動画を見て応募をやめた理由の1位は「自分向けではない」でした

株式会社moovyが20〜40代の345名に聞いた調査で、採用動画を見たうえで応募を見送った理由の1位は「自分向けではない」35.7%でした。

2位が「信頼性に欠ける」29.0%、3位が「判断材料が足りない」28.1%です(株式会社moovy『採用動画のトレンド調査2025』2025年12月4日)。

同じ調査では、直近1年に転職・就職した人の約8割が採用動画を視聴していました。

動画は見られています。そのうえで「これは自分の話ではない」と判断され、応募が止まっている、という順番です。

結論から言うと、採用動画は応募を集める入口ではなく、比較の段階で残るかどうかを決める道具です。

作れば応募が増えるものではありません。ただ、他社と並べて比べられたときに、何も見せるものがない会社はそこで落ちます。

この記事では、制作費の価格帯、動画が再生されるタイミング、実際に採用が決まった建設会社のやり方を、公的データと公開されている事例だけで扱います。


建設躯体の有効求人倍率は7.35倍です

職種別の有効求人倍率(令和8年3月・パート含む)

出典: 厚生労働省『一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)』より作成

鉄筋工・型枠工・とび職などが含まれる建設躯体工事従事者は7.35倍。パートを除くと8.00倍です。

建築・土木・測量技術者は5.65倍(パート除く6.72倍)、土木作業従事者は5.96倍、電気工事従事者は3.32倍。全職業の平均が1.10倍(パート除く1.17倍)ですから、建設の職種はどれも平均の3〜7倍の水準にあります(厚生労働省『一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)』)。

同じ統計を年度を通した全体の平均で見ると、令和7年度は1.20倍でした。前年度の1.25倍から0.05ポイント下がっています。

世の中全体では採用の競争がわずかに緩んだ年でした。それでも建設の現場職は7倍台のまま、という構図です。

人が足りない背景は、就業者の数そのものです。

建設業の就業者は平成9年のピーク時に685万人いましたが、令和5年には483万人まで減りました。現場を支える技能者は455万人から304万人です。

年齢構成は55歳以上が36.6%、29歳以下が11.6%(国土交通省『改正建設業法について』令和6年12月)。

3人に1人以上が55歳を超えていて、若手は10人に1人しかいません。

ここが採用動画の話とつながります。

動画をよく見るのは若い世代です。その層が業界にほとんどいないからこそ、若手に届く見せ方を捨てるわけにはいきません。

一方で、若手そのものの数が少ないという事実も変わりません。動画を1本作ったところで、10人に1人しかいない層が急に増えるわけではないのです。

夕暮れの空を背景に、建設中のビルの脇にそびえるタワークレーンを見上げた様子
写真: James Sullivan / Unsplash

動画は応募者の数を増やすものではなく、少ない候補者を取りこぼさないためのものです。ここを取り違えると、制作費だけが出ていきます。


動画が再生されるのは、比較検討と応募直前です

いつ見られているのかが分かると、何を撮るかも決まります。

moovyの調査では、採用動画を見たタイミングは比較検討段階が58.0%、応募段階が49.3%でした。

視聴場所はYouTubeが41.2%、採用サイトが40.3%。見た本数は2本が34.2%、3本が25.5%です(株式会社moovy『採用動画のトレンド調査2025』)。

学生側の調査でも同じ傾向が出ています。

2026年3月卒業予定の学生564件への調査で、就職活動の準備に動画を「活用したい」が55.1%、「どちらかと言えば活用したい」が29.8%。合わせて8割を超えます。

視聴したいタイミングは「インターンシップにエントリーする前」が81.2%で最多でした(株式会社学情『就職活動準備における動画活用に関する調査』2024年6月)。

動画が再生されるのは、応募を決める直前です。

言い換えると、それまでに求人票や媒体で見つけてもらえなければ、動画は一度も再生されません。

ここが多くの会社でつまずく部分です。

数十万円かけて動画を作り、自社のホームページに置いたまま、求人票は昔のものを使い続けている。求職者がそのページにたどり着く経路がないので、再生数は月に数回で止まります。

見る側の環境そのものは整っています。総務省の調査では、YouTubeの利用率は50代までの各世代で8割を超え、60代でも7割以上です(総務省『令和7年版 情報通信白書』)。

動画を見る習慣は世代を問わず定着しました。足りないのは、そこへたどり着く道筋のほうです。

求人票の書き方から直すなら、建設業の求人票の書き方に、給与の見せ方と1日の流れの具体化をまとめてあります。動画より先に手を入れる価値がある部分です。

見られる本数が2〜3本というのも、覚えておきたい数字です。

求職者は1社の動画を最後まで丁寧に見るわけではなく、数社分をまとめて流し見て、そのうち気になった会社を残していきます。

「1本の大作」より「短い2〜3本」のほうが、この見方に合います。

視聴場所は、YouTube 41.2%と採用サイト 40.3%で並んでいます。これも見ておきたい数字です。

どちらか一方に置けば足りるという話ではなく、求職者は自分が使い慣れたほうで見ています。YouTubeに上げておけば検索から偶然たどり着く人がいて、採用サイトに埋めておけば求人票から流れてきた人が見ます。

同じ動画を両方に置くだけの手間なので、片方だけで止めておく理由はありません。


制作費10万〜300万円と、採用1人分の単価

採用動画の種類別 制作費の価格帯

動画の種類制作費の価格帯主な中身
SNS向け縦型ショート10〜30万円30〜60秒。1日の流れ、社員の一言
社員インタビュー30〜100万円社員1〜3名の話を数分にまとめたもの
現場・オフィスツアー30〜80万円現場や事務所を歩いて見せる構成
社員座談会40〜120万円複数名の会話形式。職場の空気が出やすい
密着ドキュメンタリー50〜150万円1名の一日や案件に密着。撮影日数が増える
企業紹介(コンセプト型)100〜300万円脚本・ナレーション・音楽を作り込むもの

Crevo『採用動画の制作費用』、ムビラボ『採用動画の予算』より作成

この価格帯は公的統計ではありません。複数の制作会社が自社サイトで公開している価格帯をまとめたものです。

依頼先でも変わります。制作会社に頼むと30万円から、フリーランスに頼むと10万円からという水準が公開されています。

同じ「採用動画」という言葉でも、何を撮るかで10倍違う。まずここを押さえたいところです。

では、どれを選ぶのか。

求職者が見たいと答えている内容から逆算できます。

学情の調査では、参考にしたい内容は先輩社員の話が66.7%、人事担当の話が59.9%、第三者の声が39.9%でした(株式会社学情『就職活動準備における動画活用に関する調査』2024年6月)。

457名に聞いた別の調査でも、就活生の91.7%が就職活動に動画を利用し、説明会動画の視聴が75.7%、社員インタビューが57.1%。動画を見てよかった点は「現場の雰囲気がわかった」が59.1%でトップでした。

そして10分を超えると72.9%が視聴をためらう。倍速再生の利用は7割以上です(株式会社学生就業支援センター『就活における動画の利用状況調査』2022年2月)。

求職者が求めているのは、社員の話と現場の空気。そして長さは短いほうがいい。

100万円を超えるコンセプト型の企業紹介動画は、ナレーションと音楽で会社のイメージを作る種類の動画です。求職者が見たいと言っている「先輩社員の話」とは方向が違います。

10名から300名規模の建設会社が最初に作るなら、社員インタビューか縦型ショートで十分だと考えています。

木製の台の上に並べられた金づち・ペンチ・六角レンチ・メジャーなどの大工道具
写真: Louis Hansel / Unsplash

制作費の数字は、採用1人あたりにかかるお金と並べて見ると判断しやすくなります。

採用手法別・1人あたりにかかる費用の目安

手法費用の目安採用ゼロだったとき
建設業の中途採用(全体)1人あたり80〜200万円以上—
人材紹介(1級施工管理技士)1人あたりおよそ200万円費用は発生しない
人材紹介(一般)理論年収の20〜35%費用は発生しない
掲載課金型の求人広告4週間で20〜180万円掲載費はそのまま発生
採用動画の制作1本10〜300万円制作費はそのまま発生
採用代行月額20万円〜+媒体費委託費はそのまま発生

CIC、カケハシ スカイソリューションズ、ブルーカラーの公開値より作成

こちらも公的統計ではなく、事業者が公開している数字です。建設業の中途採用単価として80〜200万円以上という値が示され、1級施工管理技士を人材紹介で採る場合はおよそ200万円という水準が公開されています。

表で見ていただきたいのは、右側の列です。

人材紹介は、人が決まらなければ費用が発生しません。成功報酬だからです。

採用動画は逆で、1人も採れなくても制作費は消えます。求人広告の掲載費も同じ構造です。

この違いは、動画を勧める側があまり言わない部分だと思います。50万円の動画を作って採用がゼロなら、50万円がそのまま消えます。

だから動画を作るべきでないという話ではありません。一度作れば数年使えるので、3年で5人採れば1人あたり10万円です。使い続ける前提があるかどうかで意味が変わる、というだけのことです。

人材紹介の手数料について、もう少し正直に書いておきます。

全業界の平均は理論年収の20〜35%(ブルーカラー)。ただ、弊社が建設業の採用支援で実際に見ている範囲では、施工管理の紹介手数料は45%前後が主流です。1級保持の所長クラスや、急いで埋めたい希少な人材では60〜70%まで上がることもあります。

数字としては高い。それでも人材紹介は使うべき手法です。7.35倍の市場で、自社の募集だけで人が来るほうが珍しいからです。

問われるのは、紹介会社を上手に使いこなせているかどうかです。求める人物像の伝え方、返信のスピード、見送ったときの理由の返し方、複数社の優先順位のつけ方。ここが整っている会社には、紹介担当者がいい候補者を先に持ってきます。

動画の効果についても、ひとつ数字を置いておきます。

パーソルキャリアのdodaでは、動画求人広告「dodaプライム リアル」が通常のEプラン掲載時と比べて応募数1.4倍、「dodaプライム」が1.2倍という結果を公開しています(パーソルキャリア doda)。同社の自社検証による数字です。

1.2〜1.4倍。大手媒体が自社で検証した値がこの水準です。

「動画で応募が3倍」といった制作会社や代理店の宣伝文句を見かけますが、出典がないものが多く、条件も書かれていません。1.2〜1.4倍という数字を基準に置いて、話を聞くようにしています。


成果が出た会社は、動画だけをやっていません

最初に、はっきりさせておきたいことがあります。

建設業に絞った採用動画の効果調査は、公表されているものが見当たりませんでした。国土交通省や厚生労働省の統計にも、日建連や全建の公開資料にも見つけられませんでした。

ここで紹介するのは、動画サービス会社が公開している導入事例です。自社サービスの事例なので、うまくいった話が選ばれている点は差し引いて読む必要があります。

そのうえで、中身は建設会社の採用担当が参考にできるものでした。

20名規模の電気工事会社が、半年で5名

株式会社テクノワークスは、電気工事の設計・施工管理を手がける約20名の会社です。

抱えていた課題は3つありました。業界のイメージが古く見られること。求人票の文字情報だけでは応募が伸びないこと。そして大手に条件で勝てず、求人媒体の中で埋もれてしまうこと。

10名から300名規模の建設会社が、だいたい同じところで止まっています。

同社がやったのは、縦型のショート動画6本を作ることでした。「1日の流れ」「入社してよかったところ」といったテーマで、社員が短く話す形です。

大事なのは、その次です。

作った動画を4つの場所で使いました。転職フェアのブース展示、チラシに載せたQRコード、スカウトメールへの添付、採用ホームページへの埋め込みです。

結果として、スカウトメールの既読率が動きました。

ベテラン層は0%から70%へ、若手層は45%から67.4%へ。返信率はベテラン層が0%から7.1%、若手層が0%から2.3%です。

半年で5名の採用が決まりました(moovy 導入事例(株式会社テクノワークス))。

読み取れるのは、動画が単体で働いたわけではないという点です。

動画を置いた先はスカウトメール、転職フェア、紙のチラシ、採用ホームページの4カ所です。もともと動いていた採用活動の各所に動画を差し込んだ結果として、既読率と返信率が上がっています。

動画を作って自社サイトに置くだけでは、この数字は出ません。

動画を置く場所から、一緒に決めませんか

求人票・媒体・スカウトのどこが詰まっているのかを先に確かめると、動画に出すお金の使い方が変わります。月額20万円〜+媒体費の建設特化採用代行が、御社の採用の流れを拝見しながら無料でお話しします。売り込みはしません。

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100〜500名規模の設備会社は、説明会の質が変わった

第一工業株式会社は、建築設備の設計施工とメンテナンスを手がける100〜500名未満の会社です。

作ったのは「1日のスケジュール」「業務の流れ」「失敗談」の動画でした。使った場所はスカウトメール、採用ホームページ、LINEのメニューです。

変化は応募数ではなく、説明会の中身に出ました。参加者の業務理解が進み、動画を見た学生から踏み込んだ質問が出るようになったそうです。内定承諾率も伸びたと報告されています。

ただし、効果の数値は公表されていません(moovy 導入事例(第一工業株式会社))。

「失敗談」を動画にしている点は、参考になると思います。

moovyの調査で応募を見送った理由の2位が「信頼性に欠ける」29.0%でした。いいことばかり並ぶ動画は、そこで疑われます。うまくいかなかった話を入れるほうが、かえって信用されるという話です。

建設中の建物内部。打ちっぱなしのコンクリート壁に支保工や木材が立てかけられた現場
写真: d c / Unsplash

もうひとつ、2社の事例に共通していたのは、作った本数です。

テクノワークスは6本、第一工業は3本。どちらも短い動画を複数本という作り方でした。100万円を超える大作を1本という選び方をしていません。

求職者が見る本数が2〜3本だという調査結果と、実際に採用が決まった会社の作り方が合っている点は、そのまま参考にできると思います。

2社に共通しているのは、動画を作る前から「どこに置くか」が決まっていたことです。

スカウトメール、採用ホームページ、LINE、転職フェア、チラシのQRコード。置き場所が先にあって、そこに合う動画を作っています。

どの媒体をどう組み合わせるかは建設業の採用媒体完全比較ガイドで6カテゴリを比べています。動画の置き場所を決める前に、いま使っている媒体の並びを見直しておくと判断が早くなります。


作る前に決める4つのこと

制作会社に相談する前に、社内で決めておきたいことが4つあります。

ここが決まっていないまま打ち合わせに入ると、提案されたプランをそのまま受けることになりがちです。

1. 誰に見せるか

20代の未経験者と、40代の1級施工管理技士では、見たい中身が違います。

未経験者には「1日の流れ」「未経験で入った人がどうなったか」。経験者には「担当する現場の規模」「任される範囲」「使っている工法や機材」です。

1本で両方を狙うと、どちらにも刺さらない動画になります。moovyの調査で応募を見送った理由の1位が「自分向けではない」35.7%だったのは、ここが原因だと考えています。

2. どこに置くか

先ほどの2社が押さえていた部分です。

自社の採用ホームページ、求人媒体の掲載枠、スカウトメール、YouTube、LINE、転職フェア、会社説明会、紙のチラシのQRコード。

このうちどこで使うのかを先に決めると、動画の形も決まります。スカウトメールに添付するなら短い縦型がよく、会社説明会で流すなら少し長めでもかまいません。

3. 長さ

10分を超えると72.9%が視聴をためらうという数字がありました。倍速再生の利用も7割以上です。

社員インタビューなら2〜3分、縦型ショートなら30〜60秒。この範囲で考えるのが無難です。

長い動画を1本作るより、短い動画を3本作ったほうが、2〜3本を流し見る求職者の見方に合います。

4. 誰が出るか

参考にしたい内容の1位は先輩社員の話(66.7%)、2位が人事担当の話(59.9%)でした。挙がっているのはどちらも、実際にその会社で働いている人の話です。

出てもらうなら、応募者と年齢が近い社員です。入社3〜5年目くらいの社員が、自分の言葉で話している動画が求職者の求めているものに近くなります。

うまく話せなくても構いません。台本を読み上げた動画より、たどたどしくても本人の言葉のほうが伝わります。

撮影の段取りだけは、早めに動いておいてください。

建設業の場合、撮影場所が自社の敷地ではなく、元請けや発注者の現場になることがあります。撮影の可否、写していい範囲、公開してよいかどうかの確認に日数がかかります。

看板や図面に発注者名が写り込むと、あとで差し替えが必要になります。撮る日を決める前に、元請けの担当者へ一報入れておくと手戻りが減ります。

自社の資材置き場や工場、事務所だけで撮る構成にしておけば、この確認は不要です。最初の1本はそこから始めるのも手です。

条件そのものは、動画では隠せません

4つを決めて動画を作っても、変わらないものがあります。給与と労働時間です。

建設業の生産労働者の年収は432万円。全産業(非正規を除く)の508万円より低い水準です。

年間の出勤日数は全産業より11日多く、年間の実労働時間は49時間多い(国土交通省『改正建設業法について』令和6年12月)。

給与が低く、休みが少なく、働く時間が長い。統計上はこの差があります。

ただ、会社ごとの差も大きいところです。週休2日を定着させている会社もありますし、資格手当を厚くして業界平均を上回る年収を出している会社もあります。統計の平均値と自社の数字は分けて考えたいところです。

自社の条件が業界平均より良いなら、それを動画と求人票で見せるだけで差がつきます。逆に平均より低いなら、動画を作っても取り繕えません。

動画で見せた話と入社後が違うと、早期離職につながります

動画は職場の雰囲気を伝えるのが得意なぶん、実態と離れた印象を作ってしまうことがあります。きれいな現場だけを撮り、残業の話を入れずに作った動画を見て入社した人は、配属後にギャップを感じて早く辞めていきます。撮る現場は普段どおりのものを選び、社員には言いたいことを話してもらうほうが、あとが楽になります。

ミスマッチを減らせると、規模のハンデが縮まります

動画の効果を「応募数」だけで測ると、見落とすものがあります。

新規学卒者の3年以内離職率を事業所規模別に見ると、次のようになっています。

新規学卒就職者の3年以内離職率(事業所規模別・令和4年3月卒)

事業所規模高卒大卒
30〜99人45.2%41.9%
100〜499人36.7%33.9%
1,000人以上26.3%27.0%

厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)』令和7年10月24日公表より作成

30〜99人の事業所では、高卒で45.2%、大卒で41.9%が3年以内に辞めています。1,000人以上の26.3%・27.0%と比べると、高卒で18.9ポイント、大卒で14.9ポイントの差です。

規模が小さい会社ほど、採った人が残らない。ここに効くのが、入社前に実際の仕事を見せることです。

第一工業の事例で、説明会参加者から踏み込んだ質問が出るようになったというのは、この文脈の話だと受け取っています。分かったうえで入ってくる人は、辞めにくくなります。

採用を1人80〜200万円かけてやっている会社にとって、離職を1人防ぐことは、採用を1人成功させるのと同じ価値があります。

動画は、採用全体の一部分です

ここまで見てきたとおり、動画だけで採用がうまくいくことはありません。

求人票が整っていて、媒体に出ていて、スカウトを送っていて、紹介会社とやり取りがある。その全部が動いている上に動画が乗って、はじめて既読率や返信率が変わります。

問題は、それを社内の誰がやるのかという点です。

建設業では、総務部長や工事部長が片手間で採用を見ている会社が多くあります。現場が忙しい時期に求人票の書き直しとスカウト送信と日程調整を回すのは、実際のところ難しい。

まず建設に特化した採用代行と組み、そのうえで社内にどれだけ人を割くかを考える。弊社はこの順番をおすすめしています。

役割の分け方は次のとおりです。

  • 求める人物像と採用要件の整理: 社内と採用代行で一緒に
  • 求人票の作成、媒体の運用、スカウト送信、応募者対応、日程調整: 採用代行
  • 面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し: 社内
  • 紹介会社のとりまとめ(要件の伝え方・返信スピード・合否の返し方・優先順位づけ): 採用代行

弊社の料金は月額20万円(税別)〜です。これに媒体費が別でかかります。採用代行を入れても求人広告費や紹介手数料はそのまま発生するので、月額だけで比べると見誤ります。

成果保証は出していません。採用代行は業務委託なので、採用人数や応募数を書面で約束することができない仕組みです。約束する業者があれば、業務委託の枠を超えた話になります。後で揉めやすいところだと考えています。

採用サイトと動画をセットで考える場合は、建設業の採用サイトおすすめ12選に職種別の使い分けを載せてあります。動画の置き場所として採用サイトを作るなら、あわせて見ていただくとよいと思います。


よくある質問

Q. スマホで撮ってもいいですか?

問題ありません。求職者が動画を見てよかった点の1位は「現場の雰囲気がわかった」(59.1%)で、画質の話は出てきていません。

手ぶれがひどいと見づらいので、数千円の固定台を使うくらいで十分です。音が聞き取りにくいほうが致命的なので、風の強い日の屋外での撮影は避けて、事務所や車内で話してもらう形が扱いやすくなります。

自社で撮ってみて、続けられそうなら外注を検討する。この順番でも遅くありません。

Q. 何分くらいがちょうどいいですか?

社員インタビューなら2〜3分、SNS向けの縦型なら30〜60秒です。

10分を超えると72.9%が視聴をためらい、倍速再生の利用は7割以上という調査結果があります。長さで丁寧さを示そうとすると、逆に見てもらえなくなります。

伝えたいことが多いなら、1本を長くするのではなく本数を増やしてください。求職者が見る本数は2本が34.2%、3本が25.5%なので、2〜3本に分けるのが見方に合っています。

Q. 動画を作れば応募は増えますか?

動画だけで増えるとは言いにくいところです。

大手媒体のdodaが自社検証で出している数字は、動画求人広告で応募数1.2〜1.4倍。「3倍になる」といった宣伝文句には出典が付いていないものが多く、条件も書かれていません。

半年で5名を採ったテクノワークスも、動画をスカウトメール・転職フェア・チラシ・採用ホームページの4カ所で使っています。動画を作ったことではなく、使う場所を用意したことが効いています。

Q. 社員が顔を出すのを嫌がります。どうすればいいですか?

無理に出す必要はありません。

手元の作業、現場を歩く後ろ姿、図面を確認している様子など、顔が映らない映像に本人の声を重ねる作り方でも「現場の雰囲気」は伝わります。

声も嫌がる場合は、文字だけを入れた現場紹介の動画から始める手もあります。ただ、参考にしたい内容の1位が先輩社員の話(66.7%)である以上、いつかは社員に出てもらったほうが、動画としては効きます。出てくれる社員が1人でも見つかれば、そこから始めるのがよいと思います。


比較の場に残るための道具として

採用動画は、応募を集める入口ではありません。求職者が数社を並べて比べている段階で、自社を残してもらうための道具です。

再生されるのは比較検討段階(58.0%)と応募段階(49.3%)。インターンシップにエントリーする前に見たいという学生は81.2%です。求人票や媒体で見つけてもらえなければ、動画は再生されないままになります。

制作費は種類によって10万円から300万円まで。採用1人あたり80〜200万円かかる市場で、どちらにお金を使うかは選べます。ただ、動画は採用がゼロでも制作費が消える性質のものだという点は押さえておいてください。

7.35倍という市場で、動画1本が状況を変えることはありません。求人票を直し、媒体を選び、スカウトを送り、紹介会社と付き合う。その全体が動いてはじめて、動画が効いてきます。

その全体を誰が回すのかで詰まっているなら、一度お話を聞かせてください。

採用の流れ全体を、一度見せていただけませんか

求人票・媒体・スカウト・紹介会社のどこで止まっているのかを拝見して、動画を含めたお金の使い方をご提案します。月額20万円〜+媒体費の建設特化採用代行が、採用全体に並走する採用パートナーとしてお手伝いします。

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