フレックスタイム制を入れている会社は全産業で8.3%、30〜99人では4.9%
厚生労働省の令和7年就労条件総合調査で、フレックスタイム制を採用している企業は8.3%でした。令和6年調査は7.2%です。
これは全産業をまとめた数字です。この調査では建設業だけの採用割合は公表されていません。
企業規模で大きく分かれます。1,000人以上34.5%、300〜999人22.6%、100〜299人11.5%、そして30〜99人4.9%です。
企業規模別・フレックスタイム制を採用している企業の割合(令和7年・全産業)
出典: 厚生労働省『令和7年 就労条件総合調査』第8表より作成
適用を受ける労働者は11.1%です(令和6年調査11.5%)。
建設業だけを取り出した数字としては、大東建託が2021年のニュースリリースで、同じ調査の2020年のものとして次を引いています。建設業でフレックス勤務の制度が適用されている従業員の割合は2.7%、全業種平均は9.3%(大東建託 ニュースリリース(2021年5月31日))。孫引きになるので幅を持って見てほしい数字ですが、建設業が全業種平均を下回る点は動きません。
同じ調査で、建設業の所定労働時間は短いほうに出ています。1日7時間43分、週39時間13分です。調査産業計は7時間49分・39時間24分でした。
決まっている時間が短いことと、その時間をずらせることは別の話です。
結論から言うと、建設会社のフレックスタイム制は、会社全体で入れるかどうかを決める話ではありません。部署と職種ごとに、入れられるところから決めます。
現場の技能者には入れにくく、設計・積算・事務には入れやすい。施工管理はその間で、制度の組み方しだいで動きます。
建設業で入れにくいのは、朝礼と現場の入場時刻があるから
国土交通省と建設業振興基金の事例集に、秋田県横手市の土木工事会社(社員28名)が載っています。育児や介護の事情がある社員のために始業時刻を選べる制度を入れたところ、こんな課題が出ました。
始業時間を遅らせると現場の朝礼に参加できない等、コミュニケーション不足や危険予知活動に支障をきたしてしまう
この会社は、どの現場も朝礼は概ね8時スタートだと述べています。9時に出勤すれば、着いた時点で朝礼は終わっています。
(国土交通省・建設業振興基金『中小建設業の多様な人材確保・定着のための柔軟な働き方事例集』 CASE 5)
時刻をずらせない理由は、本人の都合ではなく現場の側にあります。朝礼の時刻、入場が許される時刻、他社と並行して進める作業の順番です。

国が建設業に案内しているのは、1年単位の変形労働時間制のほう
厚生労働省の建設業向けポータルサイトには、こうあります。
季節ごとに業務の繁閑があって、年間を通じて繁忙期と閑散期がはっきりとしている場合には、1年単位の変形労働時間制を適用し、労働時間の効率的な配分を行うことができる場合があります
1年を平均して1週40時間になる範囲で、あらかじめ勤務シフトに凹凸をつける制度です。所定労働時間は最大でも1週52時間・1日10時間までで、積雪の度が著しく高い地域には特例(積雪特例)もあります。
(厚生労働省『建設業従事者の長時間労働改善に向けたポータルサイト』)
この2つは、どちらか1つを選ぶものではありません。扱う単位が違います。
1年単位の変形労働時間制が扱うのは、月や季節の波です。雪で動けない冬の所定を短くし、動ける時期を長くします。
フレックスタイム制が扱うのは、1日の中のずれです。前夜に遅くまで打ち合わせをしたので翌日は10時から始める、という動かし方です。
工期の波なら前者、個人の出退勤の時刻なら後者です。
業界団体も「作業所での事例は少数」と書いている
日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)が2019年に出した資料に、こうあります。
建設産業では内勤での導入もあまり進んでおらず、特に作業所での導入事例はまだまだ少数です
内勤でも進んでいない、という認識です。設計や事務で入れていない会社が、いきなり施工管理から始めようとすると、就業規則と協定の整備が重くなりがちです。
(日本建設産業職員労働組合協議会『試してみませんか、作業所でのフレックスタイム』)
職種別の向き不向き|入れられるところから決める
建設会社の職種別・フレックスタイム制の向き不向き
| 職種 | 向き不向き | ネックになること | 先に決めること |
|---|---|---|---|
| 現場の技能者(とび・大工・土工など) | 入れにくい | 朝礼の時刻、現場への入場時刻、他社と同時に進める作業 | 現場を閉じる日と休暇の取り方から手を付ける |
| 施工管理(現場担当) | 組み方しだい | 朝は現場、夕方は事務所。終業が後ろにずれる | 朝礼の情報をどう届けるか。フレキシブルタイムの終わりを何時にするか |
| 設計・積算・CAD | 入れやすい | 社外との打ち合わせの時刻 | 打ち合わせを入れてよい時間帯 |
| 事務・総務・経理 | 入れやすい | 電話と来客の受け手が不在になること | 受け手の当番の組み方 |
厚生労働省『フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き』と国土交通省・建設業振興基金『中小建設業の多様な人材確保・定着のための柔軟な働き方事例集』に載る課題をもとに、当社が建設業の採用で見てきた実情を加えて作成
現場の技能者は、入場時刻と朝礼で1日の始まりが決まります。他社の職人と同じ足場を使う日なら、自社だけ時刻をずらせません。
この層に柔軟さを届けるなら、出退勤の時刻より先に、現場を閉じる日と休暇の取り方から直すほうが早いです。
迷うのは施工管理です。
施工管理は、朝が早くて終業が後ろにずれる
事例集の大阪府茨木市の建築工事会社(社員31名)が、その事情を述べています。
マンションの修繕工事の場合、マンションの管理組合が施主様になります。そのため、工事の打ち合わせで管理組合の理事会に出席をしなければならない時もあるのですが、理事会は夜遅くに開催されることが多く
この会社の基本の勤務時間は8時から17時です。夜の理事会に出た翌日も8時から始めれば、その分が残業に積み上がります。
そこで2022年に、受け持つ現場や仕事によって勤務時間を変更できる時差出勤制度を入れました。夜に打ち合わせをした翌日は、始業を繰り下げる形です。
あわせて施工管理専用の情報共有アプリを入れ、スマートフォンとノートパソコンを支給しました。工程表や工事写真を現場で扱えるようにして、終業後に会社へ戻る時間を削りました。
結果は約30%の残業時間削減です。アプリの定着までに約3年を要したと書かれています。(同事例集 CASE 10)
時刻をずらす前に、ずらしても仕事が止まらない道具を入れています。順番が逆だと、始業を遅らせた人のところで情報が止まります。
2024年4月から適用された時間外労働の上限規制の中身は、建設業の2024年問題で扱っています。
制度の中身を、建設会社の言葉に置き換える
厚生労働省の手引きで決めることになっている項目のうち、言葉がわかりにくいのは次の5つです。
- 清算期間… 労働時間を数える単位の期間。1か月が基本で、最長3か月。起算日もあわせて決めます
- 清算期間における総労働時間… その期間に働くことになっている時間の合計です
- 標準となる1日の労働時間… 年次有給休暇を1日取った日に、何時間働いたとみなすかの基準
- コアタイム… 全員が働いている状態にする時間帯。設けなくてもかまいません
- フレキシブルタイム… 本人が出退勤の時刻を決めてよい時間帯。これも任意です
残業の数え方が、1日単位から期間単位に変わる
1日8時間・週40時間という法定労働時間を超えて労働しても、ただちに時間外労働とはなりません
逆に、標準の労働時間に届かない時間も欠勤にはなりません。
時間外労働になるのは、清算期間の法定労働時間の総枠を超えた分です。総枠は40時間を7日で割り、清算期間の暦日数をかけて出します。
1か月なら、31日の月で177.1時間、30日で171.4時間、28日で160.0時間です。
総労働時間はこの枠の中で決めます。残業をさせるには36協定の締結が要ります。
清算期間を1か月より長くすると、「1か月ごとの労働時間が、週平均50時間を超えないこと」という条件が付きます。
労働時間の管理は、会社の側に残る
フレックスタイム制は始業・終業時刻の決定を労働者に委ねる制度ですが、使用者が労働時間の管理をしなくてもよいわけではありません
実際に働いた時間を把握し、賃金の清算をするところまでが会社の仕事です。紙のタイムカードで日ごとの8時間を見ている会社は、期間の合計を出せる形に切り替えます。
コアタイムを長く取りすぎると、フレックスタイム制ではなくなります
手引きには、こんな注意書きがあります。「コアタイムの時間が1日の労働時間とほぼ同程度になるような場合や、フレキシブルタイムの時間帯が極端に短い場合など、労働者が始業・終業時刻を自由に決定するという趣旨に反する場合には、フレックスタイム制とはいえなくなるため注意が必要です」
建設会社でつまずきやすいのがここです。朝礼に出てほしいので8時から17時をほぼコアタイムにしてしまうと、制度の名前だけが残ります。
(厚生労働省『フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き』)
導入の手順
1. 対象の部署・職種を決める
さきほどの表に戻って、設計・積算と事務から始めるのか、施工管理まで含めるのかを決めます。協定で範囲を明確にすればよいので、1部署から始められます。対象外になる部署には、その理由を先に伝えます。
2. 就業規則に書く
手引きの言葉は「始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定める必要があります」です。適用する部署、清算期間と起算日、総労働時間、標準となる1日の労働時間、コアタイムとフレキシブルタイムの時間帯を条文にします。
3. 労使協定で6項目を決める
- 対象となる労働者の範囲
- 清算期間
- 清算期間における総労働時間
- 標準となる1日の労働時間
- コアタイム(任意)
- フレキシブルタイム(任意)
協定は事業場ごとに結びます。手引きに載っている協定例は、清算期間3か月・有効期間1年の形です。
4. 清算期間が1か月を超えるなら届け出る
清算期間1か月以内と、1か月超(最長3か月)の違い
| 項目 | 清算期間1か月以内 | 1か月超(最長3か月) |
|---|---|---|
| 労使協定届の届出 | 不要 | 所轄の労働基準監督署長に届け出る(様式第3号の3)。違反すると30万円以下の罰金が科されることがある |
| 週平均50時間の縛り | なし | 1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えないこと |
| 向く使い方 | 1か月の中で、日ごとの出退勤の時刻をずらす | 月をまたいで、季節や工程の繁閑を吸収する |
届出は、労使協定届に協定の写しを添えて出します。清算期間が1か月以内なら届出は要りません。最初は1か月で始めるほうが、手続きは軽くなります。
5. 朝礼と連絡のしかたを作り直す
秋田県横手市の土木工事会社がやったのは、ここです。
グループウェア(情報共有ツール)の活用により、その日の作業内容をクラウド上で共有できる仕組みを構築した
9時に出勤した社員は、出社後にグループウェアで朝礼の内容を確認します。危険予知活動で挙がった注意点は現場の掲示板に掲示し、ツールで対応できない部分は手で補いながら運用しています。
この制度を求人票に記載したこともあって、女性社員3名の採用につながっています。(同事例集 CASE 5)
6. 運用して直す
最初の1か月は、出退勤の時刻が散らばる日を見ます。誰も事務所にいない時間が出たら、当番を決めるか、コアタイムの時間帯を見直します。協定の有効期間を1年にしておくと、見直す時期が決まります。

作業所向けの設定例が、数字の目安になる
日建協が示している作業所での設定例は、次のとおりです。
- 制度対象者… 作業所勤務者全員
- 清算期間… 1か月
- 所定労働時間… 週40時間
- 標準勤務時間… 8:00〜17:00
- 休憩… 12:00〜13:00
- コアタイム… 10:00〜15:00
- フレキシブルタイム… 6:00〜10:00、15:00〜22:00
(日本建設産業職員労働組合協議会『試してみませんか、作業所でのフレックスタイム』)
この設定だと、出社は6時から10時までの間で選べます。朝礼が8時の現場なら、10時に出てくる社員は朝礼に出ません。コアタイムが10時からなので、制度の上は遅刻にもなりません。
この設定を使うなら、朝礼の扱いを先に決めることになります。出る日を当番制にするか、内容をツールで配るか、朝礼の時刻そのものを動かすかです。
就業規則と労使協定の文言、自社に当てはめたときの総枠の計算には、個別の判断が入ります。社会保険労務士に相談してください。
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大東建託|工事職のコアタイムを撤廃した
大東建託は、コアタイムのあるフレックスタイム制を2017年に導入し、工事職には2019年度に広げました。
そのうえで2021年6月1日から、建設現場の現場管理を行う工事職の社員を対象に、コアタイムのない「フリーフレックスタイム制度」へ切り替えています。
従来のコアタイム11:30〜15:30を撤廃し、1か月の所定労働時間(7.5時間×営業日数)を満たせば、7:00〜20:00の間でいつ出社・退社してもよい形にしました。
厚生労働省のポータルには、社員8,172名の同社の数字として、フレックスおよびテレワークの利用率97.8%、平均残業時間16.0時間が載っています(いずれも2023年)。
どちらも全社員の平均です。現場管理の職種だけを取り出した数字ではないので、繁忙期の現場はこれを上回ると見てください。
戸田建設|作業所を含む全部署を対象にし、コアタイムを廃止した
戸田建設は2018年6月21日に運用を始め、2020年6月21日にコアタイムを廃止しました。
対象範囲は「作業所を含めた全部署、全社員」です(一部、労使協定に定めた対象外の社員あり)。フレキシブルタイムは6時〜12時と13時〜19時です。
狙いとして挙げているのは、労働時間管理を「1日」から「1ヵ月」の総実労働時間へと移行することです。使われ方の例には「単身赴任者の週明けの出社時間の調整」が挙がっています。
単身赴任は建設業では珍しくない勤務形態です。日曜のうちに移動していた社員が、月曜の昼から始められます。
宮城県の造園会社|制度より先に、情報の共有を直した
宮城県仙台市の造園工事会社(社員41人)は、社内規程の見直しだけでは一人ずつの事情に応えられないと考え、規程にとらわれない雇用形態の変更や配置転換で対応しました。
支えたのは道具です。現場の社員が進捗を本社へ報告する方法を、電話や帰社からビジネスチャットツールに変えました。報告の時間が減り、各人の受け持つ現場の状況を社内で共有できるようになりました。
担当外の現場のヘルプに行かなければならない時も、スムーズに現場に入ることができるようになりました
柔軟な働き方を希望して採用に至った人数は7名です。ここ10年の離職は10名中3名で、うち2名は結婚による転居でした。(同事例集 CASE 4)
大手の制度の条文をそのまま写しても、朝礼の内容が9時に出勤した人へ届かなければ、現場の段取りが止まります。動いている会社は、情報の共有の仕方を先に直しています。
求人票に書けること、書けないこと
書けること
- 制度の名前
- 対象の部署・職種
- コアタイムの有無と、ある場合はその時間帯
- 清算期間
「フレックスタイム制あり(設計部・積算部が対象/コアタイム10:00〜15:00/清算期間1か月)」。ここまで載せれば、求職者は自分が使えるかを判断できます。
「フレックスタイム制あり」だけだと、全社で自由に出退勤できる会社だと読まれます。
書いてはいけないこと
1つは、対象が一部の部署だけなのに、全社で使えるように読める書き方です。施工管理で応募した人が入社後に「あれは設計部だけの制度です」と言われれば、聞いていた話と違うことになります。
もう1つは、就業規則にも労使協定にも無いのに制度名だけを載せることです。運用で始業を前後させているだけの状態は、フレックスタイム制ではありません。
聞いていた条件と違うという不満は、入社後まもない時期の退職につながりやすいところです。求人票の書き方そのものは建設業の求人票の書き方で扱っています。
休日の条件とセットで見せる
求職者が先に見るのは年間休日のほうです。フレックスタイム制だけを載せても、休日が4週6休のままでは比較で負けます。
年間休日の日数、完全週休2日かどうか、そのうえで時刻をどう動かせるか。この順で並べたほうが伝わります。休日条件の直し方は建設業の週休2日制の導入に載せています。

制度ができても、伝え方が揃わないと応募は変わらない
就業規則と労使協定が整った時点で終わりではありません。求人票の文面、どの媒体に出すか、人材紹介会社への伝え方まで揃って、応募の入り方が変わります。
建設業の採用は1つの手段では埋まりません。求人媒体で応募の数を集め、人材紹介で有資格者を押さえ、スカウトで転職活動をしていない人に当てます。
人材紹介は、建設業の有資格者を確実に採れる主力の手段です。資格と経験で選ぶ施工管理や設計では、いちばん確度の高い道です。
手数料は、採用した人の想定年収に対して全業界の平均で30〜35%、建設業の施工管理では主流45%です。1級の資格を持つ所長クラスや急ぎの募集では60〜70%まで上振れるケースもあります。この水準は当社が建設業の採用で見てきたもので、公的な統計ではありません。
高い水準です。それでも使い方しだいで効き方が変わります。求める人物像の伝え方、推薦への返信の速さ、見送った理由の返し方で結果が変わります。
紹介会社とのやりとりを、就業規則の改定と同じ時期に社内の片手間で回すのは重い作業です。返信が1週間空けば、候補者は他社で決まります。
建設特化の採用代行と組むのを基本線に置いて、そのうえで社内にどこまで人を割くかを考える順番をお薦めします。専任の人事を置くかどうかは、その次の話です。
- 社内と採用代行で一緒に… 求める人物像と採用要件を決めます。現場を知っているのは社内なので、丸投げにはできません
- 社内… 面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し
- 採用代行… 求人票の作成と改訂、求人媒体の運用、スカウトの送信、応募者への対応、日程調整、紹介会社のとりまとめ
採用代行は、人材紹介や求人広告の代わりではありません。紹介会社のとりまとめを含めて、採用全体に並走する立ち位置です。
当社の料金は月額20万円(税別)〜です。求人媒体の掲載費は別にかかるので、出ていくのは月額20万円〜+媒体費で見てください。
料金体系は月額固定をお薦めします。成果報酬の形は、決まらなければ業者の売上にならない契約です。難易度の高い建設業の募集は後回しになります。
よくある質問
Q. コアタイムは作らなくてもいいですか?
作らなくてもかまいません。手引きでも任意の項目で、設けずに出勤日も本人が選べるようにすることが可能だとされています。ただしその場合も、所定休日は先に決めておきます。
大東建託と戸田建設は、どちらもあとから廃止しています。逆に、コアタイムを1日の労働時間とほぼ同じ長さにすると、フレックスタイム制とは言えなくなります。
Q. 労使協定は労働基準監督署に届け出ますか?
清算期間が1か月以内なら、届出は要りません。1か月を超える場合は、労使協定届(様式第3号の3)に協定の写しを添えて、所轄の労働基準監督署長に届け出ます。届け出ないと、30万円以下の罰金が科されることがあります。
Q. 残業代の計算はどう変わりますか?
1日8時間を超えた時点で時間外労働になる、という数え方ではなくなります。
清算期間の法定労働時間の総枠(31日の月で177.1時間、30日で171.4時間、28日で160.0時間)を超えた分が時間外労働です。残業をさせるには36協定が要ります。1か月を超える清算期間では、月ごとに週平均50時間を超えた分も時間外労働です。
Q. 現場の職人にも入れられますか?
入場時刻と朝礼が固定されている現場では、出退勤の時刻を本人に任せきるのは難しいです。朝礼の内容をツールで配り、出勤の選択肢を8時か9時の2つに絞るところから始めた会社があります。先に現場を閉じる日と休暇の取り方を直すほうが、技能者には届きやすいです。
Q. 1年単位の変形労働時間制とどちらがよいですか?
どちらか1つを選ぶものではありません。季節で繁閑がはっきりしているなら1年単位の変形労働時間制、1日の中の出退勤の時刻をずらしたいならフレックスタイム制です。夜の打ち合わせや子どもの送りに合わせた時刻のずれは、後者で扱います。
まとめ
要点は次の5つです。
- フレックスタイム制を採用している企業は全産業で8.3%、30〜99人規模では4.9%。建設業だけの採用割合は、この調査では公表されていません
- 入れにくい理由は朝礼の時刻と現場の入場時刻。季節の繁閑は1年単位の変形労働時間制、1日の中のずれはフレックスタイム制で扱います
- 入れやすいのは設計・積算と事務。施工管理は制度の組み方しだい、現場の技能者には入れにくい。部署と職種ごとに決めます
- 手続きは就業規則への記載と労使協定の6項目。清算期間が1か月以内なら届出は要らず、1か月を超えると届出と週平均50時間の縛りが付きます
- 朝礼に出てほしいからとコアタイムを長く取ると、制度の名前だけが残ります
こういう選択肢もある、という程度に受け取ってもらえれば十分です。
制度を直したあと、求人をどこにどう出すかお話しします
働き方を変えても、求人票の文面と出し先が前のままでは応募の入り方は変わりません。採りたい職種と人数をうかがって、求人媒体・人材紹介・スカウトの重ね方と費用の見立てをお伝えします。月額20万円〜の建設特化採用代行が、紹介会社のとりまとめまで含めて採用全体に並走します。
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