4週8閉所以上の現場は67.2%、それでも出勤日数は月19.7日
日本建設業連合会が2026年9月18日に、週休二日実現行動計画のフォローアップ報告書を公表しました。会員142社のうち88社が回答し、12,506現場を集計したものです。
4週8閉所以上を達成した現場の割合は67.2%でした。2024年度の通期と比べて6.2ポイント増えています。
「4週8閉所」は、4週間のうち8日、現場そのものを閉じることです。社員が交替で休むのではなく、現場に誰も入らない日を8日つくります。
内訳は土木が75.6%(前年度比+2.8ポイント)、建築が59.4%(+9.2ポイント)です。2025年度の平均は4週7.28閉所でした。
(日本建設業連合会『週休二日実現行動計画 2025年度通期フォローアップ報告書』)
4週8閉所以上を達成した現場の割合(2025年度通期)
出典: 日本建設業連合会『週休二日実現行動計画 2025年度通期フォローアップ報告書』(会員142社のうち88社回答・12,506現場)より作成
ただしこの数字は、日建連の会員企業が施工する現場のものです。大手の元請が中心で、そこに入る下請の職人の休みがそのまま8日になるとは限りません。
働く人の側の数字は、厚生労働省の毎月勤労統計調査に出ています。
令和6年度の建設業は、月間の総実労働時間が161.1時間、出勤日数が19.7日でした。調査産業計は136.3時間、17.6日です。
月に2.1日多く出て、24.8時間多く働いています。
ただしこの比較には、短い時間で働く人も入っています。建設業はその割合が低いので、差が大きく出ます。
フルタイムで働く人だけで見ると、建設業は165.6時間・20.1日、調査産業計は161.6時間・19.3日です。差は0.8日に縮みます。
(厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年度分結果確報』。事業所規模5人以上)
結論から言うと、現場を閉じる取り組みは進みました。それでも働く人の出勤日数は、フルタイム同士で比べても全産業の平均を上回ったままです。この差を埋める作業が、各社の週休2日制の導入です。
義務ではない。それでも入れる会社が増えている3つの理由
週休2日制の導入を、法律が会社に義務づけているわけではありません。それでも導入が進んでいるのは、次の3つが同時に動いたからです。
2024年4月から、残業で工期を吸収できなくなった
建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。
これまでは、工期が厳しくなれば土曜を動かし、残業を足して間に合わせることができました。その逃げ道が閉じました。
休日を増やすかどうかの話ではなく、総労働時間の上限が先に決まったということです。規制の中身と採用への影響は、建設業の2024年問題にまとめています。
公共工事の積算が、週休2日を前提に変わった
国土交通省は2026年2月17日に、同年3月から適用する公共工事設計労務単価を公表しました。公共工事設計労務単価は、国が公共工事の人件費を積算するときに使う基準額です。
全国全職種の単純平均で前年度比+4.5%、14年連続の上昇です。
(国土交通省『令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について』)
単価が上がる流れと、週休2日の工事に補正を加える仕組みが重なっています。休みを増やした分の原資を、発注者から受け取る道が用意されました。
単価の上昇の推移は建設業の賃上げ動向に載せています。
求人で、休日条件が真っ先に比べられる
休日条件別・施工管理求人の年間休日と提示年収
| 休日条件 | 年間休日(中央値) | 提示年収(下限の中央値) |
|---|---|---|
| 完全週休2日制 | 124日 | 450万円 |
| 週休2日制(完全ではない) | 114日 | 400万円 |
民間の求人データ調査です。年収は求人票に書かれた提示年収の下限の中央値で、実際の支給額ではありません。ジョブリー建設編集部『施工管理求人データ調査Vol.27』(求人5,993件・1,297社、2026年9月1日時点)より作成
年間休日で10日、求人票に書かれた年収の下限で50万円の差があります。
休日が多い求人は、年収も高く出ています。休みが少ない求人は、休日でも年収でも下に見えます。

いちばんの壁は「休むと手取りが減る」
日給月給の計算
日給月給は、1日いくらの日給に、その月の出勤日数をかけて給与を出す払い方です。
日給20,000円で月24日出れば480,000円です。出勤を20日に減らすと400,000円になります。
休みを4日増やすと、80,000円下がります。年に換算すると96万円です。
会社が「休みを増やします」と言っても、現場から「仕事を減らすな」と返ってくる理由はここにあります。日給月給の人にとって、休日が増える話は減給の話に聞こえます。
(上の金額は仕組みを示すための計算例で、特定の会社の数字ではありません)
有給休暇も、取りきれていない
厚生労働省の就労条件総合調査では、年次有給休暇の取得率は建設業が60.7%でした。付与17.8日に対して取得10.8日です。
全産業計は65.3%で、付与16.9日・取得11.0日です。建設業は付与日数が多いのに、取得日数は少なくなっています。
制度として休みがあることと、休めることは別です。週休2日制も同じで、就業規則に書くだけでは出勤日数は動きません。
就業規則を直すだけでは、手取りの問題が残ります
休日を増やす規定を入れても、日給の単価と受注の価格が変わらなければ、職人の給与総額は下がります。先に原資をどこから取るかを決めてから、規定に手を付けます。
給料を減らさずに休みを増やす5つの手順
原資をつくる順番で動かします。
1. 日給の単価を見直して、月給制に寄せる
出勤日数が減っても総額が落ちない払い方に変えます。
日給20,000円で月24日の人の休日を4日増やし、同じ総額を保つなら、日給は24,000円になります。これも計算例です。
一度に全部を月給制にしなくてもよいです。固定給の部分を増やし、日給の部分を減らしていく形で、段階的に寄せられます。
単価を上げる原資は、次の2つから取ります。
2. 公共工事では、週休2日の補正を取りに行く
週休2日制適用工事の補正係数(関東地方整備局・令和7年度)
| 達成のしかた | 労務費 | 共通仮設費率 | 現場管理費率 |
|---|---|---|---|
| 現場を閉じて完全週休2日(土日)を達成 | 1.02 | 1.02 | 1.03 |
| 現場を閉じて月単位の週休2日を達成 | 1.02 | 1.01 | 1.02 |
共通仮設費は現場事務所や仮囲いなどの費用、現場管理費は現場を運営する人件費や経費のことです。補正係数は、工事費を積算するときの割増しの倍率です。労務費にはそのまま掛け、共通仮設費と現場管理費は、それぞれの率に掛けます。
月単位の週休2日の条件は、対象期間のすべての月で現場閉所率が28.5%以上になることです。28日のうち8日を閉じる水準です。
降雨・降雪などによる予定外の閉所日も、現場閉所日数に数えます。
(国土交通省 関東地方整備局『令和7年度 週休2日制適用工事の概要』)
地方整備局ごとに運用の細部が違います。発注者の公告と特記仕様書で、適用の条件を先に確かめておきます。

3. 労務費の基準を、見積書に反映する
2025年12月12日に、建設業法の改正で決まった「労務費に関する基準」が施行されました。国の審議会(中央建設業審議会)が同年12月2日に勧告したものです。
考え方は単純です。公共工事設計労務単価を下回らない労務単価に、適正な歩掛(作業にかかる手間)を掛けて労務費を出し、見積書に内訳を明示します。
基準を著しく下回る労務費での見積りと契約は制限されます。2026年6月17日に基準値が更新され、6月29日に運用方針が改正されています。
この基準は、民間工事でも人件費を内訳で出して交渉する根拠になります。元請から「一式」で値段を切られてきた会社ほど、交渉の材料が増えます。
4. 4週8閉所が回る工程に組み替える
原資ができたら、工程を組み直します。
着工前に、月ごとの閉所日をカレンダーに入れます。先に休む日を決めて、そこから逆算して工期と人員を置きます。
交替制を使えば、現場を動かしながら個人の休みを増やせます。ただし現場閉所率の計算で数えられるのは、現場を閉じた日だけです。公共工事の補正を取りに行くなら、閉所と交替制は分けて考えます。
雨で止まった日を休日として扱う運用は、着工前に発注者と決めておきます。
5. 1現場・1部署から小さく始める
全社で一斉に切り替えません。
公共工事の1現場、あるいは内勤の1部署から始めます。閉所した日に起きた不具合を拾い、次の現場に反映します。
基幹業務のクラウド化も、年に1つずつで足ります。日報、勤怠、図面の共有あたりから順に移します。
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無料で相談する先に進めた会社がどう変わったか
柔軟な働き方を入れた中小建設会社の例
| 会社 | 入れたこと | 変わったこと |
|---|---|---|
| 秋田県・土木工事(社員28名・うち女性5名) | 始業時間を選べる出勤選択制。朝礼に出られない人の分は、情報共有ツールのクラウド共有で埋めた | 女性社員3名の採用に成功。有給休暇の取得は令和4年度に13.7日 |
| 島根県・塗装工事(社員30名・うち女性8名) | 時短勤務と子の看護休暇を、育児・介護の事情がない社員も使える制度とほぼ同時に導入 | 8年間退職者ゼロ。Uターン人材と新卒の採用が進んだ |
| 長野県・土木工事(社員32名・うち女性2名) | 採用難をきっかけに、基幹業務のクラウド化を年に1つずつ段階的に進めた | 残業時間は月平均30時間以下に。時短勤務の利用も進んだ |
3社とも、制度を1つ入れて終わりにしていません。
始業時間を選べるようにすると、朝礼に出られない人が出ます。秋田県の会社は、そこをクラウドでの情報共有で埋めました。
時短勤務や看護休暇を入れると、使える人と使えない人の間に不公平感が生まれます。島根県の会社は、事情がない社員も使える制度をほぼ同時に入れて、その感情を先に抑えました。
長野県の会社は、入口が採用難です。人が採れないから働き方を変えた、という順番でした。クラウド化は年に1つずつで、一気に入れていません。
休みを増やす制度は、入れた瞬間に困る人を生みます。埋め合わせの仕組みを同じタイミングで用意するかどうかで、続き方が変わります。
休日条件を採用にどう載せるか
年間休日の日数を、数字で書く
求人票の休日欄に「4週6休」「シフト制」とだけ書かれていると、求職者は年間休日を計算できません。
年間休日の日数を数字で書きます。土日の日数、祝日の扱い、夏季と年末年始、有給とは別かどうかまで書き出します。
完全週休2日制の求人は、年間休日の中央値が124日でした。自社が105日なら、その数字を出したうえで、2年後に何日にするかを書くほうが伝わります。
「4週8休」と「完全週休2日」を混ぜない
2つは違います。完全週休2日制は毎週2日の休みがある状態、4週8休は4週間で8日休む状態です。4週8休では、1週間に1日しか休めない週が出ます。
令和6年の就労条件総合調査では、完全週休2日制を採用している企業の割合は56.7%でした。前年の53.3%から増えています。全産業・企業規模計の数字で、建設業単独の割合は公表されていません。
求人票に「完全週休2日制」と書いてあったのに、入ってみたら隔週で土曜出勤があった、という食い違いは早期離職につながります。
4週8休なら「4週8休」と書きます。年間休日の日数を数字で添えておくほうが、あとで揉めません。辞める理由から逆算した定着の打ち手は、建設業の離職率を下げる定着施策に載せています。
面接では、閉所日のカレンダーを見せる
面接で「週休2日に向けて動いています」と言うだけでは伝わりません。
直近3か月の現場の閉所カレンダーを見せます。先月の閉所日数、雨で止まった日の扱い、交替制の組み方まで、紙1枚で出します。

そのうえで、直した求人をどこに出すかは別の作業になります。
年間休日105日の会社と124日の会社が同じ媒体に並べば、条件だけで比べられます。条件で負けている間は、出し方のほうで差をつけます。
求人媒体で応募の数を集め、人材紹介で有資格者を押さえ、スカウトで転職活動をしていない人に当てます。
人材紹介は、建設業の有資格者を確実に採れる主力の手段です。
手数料は、全業界平均で想定年収(採用した人の1年目の見込み年収)の30〜35%、建設業の施工管理は主流45%です。
1級施工管理技士を持つ所長クラスや、急いで埋めたい希少な人材では60〜70%まで上振れるケースもあります。建設業の施工管理の水準は、弊社が商談で見ている数字で、公的統計ではありません。
高いから避ける話ではなく、使い方しだいで結果が変わります。求める人物像の伝え方、問い合わせへの返信の速さ、見送った理由の伝え方、複数社の優先順位の付け方で差が出ます。
この手間を抱えながら、工程の組み替えと単価の見直しも同時に進めるのは重い作業です。だれが何をやるかを分けます。
- 社内と採用代行で一緒に: 求める人物像と採用要件を決める。現場を知っているのは社内なので、丸投げにはできません
- 社内: 面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し
- 採用代行: 運用全般。求人票の作成と改訂、求人媒体の運用、スカウトの送信、応募者への対応、日程調整、紹介会社のとりまとめ
採用代行は、人材紹介や求人広告の代わりではありません。紹介会社のとりまとめを含めて、採用全体に並走する立ち位置です。
弊社の採用代行は月額20万円(税別)〜です。比べるときは「月額20万円〜+媒体費」で見てください。採用代行を入れても、求人媒体の掲載料は別にかかります。
料金体系は月額固定をお薦めします。成果報酬型は、決まらなければ業者の売上にならない契約です。建設業の難しい募集は優先度が下がり、動いてもらえないことが起きます。
応募件数や採用人数を書面で約束する業者には気をつけてください。採用代行は業務委託契約で、書面にできるのは作業の量だけです。
よくある質問
Q. 週休2日にすると、職人の手取りは減りますか?
日給のままで出勤日数を減らすと減ります。日給20,000円で24日なら480,000円、20日なら400,000円です。
減らさないためには、日給の単価を上げるか月給制に寄せます。その原資は、公共工事なら週休2日の補正、民間工事なら労務費の内訳を出した見積から取ります。
Q. 公共工事の補正は、どれくらい付きますか?
関東地方整備局の令和7年度の工事では、現場を閉じて完全週休2日を達成した場合、労務費1.02、共通仮設費率1.02、現場管理費率1.03の補正です。
月単位の達成なら労務費1.02、共通仮設費率1.01、現場管理費率1.02です。整備局ごとに運用が違うので、発注者の公告で確かめてください。
Q. 雨で現場が止まった日は、休みに数えられますか?
関東地方整備局の週休2日制適用工事では、降雨・降雪などによる予定外の閉所日も現場閉所日数に含まれます。
扱い方は着工前に発注者と決めておきます。
Q. 全社でいっせいに始めたほうがよいですか?
1現場か1部署からで足ります。公表されている事例でも、基幹業務のクラウド化を年に1つずつ進めた会社があります。
閉所した日に出た不具合を拾って、次の現場に移すほうが続きます。
Q. 求人票には「完全週休2日制」と書いたほうがよいですか?
実態が完全週休2日でなければ書きません。4週8休なら「4週8休」と書いて、年間休日の日数を数字で添えます。
入社後に食い違うと早期離職につながります。年間休日の日数を数字で出すほうが、求職者には伝わります。
休日条件を直した求人を、どこにどう出すかお話しします
年間休日を増やしても、出し方が変わらなければ応募の入り方は変わりません。採りたい職種と人数をうかがって、求人媒体・人材紹介・スカウトの重ね方と費用の見立てをお伝えします。月額20万円〜の建設特化採用代行が、紹介会社のとりまとめまで含めて採用全体に並走します。
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