「新卒なんて大手の話」では片付かなくなってきた

地方の中小建設会社の経営者から、新卒採用についてこんな相談をよく受けます。

「うちの規模で新卒なんて、そもそも来ない」「ナビサイトに出したのに、エントリーが一桁で止まった」「内定を1人出したら辞退されて、結局採用ゼロで終わった」。

気持ちは痛いほど分かります。建設業の新卒採用は、中途以上にハードルが高いのが事実です。

ただ、中途採用だけで世代交代を乗り切るのは、数字で見るともう厳しい段階です。

建設業の就業者のうち、29歳以下は11.7%、55歳以上が36.7%国土交通省『最近の建設産業行政について』)。全産業平均の29歳以下16.9%・55歳以上32.4%と比べて、若年層が薄く、高齢層が厚い歪んだ構造です。

結論から言うと、新卒採用は「入社1年前から動けるかどうか」で勝負の半分が決まります。動ける会社は中小でも採れるし、動けない会社は大手でも苦戦する。そこで足りない手数を外から補うのが、採用代行(RPO)という選択肢です。

新卒採用は短期勝負ではありません。入社12ヶ月前から母集団を作り、内定後の半年を丁寧にフォローする。中小でも採れる会社は、この時間軸で動いています。

この記事では、建設業の新卒採用を採用代行で回す方法を、年間スケジュール・規模別パターン・内定者フォロー・中途との使い分けまでまとめています。数字はすべて公的な一次データに当たっています。

採用代行そのものの仕組みを先に押さえたい方は、採用代行(RPO)とは?仕組み・業務範囲・選び方を徹底解説をハブ記事として置いています。


建設業の新卒採用が中途より難しい4つの理由

中途との比較で話を始めます。「中途ですら採れないのに、新卒なんて」という感覚には理由があります。構造的な難しさが4つあります。

理由1: 2026年卒の建設業大卒求人倍率は8.55倍

リクルートワークス研究所『第42回ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)』では、建設業の大卒求人倍率は8.55倍。全産業平均1.66倍の約5.2倍で、業種別では流通業(8.77倍)に次ぐ2番目の高さです(リクルートワークス研究所『大卒求人倍率調査(2026年卒)』)。

建設業の求人総数は11.0万人、民間企業への就職希望数は1.3万人。1人の学生を8社で奪い合っている計算です。

中途の有効求人倍率5.18倍(厚生労働省『一般職業紹介状況』2025年10月分)と比べても、新卒のほうが競合密度が高い。大手ゼネコンとデベロッパーが上澄みを先に取っていき、中小に回ってくる頃には学生の持ち駒が尽きている、というのが実情です。

理由2: そもそも建設業を志望する学生が少ない

求人倍率が高いのは、需要が多いのに供給が少ないから。

大学生の就職希望業界ランキングで、建設業は毎年下位に沈みます。「きつい・汚い・危険」の旧3Kイメージは薄れてきましたが、新しく「給料が安い」「長時間労働」「現場が遠い」という印象に置き換わっているだけ、という見方も根強くあります。

工学部の土木・建築学科出身者でも、ゼネコン大手やデベロッパーに流れる学生が多く、中小建設会社を選択肢に入れる学生は限られます。高校生や高専生まで視野を広げないと、母集団がそもそも作れません。

理由3: 採用専任者を置けない中小企業が多い

新卒採用は中途以上に手間がかかる仕事です。

ナビサイトの原稿作成、合同説明会への出展、インターンの設計、複数回の面接、内定者フォロー。これを現場仕事と並行でこなすのは、物理的にもう無理があります。

厚生労働省『建設業における雇用管理現状把握実態調査』では、37.3%の建設業企業が採用専任者を配置していないと報告されています(厚生労働省『建設雇用改善対策』)。総務部長や工事部長が片手間で採用を回している会社がほとんど、というのが実態です。

採用専任者がいない会社ほど、新卒採用は「ナビサイトに出して、たまたま来た学生に対応する」という受け身の運用になりがちです。能動的に動かないと勝てない市場で、受け身で戦っている。これが結果に出てきます。

理由4: 採用しても3年以内に3割が辞める

厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況』の最新値では、建設業における新規大卒就職者の3年以内離職率は30.1%厚生労働省『新規学卒者の離職状況』)。

採用した新卒の3割が3年以内に辞めていく計算です。これでは、毎年採っても戦力は積み上がりません。

新卒採用は、採るだけではなく、定着まで見据えた段取りが同時に要ります。求人票の内容と現場の実態を揃える、内定期間中のフォローで入社前の離脱を減らす、入社後の受け入れで3ヶ月の壁を乗り切る。採用活動と定着の打ち手が地続きで動いていないと、採用代行を入れてもザルで水を汲むような結果になります。


新卒採用に採用代行を使う3つの利点

ここからは、採用代行がこの難しさのどこを補えるかを見ていきます。

利点1: 年間を通した採用活動を一括で任せられる

新卒採用の業務範囲は、中途より広いです。

ナビサイトの原稿作成、プレエントリー者へのメール配信、会社説明会の運営、インターンの設計、エントリーシートのふるい分け、複数回の面接調整、内定者への定期連絡、入社前研修の設計。時期ごとにやることが変わり、抜け漏れると影響が大きい仕事です。

ずらりと並んだ作業用ヘルメット
写真: Pop & Zebra / Unsplash

採用代行を入れると、こうした業務を外部の採用チームがまとめて回してくれます。

建設業の採用代行の業務範囲には、求人広告の運用・人材紹介会社のとりまとめも含まれます。新卒の紹介会社(逆求人型も含む)を束ねて並走させるところまで、まとめて任せられます。

利点2: 採用ブランドの言語化を、外の目で手伝ってもらえる

知名度の低い中小建設会社でも、自社の魅力を言葉にして伝える余地はあります。ただ、社内の人間が自社について書こうとすると、「地域密着で、社員同士の仲が良く、やりがいのある仕事ができます」という、どの会社でも成り立つ文章になりがちです。

採用代行のライター・ディレクターは、学生目線で「どこに引っかかるか」を材料化する経験を積んでいます。社員インタビューで出てきたエピソードを学生にとっての意味に翻訳する。資格取得の支援や、現場配属までの育成の流れを、キャリアパスとして見せる。こうした言語化は、社内だけで完結させると難度の高い作業です。

ブランドの強化は、直接の応募数より、エントリー後の志望度に効いてきます。選考途中の離脱を減らし、内定承諾率を上げる狙いどころです。

利点3: 予算の見通しが立てやすい

新卒採用の費用は、ざっくり4種類あります。

  • ナビサイト(マイナビ・リクナビ等)の掲載料
  • 合同説明会への出展料
  • インターン・会社説明会の運営費
  • 人材紹介(新卒エージェント)の成功報酬

新卒1人あたりの採用単価は、企業規模や採用チャネルによって50〜150万円の幅があり、平均は90〜110万円程度とする調査が複数あります(就職みらい研究所『就職白書2025』参照)。内訳を把握しないまま、気づくと年間で数百万円が動いているというパターンも珍しくありません。

採用代行に運用を任せると、月額部分(業務範囲によって変動)が固定費として見えて、媒体費と紹介料を変動費として分けられます。予算が読めると、経営会議で採用計画を通す説明もしやすくなります。

新卒採用の手法別・年間コスト目安(建設業・3名採用想定)

手法年間コスト目安1人あたり単価特徴
ナビサイト+自社対応100〜300万円35〜100万円コストは抑えられるが、運用工数が大きい
新卒人材紹介(エージェント)210〜450万円70〜150万円成功報酬型。採用ゼロなら費用ゼロだが単価が高い
採用代行(月額固定型)240〜500万円80〜170万円運用そのものを巻き取る。媒体費・紹介料とは別建て
採用代行+ナビサイト+紹介の併用350〜700万円115〜230万円建設業で一定規模を採る場合の現実的な組み合わせ

就職みらい研究所『就職白書2025』・各社公開情報を基に作成

採用代行の月額は、紹介料や媒体費の代わりにかかるものではありません。それらの外側にかかる、運用そのものへの対価です。ここは誤解が生まれやすいので、あとで改めて触れます。

費用の細かい内訳と、月額固定・成果報酬・従量課金の使い分けは、採用代行の費用相場ガイド|料金体系と採用総コストの考え方にまとめています。


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新卒採用×RPOの年間スケジュール|入社12ヶ月前から動く

新卒採用は年間スケジュールが決まっている仕事です。入社予定日の12ヶ月前から動かないと、主要な母集団形成のタイミングを逃します。採用代行を使う場合でも、全体像の理解は自社側に必要です。

新卒採用の年間スケジュール(2027年4月入社想定)

時期主な業務採用代行が担う範囲自社側でやること
12ヶ月前(2026年4月)採用計画の策定・RPO選定現状ヒアリング・要件のとりまとめ・提案予算確保・採用人数の経営判断
11ヶ月前(2026年5月)ナビサイト原稿・採用サイト準備原稿作成・撮影ディレクション現場写真の手配・社員インタビュー協力
10〜9ヶ月前(2026年6月〜7月)インターン設計・告知プログラム設計・集客の段取りプログラム監修・現場受け入れ体制
8〜6ヶ月前(2026年8月〜10月)サマーインターン実施・早期接触運営・フォローメール配信当日対応・学生との直接対話
6〜3ヶ月前(2026年10月〜2027年1月)冬季インターン・本エントリー受付エントリー対応・書類選考の補助書類選考・1次面接
3ヶ月前〜選考期(2027年2月〜3月)本選考・内定出し面接日程調整・進捗管理最終面接・内定判断
入社直前(2027年3月〜4月)内定者フォロー・入社準備定期連絡・入社前研修設計内定者懇親会・配属決定

各社公開スケジュールと就職みらい研究所『就職白書2025』を基に作成

これを見て「半年前からでも間に合うのでは」と感じる方もいると思います。ただ、半年前スタートだと、母集団形成のタイミングをほぼ逃します

理由は2つ。1つは、マイナビ・リクナビ等のナビサイトのプレオープンが入社の約1年前(3月)であること。

「新卒採用を始めたい」と思った時点で動き始めると、実質的な初年度は「準備と反省」で終わり、2年目から採れるようになる。これがよくあるパターンです。採用代行を使うかどうかに関わらず、計画の前倒しは避けられません。


規模別の採用代行×新卒の使い方と、初年度の動き

「うちの規模で採用代行は大きすぎる」「うちは何百人規模だから代行では足りない」。規模感の違う会社から同じタイミングで聞きます。規模によって、合う使い方と初年度に出てくる動きが変わります。3段に分けて見ていきます。

10〜30名規模|月額20万円〜の最小構成から、2〜3年かけて育てる

従業員10〜30名の小規模な建設会社・工務店では、新卒採用にフル投資する予算は難しいケースが多いです。

この規模で現実的なのは、月額20万円〜の最小構成から始めて、2〜3年かけて社内に採用のやり方を取り込んでいく使い方です。ナビサイトの原稿作成・Indeed運用・エントリー者への一次対応だけを外に出して、面接とインターンは代表や現場責任者が直接やります。

初年度から内定まで届かないこともざらにあります。新卒採用は一発で決まる事業ではないと割り切って、2〜3年で地元の工業高校や高専との接点を作っていく長期戦です。1年目で結果が出ないからといって撤退すると、これまで積んだ準備がムダになります。

向かないのは、「採用代行に任せれば新卒が採れる」と期待しすぎるケースです。最小構成では、まず面接設定までたどり着ける学生を3〜5人作るのが目標。ここから入社まで繋げるには、経営層・現場責任者が学生と直接話す時間を作らないと難しいです。

30〜80名規模|年間フル委託で、初年度のエントリー数が動きやすい

中堅規模になると、年間3〜5名の新卒採用を継続的に回す段階に入ります。

ここで合うのは、ナビサイト運用・インターン設計・エントリー対応・選考進捗の管理・内定者フォローまで一括で任せる使い方です。建設業特化の採用代行なら、資格要件や現場感の翻訳が分かっているぶん工数の見立てが正確で、汎用型より月額を抑えやすい傾向があります。

施工管理や現場監督の新卒を狙っているのに、ナビサイトに出してもプレエントリーが一桁、合同説明会に出ても学生が集まらない。こうした地方の中小建設会社で、採用代行にナビサイト原稿の全面改訂・インターン設計・学生エージェント2〜3社のとりまとめを任せると、初年度のエントリー数が前年の2〜3倍に伸びる、という動きがよく報告されています。

この規模で重要なのは、現場責任者の巻き込みです。採用代行が学生接触まで作っても、最終的に「この会社で働きたい」と思わせるのは、面接に出てくる現場責任者の話。社員インタビューやインターンの現場担当として、若手社員を表に出す設計を一緒に組むと、学生の中で「現場で働く20代」の像が立ち上がります。

80〜150名規模|中途と新卒を同じチームで横串に回す

ある程度の規模になると、新卒採用と中途採用が並走し、複数の窓口を同時に動かす必要が出てきます。

中途採用の規模が大きく、媒体費と紹介料の合計が年間1,000万円を超える会社に多いパターンです。中途と並行して新卒にも着手したいが、社内の手数がもう足りない、というのが採用代行導入のきっかけになります。

建設特化の採用代行で、中途の媒体運用・紹介会社のとりまとめ新卒のナビサイト運用・インターン設計をまとめて任せる。同じチームが新卒と中途の動きを横串で見るので、取りこぼしが減ります。

この規模で効くのは、中途と新卒の母集団を分断しないことです。中途の応募者に若手が含まれていれば新卒の母集団形成のヒントになるし、新卒のインターン参加者に既卒が混ざっていれば中途の選考に回せる。経路を分けすぎない設計のほうが、結果的に採用数が伸びます。

300名超|独自の採用ブランド構築の段階

300名超になると、自社の採用部門を作るか、採用代行の経営支援サービスを契約するか、という分岐が出てきます。ここから先は今回の記事の範囲外ですが、建設業で300名を超える規模になると、独自の採用ブランドを構築する段階に入ります。

夕暮れの空に立つ建設用クレーン
写真: Pexels

採用成功している建設会社の共通点は、建設業の採用成功事例5選|中小でも人が集まる会社の共通点にまとめています。


内定者フォローで差がつく|新卒採用は内定後が本番

建設業の新卒採用で、導入企業が一番手を抜きがちなのが内定者フォローです。ここで差がつきます。

全体の内定辞退率は63.8%。建設業はさらに厳しい

リクルート就職みらい研究所『就職プロセス調査(2025年卒)』によると、全産業の内定辞退率は63.8%就職みらい研究所『就職プロセス調査(2025年卒)2025年3月度』)。学生1人が複数社の内定を持つ前提で、6割以上がどこかの内定を辞退している計算です。

建設業は、学生が「第一志望」として受ける割合が他業界より低いと言われます。複数社の選択肢の中で、大手ゼネコンやデベロッパーが優先されやすい。中小建設会社の内定は、内定通知を出したあとの半年が本当の勝負になります。

内定者フォローの基本設計

内定から入社までの期間に、採用代行がカバーできる範囲は意外と広いです。たとえば次のような業務です。

  • 内定者への月1回の定期連絡(採用代行側が文面作成・送信)
  • 内定者懇親会の設計・運営(会場手配・当日進行を含む)
  • 入社前研修プログラムの設計(安全衛生・ビジネスマナー・現場知識)
  • 内定者からの相談窓口対応(入社条件の再確認・家族への説明資料など)
  • 内定辞退の兆候を早めに察知する(返信頻度・態度変化の見守り)

このうち、ニュアンスが重要になる相談対応や、最終的な意思決定の場(懇親会での経営者あいさつ等)は自社がやる。定型的なやり取りの運用を外部チームに任せる、という切り分けが現実的です。

定着まで見据えるなら、入社後90日の設計も同時に

3年以内離職率30.1%という数字は、入社後3ヶ月の壁を越えられるかどうかで大きく動きます。

採用代行の一部は、入社後90日の受け入れ設計まで業務範囲に含めています。

内定者の段階で会社への帰属意識を育て、入社後90日を丁寧に走らせる。このセットで、新卒採用の投資の回収度合いが大きく変わります。


新卒 vs 中途、採用代行の使い方はこう違う

採用代行を検討している会社から、「新卒と中途で採用代行の使い方はどう違うのか」という質問をよく受けます。並べてみます。

採用代行の使い方 新卒 vs 中途

論点新卒採用での使い方中途採用での使い方
時間軸12ヶ月単位の年間計画3〜6ヶ月単位で随時
主なチャネルナビサイト・学生エージェント・合同説明会人材紹介・Indeed・ビズリーチ・求人ボックス
母集団形成インターン経由の早期接触が中心スカウト・紹介会社のとりまとめ
重点業務原稿作成・ブランド作り・内定者フォロー紹介会社管理・面接設定・スカウト
月額目安業務範囲により変動(季節変動あり)業務範囲により変動(通年固定)
評価期間最短12ヶ月(1期を回す必要あり)3〜6ヶ月で初回評価可

各社公開情報を基に作成

新卒採用のほうが時間軸が長く、投資回収までの期間も長いです。1年目は赤字で2年目から黒字、3年目に軌道に乗るイメージで予算を組むのが現実的です。

一方、中途採用は短期で成果が見えます。採用代行導入から3〜6ヶ月で応募数・面接設定数の変化が判断できて、効いていなければ業務範囲を修正していけます。

両方を並行でやる会社が多いと思いますが、新卒を始めるなら、経営判断として長期視点で投資する覚悟を決めておくこと。ここを曖昧にすると、1年目の成果が出ないタイミングで撤退判断になり、投資が無駄になります。

中途採用での採用代行の使い方は、採用代行と人材紹介の違い|役割・コスト・法令を建設業の実例で整理に詳しく書いています。


新卒採用の採用代行で、失敗しないための注意点

「採用代行を入れたのに、新卒が採れなかった」というケースも一定数あります。失敗パターンから逆算した注意点を4つ並べます。

注意点1: ナビサイト掲載だけで満足しない

新卒採用を始めた会社によくあるのが、「マイナビかリクナビに掲載したから、これで母集団は作れる」という誤解です。

ナビサイトは学生の就活動線の入口ですが、掲載してエントリーを待つだけでは、中小建設会社に学生は集まりません。学生エージェント(逆求人型を含む)との併用、インターンでの早期接触、学校訪問、OB/OG訪問の仕組みづくりなど、複数チャネルの並行運用が前提です。

採用代行を選ぶときは、ナビサイトの運用だけでなく、併用チャネルの設計まで一緒にできる会社を選んでください。「ナビサイト運用のみ」に特化した会社だと、中小建設業の母集団形成には力不足のことがあります。

注意点2: インターンは中長期戦略で設計する

インターンは、新卒採用の中で最も重要な接点の1つです。

建設業のインターンは、1day の会社説明会型では学生の興味を引きづらい。実際の現場見学、施工管理の1日体験、設計図面を読む演習など、建設業の仕事の解像度が上がる設計が要ります。

採用代行を使うなら、「インターンの集客だけ」ではなく、プログラム設計から運営支援までカバーしてもらえると効果的です。建設業の実務に即したプログラムが設計できるかは、担当者の業界経験に左右されます。

注意点3: 内定者フォローを軽視しない

すでに書いたとおり、建設業の新卒採用は内定後が本番です。

「内定を出したから、あとは学生が来てくれるはず」という受け身の姿勢だと、内定辞退で採用ゼロに戻ります。内定通知のあと、定期連絡・懇親会・入社前研修の設計まで含めて、採用活動の一部として扱ってください。

採用代行の契約範囲に内定者フォローが含まれているか、契約前に必ず確認してください。「選考完了で業務終了」という契約になっていると、内定後のフォロー設計は自社持ちになります。

注意点4: 採用基準を最初に明確にする

「こういう人が欲しい」があいまいなまま採用代行に依頼すると、エントリーは集まっても、選考で「違う」を連発する状態になります。

積み上げられた木材
写真: Pexels

採用基準は、次の4段で明確にしてください。

  • 必須要件(学歴・資格・地域など、外せない条件)
  • 歓迎要件(あれば嬉しい条件)
  • 社風との相性(価値観の合う/合わないの線引き)
  • NG要件(避けたい特性、過去の失敗パターン)

採用代行のキックオフ時に、この4段を自社側でまとめておくと、エントリーの質と選考通過率が大きく変わります。ここをサボると、採用代行が優秀でも結果が出づらくなります。


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よくある質問

Q. 採用代行を入れたら、ナビサイトや紹介会社の費用はいらなくなりますか?

いいえ、採用代行はナビサイト・紹介会社の外側にかかる運用費用です。マイナビ・リクナビの掲載料や、新卒エージェントの成功報酬は、採用代行を入れてもそのまま発生します。

採用代行の価値は、それらのチャネルを横串で運用して、費用対効果を上げる部分にあります。選び方・使い方を整えることで、同じ紹介料・媒体費でも採用数が増える、という結果を作るのが本業です。

Q. 従業員15名の小さな会社でも、新卒採用の採用代行を使えますか?

使えます。月額20万円の最小構成から始められる建設特化型の採用代行もあります。

ただし、初年度から採用成功にこぎつけるのは、15名規模ではハードルが高いです。2〜3年かけて母集団を育てる前提で、経営判断として投資できるかが分岐点になります。

Q. 建設業界に詳しくない採用代行会社だと、どうなりますか?

求人原稿やスカウト文面が、IT・SaaS業界のテンプレートで作られてしまい、学生に刺さらない状態になります。

施工管理技士の等級、現場と内勤のキャリアパスの違い、資格取得支援の具体的な内容、安全衛生教育の意味。これらを踏まえずに書かれた求人票は、学生から見ると「よくある建設会社の紹介」以上にはなりません。選定時は、建設業の新卒採用実績がある会社を選んでください。

Q. 内定辞退を減らすために、採用代行はどこまで関与できますか?

内定通知後の定期連絡、内定者懇親会の運営、入社前研修の設計までは一般的な業務範囲です。

ただし、学生の最終意思決定に影響するのは、経営者・現場責任者との直接の対話です。懇親会に経営者が出て話す、現場責任者と1on1をする、家族への説明資料を用意する、といった部分は、採用代行が設計しても自社が実行する形になります。定型業務は外、意思決定に関わる対話は自社、という切り分けが現実的です。

Q. 既卒・第二新卒も視野に入れるべきですか?

建設業の母集団形成では、既卒・第二新卒を含めた設計が現実的です。大学新卒だけでは母集団が作れない規模の会社が多いためです。

既卒3年以内の層は、新卒枠と同じ条件で採用できる制度(青少年雇用促進法に基づく「青少年雇用情報シート」の活用など)があります。採用代行に依頼するときは、大学新卒に加えて既卒・第二新卒も含めた母集団設計ができるかを確認してください。


まとめ|新卒採用は「時間を味方にする採用設計」

ここまでの要点をまとめます。

  • 建設業の2026年卒大卒求人倍率は8.55倍。1人の学生を8社で奪い合う市場になっている
  • 29歳以下は11.7%・55歳以上が36.7%で、中途採用だけでは世代交代が成立しない
  • 採用代行は、ナビサイト運用・インターン設計・内定者フォローまでまとめて任せられる採用パートナーとして動く
  • 規模別の使い方は「10〜30名: 最小構成から2〜3年で育てる」「30〜80名: 年間フル委託で初年度から動かす」「80〜150名: 中途と新卒を同じチームで横串に回す」
  • 新卒採用は入社12ヶ月前から動かないと、主要タイミングを逃す
  • 内定辞退率63.8%の市場では、内定者フォローと入社後90日の設計が投資回収を決める

新卒採用は、中途以上に時間がかかる事業です。1年で劇的な成果を期待するのではなく、2〜3年で採用パイプラインを構築するくらいの時間軸で取り組むのが現実的です。

建設業の人手不足倒産は過去最多水準で推移していて、10年後の現場を維持するためには、いま新卒採用のパイプラインを作るしかありません。自社だけで背負うのか、採用代行を採用パートナーとして横に置いて外の手を借りるのか。どちらを選ぶにしても、「動き出しが早いほど、時間を味方にできる」という構造は変わりません。

採用代行を選ぶ段階に入ったら、採用代行(RPO)おすすめ比較|建設会社が失敗しない選び方と主要サービス建設業の採用代行サービスの選び方|費用相場と導入事例を比較検討の材料にしてください。仕組みを改めて押さえるなら採用代行(RPO)とは?、業務委託や違法リスクまで詰めるなら採用代行は業務委託?違法リスク・許認可・契約書の押さえどころが入口になります。

新卒採用に不信感や懸念がある場合は、採用代行は怪しい?不信の理由5つと、健全な会社を見分ける方法にチェック項目を並べています。建設業の新卒採用の全体設計は、建設業の新卒採用を成功させる5つの戦略|データと事例で解説にまとめています。

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