採用代行が止まるのは、要件・面接の日程・社内の窓口の3つです
結論から言うと、採用代行で成果が出ないときの原因は、業者の質よりも手前の段階にあることが多いです。
求人の要件が「施工管理の経験者」のまま渡っている。面接の候補日が1週間出てこない。社内に話を受け止める窓口がいない。
この3つで止まっている会社が目立ちます。契約を切って別の会社に替えても、同じ場所で同じように止まります。
相談でよく聞くのは3つです。応募が来ない。来るけれど現場で使える人ではない。面接までいくのに決まらない。
応募が来ないのは求人票と経路の話です。合わないのは要件の話、決まらないのは速さと条件の話になります。
令和8年8月の有効求人倍率は、建設・採掘従事者が5.10倍でした。新しく出た求人だけを見る新規求人倍率では7.63倍です。
有効求人倍率に戻すと、建設躯体工事従事者は8.25倍、電気工事従事者は3.23倍でした。
職種別の有効求人倍率(令和8年8月・常用(パート含む)・実数)
いずれも常用(パート含む)の実数ベースです(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年8月分)。パートを除くと建設・採掘従事者は5.74倍、建設躯体工事従事者は8.95倍まで上がります。
正社員が足りないと答えた企業は全体で51.3%、非正社員は28.8%。建設業は66.0%でした(有効回答1万518社。帝国データバンク『人手不足に対する企業の動向調査』2026年7月)。
歩留まりも見ておきたいところです。令和8年8月の建設・採掘従事者は、有効求人115,371件に対して就職件数が1,554件。約1.3%です(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年8月分より算出)。
ハローワークに出した求人が1か月のうちに決まるのは、100件あたり1件か2件です。1つの手法だけに賭けると空振りします。
採用代行を入れても市場の厳しさは変わりません。変わるのは手の打ち方と速さです。契約だけ結んで、そこが変わらないままだと数字は動きません。
うまくいっていないのか、まだ途中なのかを分ける
成果が出ていないと感じたとき、最初にやることは解約の相談ではありません。いまが止まっているのか、まだ途中なのかを分けることです。
採用の予定人数に届かない会社は3社に1社です
中小企業の中途採用で、予定の100%以上を採れた企業は67.6%でした(100%が57.3%、100%超が10.3%)。届かなかったのは32.4%で、そのうち50%未満は12.8%です。
新卒採用では100%以上が56.1%でした(100%が51.7%、100%超が4.4%。有効回答4,123社、うち建設業417社。日本政策金融公庫総合研究所『中小企業における従業員の採用・定着に関する調査』2026年6月)。
予定の半分も採れていないのは8社に1社ほどで、多くはありません。ただ、人数だけで失敗と決める必要もありません。分かれ目は毎月の動きが前に進んでいるかどうかです。
建設業の離職率は8.7%で、産業計の13.7%より低いです(2025年。厚生労働省『令和7年雇用動向調査結果の概況』)。辞める人が少ないぶん、転職市場に出てくる人も限られます。
声をかけてから会えるまでに時間がかかるのは、このためです。
社内で期待がそろっているかも見てください。社長は「半年で3名」、現場は「1級持ちが1人来れば」、総務は「応募が増えれば」。これで3か月たつと、全員が別の理由で不満を持ちます。
止まっている状態と、進んでいる状態
採用代行が止まっているのか、進んでいるのかを見分ける材料
| 見るところ | 止まっている状態 | 進んでいる状態 |
|---|---|---|
| 求人票 | 3か月同じ原稿のまま | 月に1回以上、文面が書き直されている |
| スカウト送信 | 送った通数の報告がない | 通数と返信率が毎月の報告に出てくる |
| 応募者への返信 | 数日空くことがある | 24時間以内に返っている |
| 面接の候補日 | 出るまでに1週間以上かかる | 2〜3営業日で候補日がそろう |
| 紹介会社 | 求人を出したまま連絡が途切れている | 毎月の打ち合わせがあり、合否の理由が返っている |
| 辞退の理由 | 分からないまま終わっている | 給与・勤務地・工種のどれで折り合わなかったか分かる |
| 社内の窓口 | 社長だけが対応している | 人事か総務に担当が1人決まっている |
当社の支援経験をもとに作成
「進んでいる状態」が5つ以上そろっているなら、業者を替える話ではなく、要件と面接の進め方を直す話です。
「止まっている状態」が5つ以上なら、代行側が動いていないか、こちらの情報が届いていないかのどちらかです。
書面にできるのは業務の量です
採用代行は業務委託契約です。採用人数や応募数を契約書で約束することはできません。書面にできるのは業務の量のほうで、次のような項目です。
- スカウトの送信通数(たとえば月100通)
- 求人票の作成本数と書き直しの本数
- 月次レポートを出す日
- 応募者に返信するまでの時間(24時間以内など)
- 面接の候補日を出すまでの時間
- 紹介会社との打ち合わせの頻度
ここを決めておくと、3か月たったときに動いていたのかどうかが記録で分かります。採用人数は契約書ではなく、四半期の振り返りで話し合う材料と考えてください。

建設会社側で起きる6つの失敗パターン
どれも業者の良し悪しとは別の話です。手の早い会社に頼んでも、この6つが残っていると結果は出ません。
① 求人の要件が「施工管理の経験者」だけで渡っている
工種(建築か土木か設備か)、担当する現場の規模、入社時に要る資格、受け入れられる年齢の幅。この4つが決まっていないと、誰に声をかけるかが決まりません。
建設業の就業者は55歳以上が36.6%、29歳以下が11.6%です(国土交通省『改正建設業法について』)。「35歳以下で1級の資格を持っている経験者」で探すと、声をかけられる人がほぼ残りません。
直し方。工種と現場の範囲を先に決め、資格は「入社時に要るもの」と「入社後に取ればよいもの」の2段に分けます。年齢の上限を5歳広げるだけでも、声をかけられる人の数が変わります。
② 面接の候補日が出ない
1次面接をWEBで行った場合、応募から内定の承諾までにかかる日数は全体平均で31.5日です。不動産・建設・設備・住宅関連は36.3日で、業種別ではもっとも長くなっています(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』(2025年実績))。
日数が延びる原因で多いのが、面接の候補日が出てこないことです。面接をするのが社長や現場の責任者で、その人が現場に出ているからです。
代行側は日程を決める権限を持たないので、候補日が出てこなければ作業が止まります。報告書に「日程調整中」と書かれ続けるのは、この状態です。
直し方。毎週火曜の17時から1時間、というように面接の枠を先に固定します。候補日を探すやり取りそのものがなくなります。
③ 応募者を集める部分だけを丸ごと期待する
「母集団を集めてもらえれば、あとは自社で選べる」。この考え方で始めると、面接まで進む人の数が足りません。母集団とは、声をかけられる候補者の数のことです。
ハローワークだけ、求人媒体の掲載だけ、スカウトだけ、紹介会社に出しただけ。どれか1つでは数がそろいません。人材紹介、求人媒体、スカウトの3つを同時に回して、やっと候補者が並びます。
直し方。3つの経路を並べて、どこから来た人が面接まで進んでいるかを毎月見ます。

④ 新卒を前提にした段取りを中途市場に当てている
説明会を開き、エントリーを受け付け、まとめて選考する。この流れを中途採用に持ってくると、候補者を待たせることになります。
建設業に入ってくる人の約72%は、前の職場から移ってきた転職入職者です(厚生労働省『建設労働をめぐる情勢について』(令和7年10月))。
直し方。説明会やまとめての選考をやめて、スカウトと紹介会社の運用に寄せます。1人来たら1人進める形にして、渡す資料も担当する現場と工期、休みと残業が分かるものに替えてください。
⑤ 社内に窓口がいない、または決めるのが社長だけで止まる
代行側から届いた候補者の情報が、社長の携帯だけに溜まっていく状態です。見る時間が夜になり、判断が週末に回ります。社長が出張に出た週は、選考が丸ごと1週間遅れます。
直し方。人事か総務に窓口を1人決めて、週1回30分の打ち合わせを入れます。書類選考の合否を現場のリーダーが決められる形にしておけば、社長が不在でも選考は止まりません。
社長の時間は最終判断と、内定承諾の最後のひと押しに使ってください。任せる部分と社内に残す部分の切り分けは採用代行に向いている会社・向いていない会社に載せています。
⑥ 成果報酬型を選んでしまう
成果報酬は、業者から見ると決まらなければ売上にならない契約です。建設業の有資格者の募集は決まるまでに時間がかかるので、月額固定の他の顧客が優先されます。「契約したのに動いてもらえない」はこの料金体系で起きやすいです。
「採用できなければ費用ゼロ」は表面だけ見れば有利ですが、動いてもらえないリスクとセットです。月額固定型なら業者にとって毎月の売上が見える顧客になるので、優先度が落ちません。年に1名以上の継続した採用を考えているなら月額固定型です。
直し方。いま成果報酬型で3か月動きがないなら、料金体系の切り替えを相談します。応じないなら、そこは替える判断の材料になります。
契約と法律のところでのつまずき
どこまでを外に出すと法律の手続きが要るのか。その線を知らずに契約書を交わしてしまう、という話です。
募集そのものを外に出すと、許可の話になります
職業安定法第36条第1項は、報酬を与えて自社の社員以外の人に募集に従事させる場合に、厚生労働大臣の許可を求めています。これを委託募集といいます。第2項では報酬の額について認可を受けることが定められ、報酬を与えない場合は第3項により届出で足ります。
注意したいのは、許可を申請するのが募集を出す会社の側だという点です。採用代行の会社ではなく、建設会社自身です。
許可を受けずに行った場合は、第64条第7号で1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
報酬の額について認可を受けなかった場合(第2項)や、報酬を与えない募集の届出を出さなかった場合(第3項)は、第65条第3号で6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です(職業安定法(e-Gov法令検索))。拘禁刑は、懲役と禁錮が一本化された刑です。
求人票を書く、応募者に返信する、日程を調整する。この種の事務は募集そのものではありません。求職者に直接声をかけて応募を勧める行為が募集に入ります。
スカウトの送信は、ここで迷いやすいところです。スカウトの送信には2つの形があります。
ひとつは、自社の名義で出す求人について、文面をつくって送る事務を代行してもらう形です。もうひとつは、代行会社が自社の判断で求職者に声をかけ、応募を勧める形です。この2つは扱いが変わります。
前者は、募集そのものの委託とは別に扱われるのが一般的です。後者は委託募集の話になります。
自社のやり方がどちらに当たるか迷うときは、契約前に管轄の労働局に確認するのが確実です。
なお、許可を持つ職業紹介事業者に委託する場合は、その事業者に求人を申し込んだものとして扱われ、委託募集の許可は基本的に不要とされています。
採用人数を書面で約束する業者には気をつけてください
「半年で3名の採用を保証します」と契約書に書いてくる業者がいます。採用代行は業務委託契約なので、採用人数を約束することはできません。
成果を約束して報酬を受け取る行為は、許可のない職業紹介に近づきます。契約の段階では安心しますが、業務委託の枠を超えた約束なので、採れなかったときに揉めやすくなります。
契約書に数字を入れるなら、スカウトの通数や求人票の改訂本数といった業務量のほうにしてください。
契約書で見ておく4つのところ
- 解約の予告期間(1か月前か、3か月前か)
- 自動更新の条項と、更新しないときの申し出の時期
- 委託する業務の範囲(募集やスカウトの送信が入っているか)
- 報告の頻度と、報告に載せる項目
1番目を知らないと、替えようと思った月に替えられません。
契約を結んだあとの進め方にも気をつけたいところがあります。業務委託なのに出退勤を管理する、毎日のやることを細かく指示する。この運用が続くと、実態は雇用だと見られて偽装請負を疑われます。
契約の作り方や許認可のまわりは採用代行は業務委託?違法リスク・許認可・契約書の押さえどころに詳しく書いています。
3か月回して成果が出ていないときの立て直し方
契約を続けたまま、6つの手順で立て直します。順番どおりに進めてください。数字を見ないまま要件をいじると、どこが効いたのか分からなくなります。
(1) 数字を1枚にそろえる
3か月分の数字をA4用紙1枚に並べます。応募数、書類選考を通った数、面接が設定できた数、辞退した人数とその理由の4つです。
これを月ごと、経路ごと(求人媒体/スカウト/人材紹介)に分けます。代行会社に頼めば出してもらえる数字です。
1枚にすると、どこで止まっているかが目で分かります。応募が来ていないなら求人票と経路、書類で落としているなら要件、面接が設定できないなら社内の日程の問題です。
面接までいって辞退されているなら、給与と勤務地の条件が合っていません。内定が承諾されないなら、現場見学や顔合わせといった最後のひと押しが足りていません。
数字が出てこないなら、その理由を聞いてください。集計していないだけなら翌月から出せます。スカウトを送っていないなら、そこが問題の中心です。
この1枚があると、打ち合わせの話が「頑張っています」から「ここが詰まっています」に変わります。
(2) 要件を一緒に引き直す
求める人物像は、社内と代行会社で一緒に書き直します。現場を知らないと要件が書けず、市場に何人いるかを知らないと要件が市場から外れます。両方そろえて1時間話すのが早いです。
現場のリーダーを1人同席させてください。社長と人事だけで決めた要件は、現場で「この人では回らない」と言われます。
要件に入れる項目は6つです。
- 工種(建築・土木・設備のどれか)
- 現場の規模と、担当する現場の数
- 入社時に要る資格と、入社後に取ればよい資格
- 受け入れられる年齢の幅
- 勤務地と、転勤や出張の有無
- 給与の幅(下限と上限、資格手当の有無)
候補者が先に気にするのは勤務地と給与です。上限を決めておけば、良い方が来たときにその場で条件を出せます。
中小企業が人材募集で工夫したことを聞いた調査では、初任給の引き上げが43.4%、未経験者・無資格者の積極採用が37.2%でした(日本政策金融公庫総合研究所『中小企業における従業員の採用・定着に関する調査』2026年6月)。
経験者だけを探して止まっているなら、未経験・無資格の枠を1つ作るのが現実的な一手です。29歳以下は就業者の11.6%しかいません。若手の経験者を取り合うより、入ってから育てる枠のほうが埋まります。
引き直した要件は、その日のうちに紹介会社にも渡してください。前の条件で探し続けられるのを防げます。
(3) 面接の決め方を変える
業種の平均で36.3日かかっている選考の流れを、自社の側で縮めるだけで結果が変わることがあります。やることは3つです。
1つ目は、面接の枠を先に固定することです。2つ目は、現場のリーダーを同席させることです。
3つ目は、その場で次に進めることです。「後日ご連絡します」をやめて、現場見学の日や最終面接の日を面接の終わりに決めます。
在職中の人は複数社を同時に受けています。次の予定が決まっている会社が残り、連絡待ちの会社から落ちていきます。
担当してもらう現場、工期の組み方、休みの取り方、残業の実際のところ。この4つはこちらから先に話してください。社長や現場のリーダーとの食事も、最後のひと押しとして効いてきます。

(4) 求人媒体と人材紹介の配分を変える
建設業の有資格者を確実に採れる主力の手法は人材紹介です。減らす方向で考えないでください。
手数料は小さくありません。全業界の平均は年収の30〜35%、建設業の施工管理では主流45%です。1級の資格を持つ所長クラスや、急ぎで探す希少な人材では60〜70%まで上振れるケースもあります。
年収800万円の施工管理を1名採れば手数料は約360万円ですが、その方が3年現場を回すなら投資として説明がつきます。変わるのは使い方のほうです。
1社に求人を出したまま半年放置するのか、数社に優先度をつけて要件を伝え直し、合否の理由まで返しながら回すのか。同じ手数料率でも結果が変わります。
紹介会社をとりまとめるうえで、続けたいことは次の4つです。
- 要件を文書で渡し、変わったらその都度伝え直す
- 推薦が来たら24時間以内に返す
- 落とした理由を一言で返す(「工種が合わない」など)
- 複数社に優先度をつけ、動いてくれる会社に案件を寄せる
紹介会社の担当者は何十社もの求人を抱えています。優先されるのは、返信が早くて合否の理由が返ってくる会社です。この手間を外に出せるのが、採用代行の意味のひとつです。
当社が支援した福島県の総合建設会社(従業員50名)では、求人媒体と紹介会社の使い方を組み替えたあとに応募が2.4倍になり、いまは年13名の採用を続けています。
採用代行は、人材紹介や求人広告の代わりではありません。紹介会社とのやり取りも含めて、採用全体を一緒に動かす立ち位置です。
(5) 担当者と契約内容を見直す
(1) から (4) をやっても代行側が動かないなら、担当者の変更を相談してください。建設業の経験がある担当に替わるだけで、話の通り方が変わることもあります。
契約内容に業務量の目標が入っていないなら、ここで入れてもらいます。打ち合わせは週1回30分で足ります。話すのは先週送った数、今週会う人、止まっている案件の3つだけです。
選定の決め手を聞いた調査(342人・複数回答で最大3つまで)では、「支援実績が豊富だった」が84人、「報告・レポート内容が充実していた」が74人でした(スマートキャンプ『【BOXILアンケート調査】採用代行サービス(RPO)のシェア調査』2025年12月)。
別の会社に替えるときは、建設業の採用代行の選び方|5つのチェックポイントの確認項目で建設業の実績と紹介会社のとりまとめ体制を見てください。
困っているのが「何をやってくれたのか分からない」であれば、報告の見本を出してもらうのが近道です。業者の見分け方そのものは採用代行は怪しい?不信の理由5つと、健全な会社を見分ける方法で詳しく扱っています。
(6) 続ける、替える、いったん戻すの判断
判断は6か月目にします。3か月では材料がそろいません。
続ける目印は、(1) の1枚で数字が前の3か月より動いていることです。採用に届いていなくても、途中の数字が動いているなら続けます。
替える目印は、業務量の目標を入れても報告が出てこないことです。スカウトの通数が出てこない、求人票が書き直されない、打ち合わせが流れる。担当者ではなく会社の体制の話になります。
替えると決めたら、引き直した要件、求人票の原稿、3か月分の数字、紹介会社の一覧をそろえてから渡してください。次の会社が1か月目から動けます。
当社でも、長野県の工務店(従業員15名)が最小構成から始めて、現場1名と事務1名を採用したあとに採用代行を卒業した例があります。
社内に窓口が残り、求人票の書き方と紹介会社との回し方が型になっているなら、いったん社内に戻す形も選べます。
ただ、採用の手法や媒体は移り変わりが速いところです。戻したあとも年に1名以上採るつもりなら、月額固定で並走を続けるほうが手戻りは少なくなります。
費用の見方
建築・土木職の採用者1人あたりの転職サイト求人広告費は、平均で38.8万円でした。前年は25.5万円です(n=51)。中央値は20.0万円で、平均は一部の高い例に引っ張られています。不動産・建設・設備・住宅関連の業種計では34.4万円でした(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』(2025年実績))。
1年で13万円ほど上がっています。同じ掲載でも、1人採るまでにかかるお金が増えているということです。
押さえておきたいのは、38.8万円が求人広告費だけの数字だという点です。人材紹介の手数料も、社内の人が応募者に返信し、日程を調整し、面接に出る時間も入っていません。
1名採るまでの費用は4つに分かれます。
- 求人媒体とスカウト媒体の費用
- 人材紹介の手数料(建設業の施工管理では主流45%)
- 採用代行の月額(当社のような建設特化なら月額20万円(税別)〜)
- 社内の人が使う時間
最初の3つは請求書が来るので見えます。見えないのは4つめです。帳簿には出てきませんが、現場や見積りに使えたはずの時間は消えています。
採用代行の月額を比べるときは、媒体費を一緒に置いてください。採用代行を入れても求人媒体やスカウト媒体の費用はなくなりません。当社の場合は「月額20万円〜+媒体費」で見てもらうことになります。
採用代行費を紹介手数料への上乗せと見てしまうのも、間違えやすいところです。要件が伝わらないまま半年過ぎる、合わない人を採って半年で辞められる。こうしたムダが減るので、1名あたりの実際のコストはむしろ下がります。
もっとも、いったん入れば辞めにくい業界です。公的統計では、建設業の離職率は8.7%で産業計の13.7%より低く出ます(2025年。厚生労働省『令和7年雇用動向調査結果の概況』)。
ただし、これは全産業と同じ基準で見た年間の平均です。入って1〜2年で辞めるかどうかは、受け入れ方しだいで大きく変わります。
入った人が5年、10年と現場を回すなら、1年あたりの負担はずいぶん小さくなります。
料金体系ごとの相場や手法別のコストの比べ方は採用代行の費用相場ガイドにまとめています。
よくある質問
契約して3か月、応募が1件もありません。替えるべきですか?
替える前に、求人票が何回書き直されたかと、スカウトを何通送ったかを聞いてください。どちらも記録が出てこないなら、動いていないので替える判断になります。
記録が出てくるのに応募がゼロなら、要件か条件が市場から外れています。替えても同じことが起きるので、要件を引き直してもう3か月続けるほうが早いです。
採用できなかったら費用は戻ってきますか?
戻りません。採用代行は業務委託契約なので、支払うのは業務に対してです。採用人数を約束して返金する形は、業務委託の枠を超えます。
見るのは返金の条項ではなく、業務量の目標が入っているかどうかです。決まっていれば、動いていなかった月は数字で指摘できます。
社内に人事がいません。それでも頼めますか?
頼めます。ただし窓口を1人決めてください。総務や工務の方が兼任でも進みます。社長だけで受けると、返事が夜と週末に回って候補者が離れます。
採用の手法や媒体は移り変わりが速く、社内の人だけで追いかけるのは負担が大きくなります。専任の人事を置くかを先に決めるより、建設特化の採用代行と組む前提で、社内にどれだけ人を割くかを考える順番にします。
面接の日程がどうしても出せません。何から直せばいいですか?
面接の枠を先に固定するところからです。毎週決まった曜日と時間を空けて、応募が来たらその枠に入れます。社長が時間を取れない場合は、1次面接を現場のリーダーか工務の責任者に任せて、社長は最終面接だけに出る形にしてください。
まとめ|替える前に、渡し方を直す
要点は6つです。
- 原因は業者の質より手前にあります。要件、面接の日程、社内の窓口の3つを先に見てください
- 中途採用で予定の100%以上を採れた中小企業は67.6%、届かなかったのは32.4%です。人数だけで失敗と決めないでください
- 契約書に書けるのは業務の量です。採用人数を書面で約束する業者には気をつけてください
- 1次面接をWEBで行った場合、建設を含む業種区分は応募から内定の承諾まで36.3日で、業種別ではもっとも長くなっています。面接枠を先に押さえるだけで結果が動きます
- 立て直しは、数字を1枚にそろえる、要件を引き直す、面接の決め方を変える、経路の配分を変える、担当者と契約を見直す、6か月目に判断する順番で進めます
- 人材紹介は減らす手ではなく、上手に使いこなす手です。手数料は施工管理で主流45%、所長クラスや急募では60〜70%まで上がることもありますが、使い方で結果が変わります
建設・採掘従事者の有効求人倍率は5.10倍、建設躯体工事従事者は8.25倍。この市場で一度も空振りせずに採れる方法はありません。できるのは、空振りを減らすことと、当たったときに取りこぼさないことです。
替える判断はいつでもできます。ただ替える前に1か月だけ、数字を1枚にそろえて要件を引き直す時間をとってみてください。止まっている場所が分かれば、替えるにしても次の会社に渡す材料がそろいます。
自社がどちらのつまずきに当てはまるのかは、採用代行に向いている会社・向いていない会社の判断基準と合わせて見てみてください。