「採用代行って、結局なにをしてくれるのか」に答えます

求人広告を出しても応募が来ない。紹介会社に頼んでも、合わない人ばかり送られてくる。自分でスカウト文を書く時間もない。

建設会社の現場で、この3つが一度に起きている会社は珍しくありません。

最近よく耳にするのが採用代行(RPO)です。ただ、相談を受けていると「採用代行と人材紹介って何が違う?」「採用代行を入れたら紹介料はもう払わなくていい?」という質問をたびたび受けます。

先に答えだけ言うと、採用代行は人材紹介や求人広告の代わりではありません。それらをひっくるめて回しながら、採用全体に一緒に汗をかく採用パートナーです。

採用代行を入れても、紹介料や媒体費はそのまま発生します。違うのは、紹介会社の使い方・求人広告の出し方・スカウト文の作り方まで、採用の段取りを丸ごと整えてくれる点です。

建設業の有効求人倍率は5.18倍厚生労働省『一般職業紹介状況』2025年10月分)。全業界平均が1.19倍ですから、約4.3倍も厳しい数字です。

求人広告だけ、紹介会社だけ、自社スカウトだけ。どれか1つで回せる時代は終わりました。

この記事では、採用代行が何をするのか、人材紹介とどう違うのか、いくらかかるのか、どう選ぶのか。建設業の実例を交えて順に説明します。


採用代行(RPO)とは|外に「採用チーム」を持つという考え方

採用代行は、英語で Recruitment Process Outsourcing(RPO)。会社の採用の仕事の一部、または全部を外の専門チームに任せるサービスです。

日本では「採用代行」と「RPO」はほぼ同じ意味で使われています。この記事でも、以降は採用代行でそろえます。

人材紹介は「候補者を紹介してくれる窓口の1つ」。これに対して、採用代行は採用の段取りそのものを組み立てて動かします。

ここが立ち位置の違いです。人材紹介に頼んでも、採用そのものが勝手に進むわけではありません。どこの媒体に出すか、誰にスカウトを打つか、紹介会社をどう使うか。こうした判断と実行は自社に残ります。

採用代行は、その判断と実行を外のチームが引き受ける形です。

建設業で採用代行が注目される背景

建設業の会社では、採用専任の人を置けない中小がほとんどです。

厚生労働省の「建設業における雇用管理現状把握実態調査」では、37.3%の企業が採用の専任者を置いていないと答えています(厚生労働省『建設雇用改善対策』参照)。

総務部長が片手間で採用をやる。工事部長が応募者の電話を受ける。社長がスカウトを書く。こんな体制で、5倍を超える求人倍率の市場と戦うのは無理があります。

採用代行は、外に採用チームを持てるサービスと考えるのが近いです。

採用代行を使う会社はここ数年で増えている

国内の採用代行市場は、ここ数年で広がってきました。人手不足、採用の難しさ、デジタル化の波が一気にきて、社内で全部やるより外のプロに任せた方が早い、という会社が増えています。

建設業はとくに採用が難しい業界です。有効求人倍率は全業界平均の4倍超、職人クラスにいたっては8倍超。昔ながらの「求人を出して待つ」だけでは、応募が集まらない時代になりました(厚生労働省『一般職業紹介状況』2025年10月分)。


採用代行の業務範囲|なにをどこまで任せられるか

採用代行で何をやってもらえるかは、会社によって違います。代表的な仕事を並べると、こんな感じです。

  • 採用の作戦立案(どんな人を狙うか、どの窓口を使うか)
  • 求人票の作成・書き直し
  • 求人媒体の選定・掲載・運用(Indeed・求人ボックス・engageなど)
  • スカウト文の送信(ビズリーチ・doda Recruitersなど)
  • 応募者の受付・最初のふるい分け
  • 面接日程の調整・候補者への連絡
  • 月次レポートで結果を出して、次の手を提案
  • 人材紹介会社の選定・交渉・管理(エージェントコントロール

「全部まるごと任せたい」というフル委託も、「スカウトだけお願いしたい」という部分委託もできます。会社の状況に合わせて柔軟に組み立てられるのが、採用代行の特徴です。

逆に言うと、「採用代行に頼めば何でも解決」という会社はありません。どこからどこまで任せるかの線引きが、入れて成功するか失敗するかを分けます。

建設現場に据えられた測量機器
写真: Valerie V / Unsplash

採用代行で任せ"ない"仕事

どの仕事を自社に残すかも同じくらい大事です。だいたい以下の仕事は自社で握るのが基本です。

  • 最後の採用決定・内定通知
  • 給与・待遇の最終決定
  • 入社後の受け入れ・最初の慣らし
  • 会社の雰囲気や現場のノリに関する判断

外の人が、現場のノリまで100%分かるのは無理です。「応募〜面接設定までは外」「面接と最終判断は自社」。この線引きが、いちばんバランスがいい落としどころです。

弊社の経験:内定承諾率を上げるのは「食事」

内定の前後で対面の面談を何回かやるのは当たり前ですが、それ以上に効いているのがランチや夜の食事を一緒にすることです。

会議室の面談だけでは、候補者は会社の空気を肌で感じきれません。食事の場で雑談を交わすことで、候補者は「自分がここで働く絵」を頭の中に描けるようになります。

「面接と判断は自社」と切り分ける以上、ここは外に丸投げできない部分です。採用代行は、食事の段取りや話す内容の整理は手伝えても、その場で会社の魅力を語るのは社長・現場リーダーの仕事です。

見落としがちな「エージェントコントロール」

採用代行の仕事の中で、ここは強調しておきたいところです。

人材紹介会社を何社使うか、手数料をどう交渉するか、紹介の質が落ちてきたらどう立て直すか。こうした人材紹介会社の管理も、建設特化の採用代行がやる仕事です。

採用代行は「自社で採用をやれるようにするための外のパートナー」というイメージで語られがちですが、実際は紹介会社と並んで走るケースがほとんどです。

建設業の採用では、紹介会社の登録者に頼らないと候補者の数が集まらない場面が多くあります。紹介会社を2〜3社、同時に動かしながら、媒体もDRも使って、面接設定を積み上げる。この複数のルートを同時に回すのが、採用代行の本業です。

弊社の経験:採用背景を伝えると、紹介の質が変わる

エージェントとの最初の打ち合わせで必ず伝えているのが、採用の背景です。

  • 「新拠点をオープンするための増員」 → 拡大期の会社という空気が伝わり、攻めの転職を考えている人が紹介されやすくなる
  • 「新規受注(大型案件)に伴う増員」 → 伸びている会社という印象が出る
  • 「欠員補充」 → 隠さずに伝える。隠すと後でトラブルになるほうが致命的

エージェントは候補者に「この会社はこんな会社」と話して推薦します。背景の情報が薄いと、候補者への話も薄くなります。

弊社では、紹介会社の数を増やすことも重視しています。人材紹介会社を2社から8社に増やした時期があり、紹介の絶対数が大きく増えました。1社や2社だけだと「合う人がいない」という運に左右されますが、5〜8社並べて動かすと、どこかから必ず合う候補者が出てきます。


採用代行と人材紹介・派遣の違い|一番多い誤解

「採用代行と人材紹介って、結局なにが違うんですか?」

問い合わせで一番多い質問です。

答えは、採用代行は採用の段取り全体のとりまとめ、人材紹介は候補者を紹介してくれる窓口の1つ。立ち位置が違います。

採用代行・人材紹介・人材派遣の違い

比較項目採用代行(RPO)人材紹介人材派遣
サービスの本質採用の段取り全体のとりまとめ候補者を紹介してくれる窓口働き手を貸す
料金体系月額固定が主流(10万〜70万円)成功報酬(年収の30〜50%)派遣料金(時給制)
仕事の範囲作戦立案〜エージェント管理まで候補者の紹介・推薦派遣スタッフを送る
採用の主導権発注した会社が持つ。動かす役を代行紹介会社側に偏る派遣会社側
データの蓄積月次レポートで自社に残る外に依存残りにくい
人材紹介との関係併用が前提。紹介会社の活用・交渉も含む

各サービス公式情報を基に作成

お金を払う時期が違う

人材紹介は採用が決まったときに年収の30〜50%を払う成功報酬です。建設業の施工管理クラスでは、手数料の相場は40〜50%。45%を基準に見ておくと大きく外しません。1級保持の所長クラスや急ぎの希少人材だと、紹介会社によって60〜70%まで上がることもあります。

一方、採用代行は月額固定が主流です。仕事の範囲に応じて月10万〜70万円。採用人数が増えても料金は変わらず、採用ゼロの月も払います。

お金を払う時期が違うと、業者のやる気の出方も変わります。

人材紹介は、決まったときに報酬が入る仕組みなので「いかに候補者を推薦して決めるか」に動機が寄ります。採用代行は、月々の継続契約で報酬が入るので「採用全体を効率化して長く付き合えるか」に動機が寄ります。

どちらが良い悪いではなく、目的で使い分けるものです。

採用代行は人材紹介を「やめるため」のサービスではない

ここも誤解されやすいところです。

「採用代行を入れたら、人材紹介を使わなくて済むのでは?」という質問をよく受けます。答えは違います

建設業の採用では、紹介会社が抱えている登録者の山に頼らないと、候補者が集まらないケースがほとんどです。採用代行を入れても、紹介料はそのまま払い続けます。

ただし、紹介会社を「投げっぱなしで放置」する状態から、「要件のすり合わせ・進捗管理・面接設定までひとつにまとめて回す」状態に変わります。結果として、同じ紹介料でも費用対効果は上がります。

採用代行と人材紹介の違いは、採用代行と人材紹介の違い|コスト・定着率・対応範囲を徹底比較でも詳しく整理しています。


採用代行の費用相場|料金と建設業の目安

採用代行の料金は、大きく3つに分かれます。

採用代行の料金体系比較

料金体系費用目安メリット向いている企業
月額固定型月額10万〜70万円予算が読める/長く使うのに強い/業者の優先度が落ちない年1名以上の継続採用を考えるすべての企業
成果報酬型1名30万〜100万円採用できなければ費用ゼロ非推奨。決まりやすい案件しか動いてもらえないので、建設業では事実上機能しない
従量課金型業務単位(例: スカウト1通800〜1,500円)必要な仕事だけ切り出せる部分外注から始めたい企業

各社公開情報より作成

月額固定型は、仕事の範囲に応じて毎月一定額を払う方式。採用人数に左右されず予算が読めるので、長く使うのに向きます。仕事の範囲が狭ければ月10万〜20万円、フルで頼むと45万〜70万円が目安です。

成果報酬型は採用が決まったときだけ費用が発生する方式で、1名あたり30万〜100万円。一見お得に見えますが、業者の側から見ると決まりやすい案件にしか時間を割けない契約形態です。難易度の高い建設業の案件はそもそも優先度が下がるので、「契約したのに動いてもらえない」が起きやすく、よほど条件のいい案件でない限り避けたほうが安全です。年1〜2名の少人数採用でも、月額固定型を選ぶのが現実解になります。

従量課金型はスカウト送信やふるい分けなど、仕事単位で課金する方式。一部だけ外注したい会社に向いています。

エージェント手数料も「定価」ではない

採用代行の費用と並んで、エージェントへの紹介手数料も実は交渉の余地があります。提示された手数料は『定価』ではなく『最初の言い値』と思っておくと、交渉の構えが変わります。

弊社の経験では、「他社さんでは○%でやってもらっています」と相場で切り出すと、ある程度の交渉は通ります。ただし1つ注意があります。値切りすぎると、担当者の社内のやる気が落ちて、紹介の質も量も落ちます

エージェントと長く付き合うなら、「相場の範囲に揃える」交渉が正解です。担当者のやる気を保てるラインを見極めるのも、エージェントコントロールの一部です。

建設業の目安はここが違う

建設業の場合、汎用型の採用代行会社では「国家資格の要件があって工数が読めない」と判断され、月25万〜50万円からの提案になりがちです。

業界特化の採用代行会社は、求人要件の翻訳や媒体の使い分けノウハウが揃っているので、月10万〜30万円から受けられるケースもあります。

弊社の建設特化採用代行でも、月20万円(税別)〜のレンジで主要な仕事から支援を始めています。

人材紹介との総コストを並べて見る

「採用代行は人材紹介より安い」という誤解がありますが、これは単純比較できません。採用代行は紹介や求人広告と並んで動くパートナーで、紹介料はそのまま発生するからです。

施工管理(年収800万円)を人材紹介で3名採用すると、紹介手数料だけで1,080万円(年収800万×45%×3名)。

採用代行を月20万円で入れると、年間240万円が上乗せになります。費用項目は増えますが、その分、求人広告やDRの運用改善、エージェントの管理まで含まれます。

詳しい試算と料金の分け方は、採用代行の費用相場ガイド|料金体系と採用総コストの考え方にまとめています。

採用代行の業務範囲と料金を、御社に合わせて具体化しませんか?

どこまでを任せるか・自社に残すかを一緒に整理します。建設業特化の採用代行サービスの仕組みと費用感を無料でご説明します。

無料で相談する

採用代行を入れるメリット

採用代行を入れて効くのは、短期の採用人数より採用全体の整理と、長期で見たコストの改善です。主な4点を並べます。

青空に伸びる建設現場の足場
写真: boris misevic / Unsplash

1. 採用コストの「見える化」と予測しやすさ

人材紹介中心の採用は、月ごとのコストが読めません。今月は0円、来月3名決まって1,000万円超、というブレが普通に起きます。

月額固定の採用代行を採用パートナーとして横に置くと、採用費の固定部分と変動部分の切り分けができます。媒体費と採用代行の月額は固定、紹介手数料は変動。こう整理されるだけで、経営の見通しがつきます。

2. 採用の仕事が属人化しない

「総務の田中さんが辞めたら、採用のやり方が誰も分からなくなる」。建設会社でよくある話です。

採用代行を入れれば、採用の段取りが外のチームによって型化されます。スカウト送信のタイミング、応募者への返信ルール、面接日程の決め方、要件の言葉にし方。

これらが個人の勘ではなく、誰がやっても同じ結果になる段取りとして積み上がります。担当者が変わっても、流れは止まりません。

3. 採用ノウハウとデータが社内に残る

人材紹介と違って、採用代行は月次レポートでデータを共有します。「どの媒体から応募が多いか」「スカウト返信率は何%か」「書類通過率が低い原因は何か」。

こうした採用のデータが自社の財産として積み上がるのは、採用代行ならではの価値です。将来、自社で採用体制を持つときも、その蓄積が土台になります。

4. 候補者への対応スピードが上がる

採用代行が地味に効くのが、応募者への最初の対応スピードです。求職者は、応募から面接打診までの返事の速さで会社を比べています。

弊社が支援に入った千葉県の中堅ゼネコン(社員80名)では、応募から面接打診まで5営業日かかっていた時期がありました。その5日間で応募者は他社2社の面接を受け、こちらが連絡したときには他社の内定が出ていた、というケースが何度も起きていたのです。

採用代行に応募者対応を巻き取り、24時間以内に面接打診を返すように変えただけで、面接実施率が38%→62%まで上がりました。要件は変えていません。スピードを変えただけです。

建設業の応募者は、売り手市場で複数の会社を並行して見ています。1日遅れがそのまま採用機会を逃すことに直結するのが、今の市場です。


採用代行のデメリットと注意点

良いところだけ見て入れるのは危険です。注意点も率直に書きます。

短期では効果が出にくいのは、最初に押さえておくポイントです。採用代行は採用全体を組み立て直すサービスです。求人票の書き直し、媒体の効果測定、スカウト文の調整、面接設定の流れ作り。

結果が出るまでに最低3ヶ月、建設業のように候補者集めが積み上げ型の業界では6ヶ月以上が目安です。多くの採用代行会社が最低契約期間を6ヶ月以上にしているのも、こういう理由です。

また、自社の採用基準・現場の情報を伝える手間もかかります。「どんな人を求めているか」「現場の雰囲気はどうか」「過去に合わなかった人の特徴は」。共有が浅いと、ふるい分けの精度が下がって、ミスマッチが起きます。

もう1つ。業者選びを間違えると、逆にノウハウが社内に残らない危険もあります。報告が形式的で改善提案がない、中身が見えない。そんな採用代行会社を選ぶと、お金を払うだけで社内に何も残りません。

弊社の早い時期の失敗:業務 KPI を握らずに契約終了になった話

採用代行を提供する側の話として、自社の失敗も率直に書きます。

サービスを始めた早い時期、媒体運用の改善に集中するあまり、契約のときに「スカウト何通/月、求人票の改訂は何本、月次レポートは何日に出す、応募者対応は受信から何時間以内」といった業務工数の KPIをクライアントの社長と書面で握っていませんでした。

クリック数・応募数は伸びていました。ただ、こちらが何をどれだけ動かしているのかが社長から見えづらく、半年後に「効果が見えない」という理由で契約終了に。業務そのものは動いていたのに、毎月の業務量と振り返り基準を共有していなかった、私たちのミスです。

この失敗のあと、契約のときに必ず『スカウトX通/月、求人票改訂Y本/月、レポート提出は毎月X日、応募者対応は受信から24時間以内』といった業務工数の数字を書面で合意するようにしています。

なお「半年で採用Y名」のような採用人数の数字は、業務委託の枠では書面で約束できません。採用代行は成果(採用決定)を担保する契約ではなく、候補者の入社判断まで業者がコントロールできるわけではないからです。採用人数は「四半期ごとの振り返りの議論材料」として、毎月のレポートで共有しています。

採用代行を入れる側にも同じことが言えます。「採用代行を入れる」だけで終わらせず、「毎月どれだけの業務量で動いてもらうのか」を発注のときに業者と書面で握っておかないと、お互いに後悔します。

採用代行に向いていないケース

  • 年間の採用数が1〜2名以下で、単発の対応で足りる
  • 3ヶ月以内に結果が必要
  • 採用基準や現場情報を共有する時間も取れない

こういう状況だと、成功報酬の人材紹介を選ぶ方が合理的なことが多いです。採用代行は「中期で採用のやり方を整える」サービスです。


自社に合った採用代行会社の選び方

採用代行は「どこを選ぶか」で結果が大きく変わります。判断のポイントを4つ整理します。

1. 業界特化か、なんでも屋か

建設業の採用は、他業界と事情がまったく違います。施工管理技士や電気工事士といった国家資格の要件があり、有効求人倍率は5倍超。現場の実態を知らない採用代行会社が書いた求人票やスカウトでは、求職者の心に刺さりません。

なんでも屋の採用代行は料金がやや高い傾向にありますが、それ以上に建設業ならではの採用課題を分かっているかが成否を分けます。

建設業特化の採用代行を比べたい方は、建設業の採用代行おすすめ比較ガイドもあわせて参照してください。

2. 料金体系が透明か

月額固定なのか成果報酬なのか。追加費用が発生する条件はあるか。契約期間と解約条件はどうなっているか。

「月15万円〜」と書いてあっても、追加オプションを足すと倍以上になるケースがあります。見積もりの段階で総額を確認すること、「何がどこまで含まれているか」を書面で詰めることが肝心です。

見積もりを取るときに投げたい質問リストは、採用代行の費用相場ガイドにも整理しています。

3. 実績とレポートの中身

月次レポートの中身は、採用代行会社の実力を測るバロメーターです。

応募数・面接数・採用数の推移だけでなく、「次月にどう改善するか」の提案まで入っているか。数字をもとに改善を回せる会社が、長く付き合える相手です。

商談のときに「レポートのサンプル(他社向けの匿名化版)を見せてください」と頼むと、レポートの質が分かります。

4. 許認可と契約書の中身

見落としがちなのが、契約や法規制の話です。採用代行のうち、応募者対応や面接設定を「代行」する仕事は、内容によっては有料職業紹介事業の許可が必要になるケースがあります(厚生労働省『職業紹介事業の許可』)。

契約書の作りが雑な会社や、仕事の範囲の線引きが曖昧な会社は、後から法的なトラブルになります。

契約のチェック項目は、採用代行の業務委託契約|違法リスクを避けるチェックポイントに整理しています。検討段階で一度読んでおくと安心です。

媒体運用の守備範囲も必ず確認

採用代行に求人媒体の選定・運用改善が含まれているかも大事な観点です。建設業の採用媒体の使い分けは、建設業の採用媒体完全比較ガイドで整理しています。


建設業で採用代行を入れた会社の実例

抽象的な話ばかりだと分かりにくいので、実際に採用代行を入れた建設会社の事例を3つ紹介します。

足場が組まれた建設中の木造住宅
写真: Sandy Millar / Unsplash

事例A: 福島県の総合建設業A社(従業員50名規模)

もとは求人広告と人材紹介を別々に動かしていましたが、求人広告からの応募はほぼ来ず、紹介会社からも候補者が途切れがちで、採用が進んでいませんでした。

採用代行(月20万円)を採用パートナーとして入れ、求人広告の原稿改善・応募者の最初の対応・紹介会社2社の管理を一括で任せたところ、年間で13名の採用に到達。

紹介手数料はそのまま発生していますが、応募数が約2.4倍に増えて、紹介への依存が下がり、中期では紹介経由の採用比率も減っていく見通しです。

事例B: 新潟県の総合建設業B社(従業員90名規模)

中堅クラスで採用人数が多く、媒体費と紹介料の合計が年1,500万円を超えていました。

建設特化の採用代行を入れて、求人広告の運用改善ダイレクトリクルーティングのスカウト文の作り方を巻き取った結果、求人広告経由の応募数が約1.8倍に増え、媒体費ベースで見た1名あたりの採用単価は従来比30%減まで改善しました。

紹介会社は「急ぎの即戦力枠」に絞って使うようになり、紹介料の総額も減少。採用の総コストで見ても、年間数百万円の効果が出ています。

事例C: 長野県の工務店C社(従業員15名規模)

小さい工務店で、最初は「うちに採用代行は大きすぎるのでは」と心配されていました。

月15万円の最小構成からスタートし、求人票の作成・Indeed運用・応募者の最初の対応のみを外注。半年で現場1名・事務1名の採用に成功し、12ヶ月目には自社運用に戻せるところまでノウハウが社内に蓄積されました。

「採用代行を卒業する」使い方で、長く見ると採用代行の費用がむしろ採用体制への投資になったケースです。

建設業全般の選び方の事例深掘りは、建設業の採用代行サービスの選び方|費用相場と導入事例に整理しています。


採用代行の入れ方|相談から運用開始まで

「興味はあるけれど、どう進めればいいのか分からない」という声もよく聞きます。一般的な進め方を整理しておきます。

  1. 現状の棚卸し: 今の採用活動と費用(媒体費・紹介料・担当者の工数)を並べて見る
  2. 課題の整理: 応募数・面接設定率・採用数のどこで詰まっているかを特定
  3. 仕事の範囲を決める: 採用代行に任せる範囲と、自社に残す範囲を切り分け
  4. 見積もりを取る: 最低2〜3社から見積もりを取って比較
  5. 契約・キックオフ: 仕事の範囲・目標数字・レポート頻度を書面で確定
  6. 運用開始〜3ヶ月の検証: 最初の3ヶ月は数字を整えるセットアップ期間と割り切る
  7. 6ヶ月の振り返り: 採用の総コスト・採用スピード・定着率で効果を判定

この流れで進めれば、大きく外すことはありません。ポイントは、入れる前の「現状の棚卸し」をどれだけ具体的にできるかです。

「媒体別の応募数が分からない」「紹介会社別の書類通過率が出ない」という状態であれば、まず数字を整えるところから始めるのが現実的です。

採用代行の業務範囲、一緒に設計しませんか?

御社の採用活動の棚卸しから、どこまでを外に出すかの切り分け・見積もりまで、無料でご相談を承っています。建設業専門チームが対応します。

無料で相談する

よくある質問

Q. 採用代行と人材紹介は併用すべきですか?

はい、併用が前提です。建設業の採用では、紹介会社の登録者の山に頼らないと候補者が集まらない場面が多く、採用代行を入れても人材紹介はそのまま使い続けるのが現実的です。

採用代行の仕事は、紹介会社を「投げっぱなし」から「ちゃんと管理された並列運用」に変えることです。

Q. 採用代行を入れれば紹介料は下がりますか?

紹介料の単価(年収の45%など)は、採用代行を入れたからといって下がるわけではありません。ただし、紹介会社の比較・交渉・進捗管理をひとつにまとめることで、ミスマッチ辞退や早期離職が減って、紹介料1円あたりの成果は上がります。

Q. 採用代行は違法ではないですか?

仕事の内容によっては、有料職業紹介事業の許可が必要になるケースがあります。「ただスカウト文を送るだけの代行」と「候補者を推薦する行為」では法律の扱いが変わります。

契約のときに仕事の範囲をはっきりさせて、必要な許認可を取っている会社を選ぶことが肝心です。詳しくは採用代行の業務委託契約|違法リスクを避けるチェックポイントを参照してください。

Q. 最低契約期間はどのくらいが一般的ですか?

3〜6ヶ月が一般的で、フルで頼む形だと6ヶ月以上が多いです。建設業の候補者集めは積み上げ型で効いてくるので、最低6ヶ月は見ておくのが無難です。

Q. 中小の建設会社でも入れられますか?

入れられます。むしろ、採用専任の人を置けない中小ほど採用代行の価値を感じやすい傾向があります。月20万円〜の最小構成から始められる建設特化の採用代行もあるので、予算の規模に合わせて段階的に広げていくやり方もできます。


まとめ|採用代行は「採用活動に伴走する」採用パートナー

採用代行(RPO)の要点を整理します。

  • 採用代行は人材紹介や求人広告の代わりではなく、それらを横串でまとめながら採用全体に伴走するパートナー
  • 仕事の範囲は「求人票作成」から「エージェントコントロール」まで広く、自社に残す仕事と切り出す仕事の線引きが成否を分ける
  • 人材紹介との違いは「採用の段取り全体のとりまとめか、候補者紹介の窓口の1つか」という立ち位置の違い
  • 料金は月10万〜70万円が主流。建設特化なら10万〜30万円の最小構成から始められる
  • 効果は採用スピード・定着率・担当者の手間の3軸で判定する。単月の採用人数だけ見るのはもったいない
  • 選び方の4つのポイントは「業界特化度」「料金体系の透明性」「レポートの中身」「許認可・契約の中身」

建設業の有効求人倍率が5倍を超える状況は、当面続きます。「どの手法を選ぶか」から「どう組み合わせて回すか」へ、採用の組み立て方が一段変わってきました。

採用代行は、その回す仕事そのものを引き受ける選択肢です。自社で全部背負うより、現実的な選択肢を持っておくほうが経営の幅も広がります。

次の一歩として、費用の具体像を詰めるなら採用代行の費用相場ガイド、人材紹介との違いをもう少し掘りたい方は採用代行と人材紹介の違いもあわせてご覧ください。

建設業の採用を、プロと一緒に仕組み化しませんか?

求人票の作成から媒体運用・スカウト・エージェント管理まで、月額固定でまるごとお任せいただけます。御社の採用活動の棚卸しから、無料でご相談に応じます。

サービス内容を見る