減らし方に手をつけてから採用に予算を回すほうが、同じ費用でも結果が変わります。
3. 受注を絞る判断が先にある
受注が減っています。現場の数も減らす方向で考えています。この状態なら、採用を止める判断が先です。
採用代行は採用活動を回す仕組みであって、採るかどうかを決める仕組みではありません。
来期の受注の見通しが立ってからご相談いただくほうが、任せる作業の範囲も決めやすくなります。
4. 打ち合わせに出る人を、社内で1名も出せない
候補者の合否を返す。面接の日程を決める。条件を提示する。この3つには社内の判断が要ります。
週30分の打ち合わせにも出られない状態が続くと、候補者が出ても先へ進みません。応募者を待たせた分だけ、辞退が増えます。
窓口を1名も出せないなら、そこを決めるのが先です。誰をどう置くかは中小企業の採用代行ガイド|建設会社の規模別の使い方と料金の見極め方で詳しく触れています。

採用担当を雇う場合と、何が違うのか
採用担当を雇う・人材紹介だけで進める・建設特化の採用代行と組む
| 比べる項目 | 採用担当を1人雇う | 人材紹介だけで進める | 建設特化の採用代行と組む |
|---|---|---|---|
| かかるお金 | 正社員1名分の人件費が毎年かかる。採れなかった年も同額 | 決まった1名ごとに手数料。全業界では年収の30〜35%程度が相場 | 月額20万円〜+媒体費 |
| 動き出すまでの時間 | 求人を出して、選んで、慣れるまで数ヶ月かかる | 登録すればすぐ。候補者が出るかは相手の会社しだい | 1〜2ヶ月で求人票と媒体の準備が整う |
| 守備範囲 | 採用の実務全般。ただし1名分の手しかない | 候補者の推薦まで。求人票や媒体の運用は自社の仕事 | 求人票・求人媒体・スカウト・応募者対応・紹介会社のとりまとめ |
| 採用手法の移り変わり | 担当者が自力で追いかける | 付き合う紹介会社の得意な範囲に限られる | 他社の運用も見ている分、切り替えが早い |
| 人が抜けたとき | 採用の知識ごと社外に出ていく | 次に採るときはまた手数料が発生する | 求人票と運用の手順が社内に残る |
| 向いている使いどころ | 毎年10名以上を続けて採る規模 | 特定の有資格者をピンポイントで探すとき。求人票や求人媒体の運用は自社に残る | 採用の担当が兼任で、複数の手を並行させたい会社 |
BOXIL『採用代行(RPO)費用実態調査』2025年・パーソルキャリア『人材紹介サービスの費用と紹介手数料の相場』を基に作成
採用担当を1名雇うと、人件費は毎年かかります。採用がうまくいかない年も、同じ金額が出ていきます。
そして1名分の手しかありません。求人媒体の運用もスカウトも紹介会社の対応も、その人の時間の取り合いになります。
人材紹介だけで進めるやり方は、決まったときだけ費用が出るので分かりやすいです。ただし候補者が出るかどうかは相手の会社しだいで、こちらから動かせる部分が限られます。
この3つは、どれか1つだけを選ぶものではありません。実際には、採用代行と組みながら人材紹介も使う形が多くなります。
採用代行の月額は、紹介手数料や媒体費を置き換える費用ではありません。人材紹介・求人媒体・スカウトを含めた採用活動全体に、毎週手を入れるための費用です。
弊社は月額20万円(税別)〜+媒体費です。求人媒体の掲載費やスカウトの利用料は、採用代行を入れても別にかかります。
うちは向いているのか、条件を並べて話してみませんか
月額20万円〜の建設特化採用代行。御社の採用体制と職種を伺ったうえで、向いているかどうか、任せる作業をどこまでにするかの見立てをお出しします。比較検討の材料としてのご相談も歓迎です。
無料で相談する社内で窓口を担当するのに向いている人
現場のことを自分の言葉で説明できる人
応募者がいちばん知りたいのは、どんな現場で誰と働くのかです。
会社案内に書いてある文章をなぞるだけでは、この質問に答えられません。担当する現場の規模、1日の流れ、繁忙期の実際。ここを自分の言葉で話せる人が向いています。
求人票やスカウトの文面を採用代行が書くときも、この人からの話が材料になります。
その場で決められる人
候補者の合否、面接の日程、条件の提示。この3つに時間がかかると、応募者は他社に流れます。
社長の決裁が要る話でも、その日のうちに社長に確認できる立場かどうかで速さが変わります。役職より、社長にすぐ話が通せるかどうかを見てください。
週に30分を毎週確保できる人
採用代行との打ち合わせは、週に30分あれば足ります。応募者の状況を確認し、次の1週間で何をするかを決める時間です。
この30分が月に1回になると、判断待ちがたまって全体が遅くなります。
社内に残す仕事と、採用代行に任せる仕事
分担を先に決めておくと、窓口の負担が読めるようになります。
求める人物像と採用要件をまとめる作業は、社内と採用代行が一緒にやります。現場を知る側の情報がないと書けないからです。
面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押しは社内に残します。社長や現場のリーダーが会って話す場面は、外が代われません。
求人票の作成と改訂、求人媒体の運用、スカウトの送信、応募者への連絡、面接の日程調整、紹介会社のとりまとめ。ここは採用代行が引き受けます。
連絡と手直しを毎週欠かさず回します。採用代行に払う費用は、この継続に対する対価だと考えてください。
一番忙しい人を窓口にすると、うまくいきません
現場の責任者は、社内でいちばん時間のない人であることが多いです。採用にも詳しいからと窓口を任せると、返信の速さが現場の忙しさに引きずられます。
代わりに向いているのは、事務や総務で社内の予定を把握している人です。決裁は社長が持ち、日々のやり取りは事務の担当が受ける。この二人組にすると動きやすくなります。
長野県の工務店C社(従業員15名規模)は、月額20万円の最小構成から始めました。半年で現場1名と事務1名を採用し、その後は求人票と運用の手順が社内に残ったので、自社運用に戻して採用代行を卒業しています。
任せる相手として向いている採用代行の見分け方
建設業の職種と資格の話が通じるか
商談の場で2つ聞いてみてください。施工管理と職人では採り方がどう違うのか。1級と2級で候補者の層がどう変わるのか。
他業界の進め方をそのまま持ち込む会社だと、求人票の書きぶりが現場と合いません。応募者から見ても、自分の仕事を分かっていない会社に見えます。
書面にできるのは業務の量だけだと、先に説明してくれるか
採用代行は業務委託の契約です。採用の決定を担保する契約ではありません。
書面にできるのは業務量の目安です。スカウトの送信通数、求人票の改訂本数、レポートの提出日、応募者への返信時間。この種類の数字になります。
採用人数や応募数を書面で約束してくる会社には、その根拠を聞いてください。業務委託の枠を超えた話になっている場合、後で揉めやすくなります。
採用人数は、四半期ごとの振り返りで一緒に見ていく材料として扱うのが順当です。
紹介会社のとりまとめまで守備範囲に入っているか
求人媒体の運用だけを引き受ける会社もあります。建設業では、それだと足りません。
有資格者は人材紹介から出てきます。紹介会社に要件を伝え、推薦への返信を回し、複数社の優先度を付ける。ここまで入っているかを確認してください。
契約前に、月に何回の定例を持つのか、担当者は何名つくのかも聞いておくと安心です。

よくある質問
年に1名しか採らない会社でも向いていますか?
向いています。年に1名でも、採り続ける必要があるなら採用活動は止まりません。
求人票の手入れ、媒体の反応の確認、紹介会社への連絡。1名を採るためにも、この作業は毎月発生します。
任せる作業を求人票と応募者対応に絞れば、費用は抑えられます。月額固定型で小さく始める形をおすすめしています。
成果報酬型は建設業ではおすすめしていません。決まらなければ売上にならない契約なので、難易度の高い建設業の案件は後回しになりやすいからです。
採用代行を使うと、社内にやり方が残らないのではないですか?
残る形にできます。求人票のひな型、媒体ごとの反応の記録、紹介会社とのやり取りの手順。これらを毎月の報告で社内に渡す契約にしてください。
先ほどの長野県の工務店C社のように、手順が社内に残った時点で自社運用に戻す進め方もあります。
逆に、進め方をまったく見せない会社は避けてください。何をしているか見えない状態が続くと、契約を続けるかどうかの判断もできません。
丸投げしても大丈夫ですか?
丸ごと外に出す形はおすすめしていません。
面接と最終判断は社内の仕事です。求める人物像も、現場を知る社内の知見がないと決まりません。
丸投げで進めると、来た候補者の合否がその場の判断になり、入社後のミスマッチが増えます。週30分の打ち合わせだけは社内に残してください。
いくらくらいかかりますか?
採用代行の月額でいちばん多い層は10万〜20万円未満で18.8%です。初期費用は5万〜10万円未満が17.7%でした(342人対象、BOXIL『採用代行(RPO)費用実態調査』2025年)。
弊社は月額20万円(税別)〜です。ここに求人媒体の掲載費が別途かかります。
任せる作業を求人票と応募者対応に絞れば下がります。スカウトの送信や紹介会社のとりまとめまで含めると上がります。
規模ごとの使い方と料金の見方は中小企業の採用代行ガイド|建設会社の規模別の使い方と料金の見極め方に載せています。
まとめ|向き不向きを決めるのは会社の規模ではなく、採用を毎週回す人がいるかどうか
採用の課題として「そもそも採用活動をしていない」と答えた建設会社は22%でした。人手不足で仕事を断ることがある会社は68%です。
やるべきことは分かっている。それでも手が足りない。この状態なら採用代行が向いています。
向いているのは、採用の実務を兼任で回していて、求人を出して待つ以外の手が打てていない会社です。
紹介会社に登録したまま推薦が来ていない会社や、毎年1名以上を採り続ける会社も同じです。応募への返信が翌日以降になっているなら、なおさら検討する価値があります。
反対に、求める人物像が決まっていない、採っても辞めていく状態が続いている、受注を絞る判断が先にある、打ち合わせに出る人を1名も出せない。この4つに当てはまるなら、先に社内で片づける、あるいは見通しが立つのを待つほうが順番として合っています。
社内の窓口は、いちばん忙しい人ではなく、社内の予定を把握していてその場で決められる人に任せてください。週30分を毎週確保できれば動きます。
採用体制そのものの組み方は建設会社の採用体制|人事担当の配置と規模別パターンにまとめています。あわせてご覧ください。
向いているかどうかの判断から、一緒に考えます
月額20万円〜の建設特化採用代行。従業員10〜300名の建設会社を中心に、いま入れるべきか、先に社内で片づけることがあるかも含めてご相談に乗ります。費用の内訳も契約条件も、契約前にすべてお見せします。
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