建設事業主向けの助成金に71億円、正社員化1名で最大80万円
令和8年度予算案では、建設事業主等に対する助成金による支援に71億円が計上されました。前年度の69億円から増えています。働き方改革推進支援助成金による支援は101億円で、前年度の92億円から増えました。どちらも【拡充】の扱いです(厚生労働省『建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます(令和8年度予算案の概要)』)。
この101億円は全業種分の予算です。建設業向けに101億円が用意されているわけではありません。
いずれも2025年12月26日に公表された令和8年度予算案の金額です。
助成金の原資は雇用保険料です。保険料を納めている事業主が申請しないままにしておくと、1円も入りません。
有期雇用の社員1名を正社員に切り替えると、中小企業で最大80万円です。未経験の若手1名を試しに雇うなら、3か月で最大24万円になります。
助成金以外の人集めの手は建設業の人材確保|助成金以外で人を集める5つの実践方法にまとめています。
助成金は応募を増やす制度ではありません
助成金は、採用や育成でかかった費用を後から一部戻す制度です。求人を出して応募を集める機能はありません。
応募がほとんど来ていない会社が助成金だけ準備しても、採用人数は変わりません。
使いどころは次のとおりです。
- 採用が決まったあと、試しの雇用や正社員化で支給を受ける
- 技能講習や資格取得にかかった費用の一部を戻してもらう
- 建設キャリアアップシステムを使って技能者の賃金を上げ、その分の支給を受ける
求人票・媒体・紹介会社の運用が回っていることが前提の制度です。
多くの制度は「計画書を出す→実施する→支給を申請する」という流れです。採用や研修を先に済ませてしまうと、後から申請しても受け付けてもらえません。

建設業の採用・育成で使える7つの制度
未経験の若手や女性を試しに雇うときのトライアル雇用助成金
正式な名前はトライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)です。
トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建設業の上乗せ分 | 1人につき1か月あたり最大4万円。1か月単位で最長3か月 |
| 土台になる一般トライアルコース | 月額最大4万円(母子家庭の母等は5万円) |
| 合わせた金額 | 月最大8万円×3か月=最大24万円 |
| 対象になる方 | トライアル雇用の開始時点で35歳未満の方、または女性 |
| 仕事の内容の条件 | トライアル雇用の期間に、主として建設工事現場での現場作業か施工管理に従事すること |
| 会社の条件 | 中小建設事業主。資本金または出資の総額が3億円以下、または常時雇用する労働者が300人以下 |
| 申請先 | ハローワーク |
気をつけたいのは、建設業の上乗せ分だけを単独では受けられないことです。一般トライアルコースか障害者トライアルコースの支給決定を受けることが要件になっています。
その一般トライアルコースの側にも条件があります。職業経験が足りないなどの理由で就職が難しい求職者であること、ハローワークなどの紹介で採用することです。
仕事の内容の条件も見落としやすいところです。設計・測量・経理・営業だけの配属では対象になりません。35歳未満なら誰でも対象、というわけではありません。
契約社員を正社員に切り替えるときのキャリアアップ助成金
正社員化コースです。有期雇用の社員を正社員に転換したときに支給されます。
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給額
| 転換のパターン | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 有期雇用から正社員へ(重点支援対象者) | 80万円(40万円×2期) | 60万円(30万円×2期) |
| 有期雇用から正社員へ(重点支援対象者以外) | 40万円(40万円×1期) | 30万円(30万円×1期) |
| 無期雇用から正社員へ | 40万円 | 20万円 |
80万円は一度に入るお金ではありません。40万円を2回に分けて受け取る形です。2期目まで受け取るには、正社員として計12か月の雇用が要ります。
重点支援対象者は、雇入れから3年以上の有期雇用の社員が中心です。雇入れから3年未満でも、過去5年間に正社員だった期間が通算1年以下の方、過去1年間に正社員でなかった方は含まれます。派遣で受け入れていた方、母子家庭の母なども対象です。
申請できるのは1年度1事業所あたり20名までです。
建設キャリアアップシステムを使って賃金を上げたときの助成金
人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)です。令和7年度(2025年度)に新設されました。
技能者登録には簡略型と詳細型の2種類があります。詳細型は保有資格や社会保険の加入状況まで登録して、能力のレベル判定を受けられる形です。この助成金は詳細型が条件になっています。
登録を済ませるだけでは支給されません。レベルが上がった方の賃金を5%以上上げるところまでが要件です。
建設キャリアアップシステム等活用促進コースの要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1人あたりの支給額 | 16万円 |
| 一事業年度の上限 | 160万円(16万円×10名) |
| 登録の条件 | 雇用するすべての建設技能者の詳細型登録 |
| 賃金の条件 | レベル判定でレベルが上がった技能者の賃金を5%以上増やす |
| 対象 | 中小建設事業主のみ |
若手と女性が働きたくなる職場をつくる事業への助成金
人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)です。
対象になるのは、仕事の魅力を発信する取り組み、現場見学会、研修、資格取得の講習、女性の昇進や仕事の広がり方を示した道筋づくりなどです。
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースの助成内容
| 助成の種類 | 内容 |
|---|---|
| 経費等助成 | 支給対象費用の3/5(中小建設事業主)/9/20(中小建設事業主以外) |
| 研修を受けさせた場合 | 対象労働者1人につき9,500円/日。1日3時間以上受講した日が対象で、最大6日分まで |
| 賃金向上助成 | 支給対象費用の3/20。対象労働者1人につき2,000円/日 |
| 定着助成 | 対象労働者1人につき42万円。一事業年度3人までで126万円が上限 |
| 一事業年度の上限 | 3つを合わせて200万円 |
このコースには団体向けの枠もあります。中小建設事業主団体は2/3、それ以外の団体は1/2。上限は全国団体3,000万円、都道府県団体2,000万円、地域団体1,000万円です。加入している団体がこの枠を使っていないか、一度聞いてみる価値があります。
技能講習や資格取得の費用が戻る技能実習コース
人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)です。足場の組立て等作業主任者、玉掛け、フォークリフト運転といった講習が対象になります。
建設労働者技能実習コースの助成内容(令和8年度)
| 項目 | 雇用保険被保険者数20人以下 | 21人以上 |
|---|---|---|
| 経費助成 | 支給対象費用の3/4 | 35歳未満は7/10、35歳以上は9/20 |
| 経費助成の上限 | 1つの技能実習につき1人10万円 | 1つの技能実習につき1人10万円 |
| 賃金助成 | 日額9,500円 | 日額8,550円 |
| 賃金助成(技能者情報を登録している場合) | 日額10,450円 | 日額9,405円 |
| 賃金助成の上限 | 1つの技能実習につき1人20日分 | 1つの技能実習につき1人20日分 |
| 年間上限 | 500万円 | 500万円 |
区分の基準は「中小企業かどうか」ではありません。企業全体で雇用保険に入っている従業員が20人以下か、21人以上かで分かれます。
経費助成の上限は1つの技能実習につき1人10万円です。20人以下でも21人以上でも同じ額です。
建設キャリアアップシステムに技能者情報を登録している方は、賃金助成が1.1倍になります。この上乗せは令和8年度末まで延長されています。
年間上限の500万円は、経費助成・賃金助成・賃金向上助成・資格等手当助成を合わせた額です。4月1日から3月31日までの一事業年度あたりで見ます。
職業訓練校に通わせたときの認定訓練コース
人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)です。
- 経費助成: 都道府県からの補助金で助成の対象になった経費の額の1/6
- 賃金助成: 建設労働者1人につき、認定訓練を受講した日数×3,800円
- 対象: 中小建設事業主のみ
支給を受けるには、建設に関連する認定職業訓練または指導員訓練を実施し、都道府県から「広域団体認定訓練助成金」または「認定訓練助成事業費補助金」の交付を受けていることが条件です。
賃金助成のほうには別の条件があります。人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の支給決定を受けていることです。
経費助成の1/6は、訓練にかかった費用全体の1/6ではありません。都道府県の補助金で助成の対象になった経費の1/6です。訓練費の総額から1/6を計算すると、見込み額が実際より大きく出ます(厚生労働省『人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)』リーフレット(令和8年度))。
残業を減らす取り組みに使える働き方改革推進支援助成金
この助成金には、建設業向けの専用コースがあります。
働き方改革推進支援助成金のうち建設業で使いやすい2コース(令和8年度)
| コース | 成果目標 | 上限額 |
|---|---|---|
| 業種別課題対応コース(建設業向け) | 36協定の時間外・休日労働時間数の削減(成果目標①) | 月80時間以下は200万円。月80時間超は250万円・150万円 |
| 業種別課題対応コース(建設業向け) | 4週における所定休日を1日以上増やす(成果目標⑥) | 25万〜100万円 |
| 労働時間短縮・年休促進支援コース | 月60時間を超える36協定の時間外・休日労働時間数の削減(成果目標①) | 月80時間以下は100万円。月80時間超は150万円・50万円 |
厚生労働省『令和8年度 働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)建設業向け』および同(労働時間短縮・年休促進支援コース)より作成
表にある36協定は、残業をさせるために会社と従業員の代表で結ぶ協定のことです。
上限額は、成果目標の内容と削減後の時間数の区分で変わります。自社がどの区分に当たるかは、コースごとのリーフレットで確かめてください。
補助率はどちらのコースも対象経費の合計額の3/4です。常時使用する労働者が30人以下で、機器や設備の導入にかかる所要額が30万円を超える場合は4/5になります。
対象になる取り組みは、就業規則や労使協定の整備、労務管理用のソフトウェアや機器の導入・更新、外部の専門家によるコンサルティングなどです。
支給を受けるには成果目標の達成が要ります。ソフトを導入したら自動で戻ってくる制度ではありません。
なお、建設業に2024年4月から適用された残業の上限(月45時間・年360時間)は、労働基準法36条が定める原則の上限です。この助成金の支給要件ではありません。助成金の成果目標は月60時間・月80時間が基準になっています。労働時間の規制そのものの背景は建設業の2024年問題で扱っています。

従業員20人の会社で年間いくらになるか
従業員20人の建設会社をモデルにした年間受給額の試算
| 制度 | 活用の内容 | 年間受給額 |
|---|---|---|
| トライアル雇用 | 未経験の若手2名を試しに雇う | 48万円(24万円×2名) |
| キャリアアップ(正社員化) | 有期雇用の1名を正社員化(重点支援対象者) | 80万円 |
| 建設キャリアアップシステム活用促進 | 技能者5名がレベル昇格し、賃金を5%以上アップ | 80万円(16万円×5名) |
| 技能実習 | 3名に資格取得の講習を受けさせる | 約40万円 |
| 働き方改革推進 | 勤怠管理システムを導入 | 約60万円 |
各制度のリーフレットに載っている上限額と助成率から計算したモデル試算です。実際の支給額は取り組みの内容と成果目標の達成状況で変わります
合計すると年間約308万円です。ただし1行ごとに前提が付きます。
- トライアル雇用の48万円は、一般トライアルコースの支給決定を受けていることが前提です
- 正社員化の80万円は40万円×2期の分割で、受け取り切るまでに約12か月かかります
- 建設キャリアアップシステムの80万円は、雇用するすべての技能者の詳細型登録が終わっていることが前提です
- 技能実習の約40万円は、経費助成が1人10万円上限で3名分30万円、賃金助成が2〜3日の講習で3名分8万〜9万円という計算です
- 働き方改革推進の約60万円は、残業時間の削減など成果目標を達成した場合の金額です
5つすべてを使い切る会社は多くありません。それでも、表のうち3つを組み合わせるだけで年間100万円を超えます。
助成金は媒体費や紹介手数料そのものには使えませんが、試用期間の人件費や研修費が戻る分、採用1名あたりの負担は軽くなります。
助成金と採用、両輪で動かしませんか?
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無料で相談する申請の前提になる3つの条件
事業所ごとに雇用管理責任者を選任する
建設業の助成金に特有の要件です。雇用管理責任者とは、雇用契約や労働条件の管理を担当する責任者のことです。
事業所ごとに選任し、決められた書類を整えます。社長や総務部長が兼任している会社が多くあります。
雇用保険に加入していること
雇用保険に加入していない事業主は申請できません。1人でも雇っている会社なら原則として加入の対象になるので、未加入なら先に手続きを済ませます。
計画書を先に出す
多くの制度は、取り組みを始める前に計画書を出す仕組みです。トライアル雇用なら雇い入れる前、技能実習なら研修が始まる前に提出します。
正社員化を済ませてから申請することも、研修を終えてから申請することもできません。
不支給になるのはこういうときです
申請の期限を過ぎた
支給申請には期限があります。期限は制度ごとに違うので、取り組みを始める前に申請の締切も一緒に確かめておくと取りこぼしません。期限を過ぎてからの申請は受け付けてもらえません。
賃金台帳や出勤簿が揃っていない
審査では賃金台帳・出勤簿・タイムカード・雇用契約書などの提出を求められます。書類の不備は不支給の最も多い原因です。日ごろから労務の書類が揃っていない会社は、申請の前に社会保険労務士に一度見てもらうと安心です。
建設キャリアアップシステムは助成金の外でも効いてきます
建設キャリアアップシステムは、技能者の資格や就業履歴を業界共通で登録・蓄積する仕組みです。
2026年7月末時点で、技能者の登録数は189万人になりました。労働力調査(令和7年)の建設業技能者296万人に対して約6割です。事業者の登録数は31.5万社、これまでに積み上がった就業履歴は2億8,300万を突破しています(国土交通省『建設キャリアアップシステムの利用状況(2026年7月末)』)。
助成金を取りに行くかどうかとは別に、登録が効いてくる場面が2つあります。
1つは経営事項審査です。公共工事の入札に参加するときに受ける、会社の規模や経営状況の審査のことです。審査基準日が令和5年8月14日以降の申請から、その他の審査項目(W点)に「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」が加わりました。
建設キャリアアップシステムの能力評価は、経験と資格に応じてレベル1〜4に分かれます。技術者・技能者の評価では、レベル4が登録基幹技能者と同等、レベル3が評点2点として扱われます(国土交通省『経営事項審査の主な改正事項』)。
ここは誤解しやすいところです。登録しただけで自動的に点が付くわけではありません。就業履歴を蓄積する措置を実施していることが要ります。
もう1つは建退共です。建設現場で働く方の退職金を業界共通で積み立てる制度で、令和3年度から電子申請が本格実施されました。令和5年度からは民間工事も含めて建設キャリアアップシステムの活用に完全移行し、蓄積された就業実績を掛金の充当に使うことが原則になっています(建設キャリアアップシステム『建退共電子申請とCCUSのデータ連携』(一般財団法人建設業振興基金))。
技能者の登録料は、インターネット申請なら簡略型2,500円、詳細型4,900円です(建設キャリアアップシステム『ご利用料金』(一般財団法人建設業振興基金))。レベル判定には別途手数料がかかります。金額は運営元の一般財団法人建設業振興基金にご確認ください。
登録料の負担を軽くする仕組みもあります。建設事業主団体が中小の構成員などに代わって事業者登録料・技能者登録料・レベル判定手数料を負担した場合、その団体に対して支給対象費用の2/3(中小建設事業主団体の場合)が支給されます。会社が直接受け取れるものではありませんが、加入している団体がこの支援を使っていることがあります。

採用代行と助成金は役割が違います
採用のやり方も媒体も移り変わりが速く、社内の人だけで追い続けると負担が重くなります。
まず建設特化の採用代行と組むのを基本線に置きます。そのうえで、社内にどこまで人を割くかを決めます。この順番にすると社内が動きやすくなります。
役割の分け方はこうなります。求める人物像と採用要件の整理は、現場を知る社内の知見が要るので一緒にやります。面接と最終判断、内定承諾の最後のひと押しは社内です。求人票・媒体・スカウト・応募者対応・日程調整といった運用は採用代行が受けます。
助成金は、その採用や育成が動いたあとに費用を取り戻す側にあります。
採用代行が動かすところと、助成金で戻る分
| 場面 | 採用代行が動かすところ | 助成金で戻る分 |
|---|---|---|
| 未経験の若手を採る | 求人票の作り直し・媒体の運用・応募者対応 | トライアル雇用助成金で1名最大24万円 |
| 有期雇用の社員を正社員にする | 処遇の見直しと募集条件の作り直し | キャリアアップ助成金で1名最大80万円 |
| 技能者の賃金を上げる | 建設キャリアアップシステムの登録と運用の段取り | 活用促進コースで1名16万円・年間上限160万円 |
| 資格取得を社員研修にする | 育成の計画に沿った募集と定着の設計 | 技能実習コースで経費の3/4(雇用保険被保険者数20人以下の場合)+賃金助成 |
厚生労働省『建設事業主を対象とした助成金のご案内(令和8年度)』と採用支援の実務をもとに作成
採用代行は人材紹介や求人広告の代わりではありません。紹介会社も媒体も含めて、採用全体に伴走する立ち位置です。
人材紹介は、建設業の有資格者に確実に会える主力の手段です。使うこと自体は正しくて、上手に使いこなせるかどうかで効き方が変わります。手数料は全業界の平均で年収の30〜35%、建設業の施工管理では主流45%です。1級を持つ所長クラスや急ぎの募集では60〜70%まで上振れることもあります。
次の4つを詰めると、推薦の質と量が変わります。
- 求める要件を具体的に伝える
- 推薦が来たら早く返す
- 見送った理由を言葉にして返す
- 複数社に優先順位をつける
弊社の建設特化採用代行は月額20万円(税別)〜です。これとは別に媒体費がかかります。紹介手数料への上乗せではなく、紹介も含めた採用全体を組み直すための費用と見てください。丸投げで決まらない、入社してすぐ辞めるといった無駄が減る分、1名あたりの実質コストは下がります。
採用人数を書面で約束する業者には気をつけてください。採用代行は業務委託契約で、採用の成果を担保する契約ではありません。書面にできるのは、スカウトの送信通数や求人票の改訂本数、応募者への返信にかかる時間といった業務の量です。仕組みは採用代行(RPO)とは?にまとめています。
よくある質問
Q. 助成金は誰でも申請できますか?
雇用保険の適用事業所であることが基本の条件です。建設業ではこれに加えて、事業所ごとの雇用管理責任者の選任などの要件があります。申請の前にハローワークか社会保険労務士に確認するのが安全です。
Q. 申請は自社でできますか?
自社で申請している会社もあります。ただ書類を揃える手間と要件の確認を考えると、社会保険労務士に頼む会社が多いです。
手数料については、公的に決まった報酬の基準はありません。全国社会保険労務士会連合会の報酬基準は2003年に削除され、いまは事務所ごとに自由に設定されています。目安として助成金額の1〜2割とする事務所が多い、という程度に見てください。金額は見積もりを取って比べるのが確実です。
Q. 建設キャリアアップシステムの登録は必須ですか?
活用促進コースの助成金を取りに行くなら、雇用するすべての建設技能者の詳細型登録が条件です。助成金と切り離しても、経営事項審査の評価や建退共の掛金充当で使う仕組みなので、先に進めておく価値があります。
Q. 助成金を使えば応募は増えますか?
助成金だけでは応募は増えません。応募の入口は求人票と媒体、紹介会社の運用で太くします。助成金は、採用や育成が終わったあとにかかった費用の一部を戻す制度です。
Q. 制度は毎年変わりますか?
毎年度、要件や支給額が動きます。新設と廃止もあります。
建設キャリアアップシステムの助成金も入れ替わりました。令和4年度から令和6年度まであった「等普及促進コース」が終わり、令和7年度から「等活用促進コース」に切り替わっています。
厚生労働省の説明では、技能者登録数が全国の建設技能者の半数を超えて普及が一定程度進んだため、次の段階として中小建設事業主を対象に、システムを活用した雇用管理改善の取り組みを支援する、としています(厚生労働省『人材確保等支援助成金 建設キャリアアップシステムに係る助成金の見直し概要』)。
最新の内容は厚生労働省『建設事業主を対象とした助成金のご案内(令和8年度)』で確認できます。
まとめ|助成金は採用の後ろ側で費用を取り戻す制度
- 令和8年度予算案では、建設事業主等に対する助成金による支援に71億円。働き方改革推進支援助成金による支援は101億円ですが、これは全業種分の予算です
- トライアル雇用は建設業の上乗せを合わせて月最大8万円、3か月で最大24万円。ただし一般トライアルコースの支給決定が前提で、現場作業か施工管理に従事することが条件です
- 有期雇用から正社員への転換は、重点支援対象者で中小企業80万円。40万円×2期の分割で、受け取り切るまで約12か月かかります
- 建設キャリアアップシステム活用促進コースは技能者1人16万円、一事業年度上限160万円。全技能者の詳細型登録と、レベルが上がった方の賃金5%以上アップが条件です
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースは、経費の3/5(中小建設事業主)と定着助成1人42万円で、一事業年度の上限が200万円です
- 技能実習コースは、雇用保険被保険者数20人以下なら経費の3/4、賃金助成は日額9,500円、技能者情報を登録していれば10,450円。年間上限は500万円です
- 働き方改革推進支援助成金には建設業向けの専用コースがあります。支給には成果目標の達成が要ります
- 申請は計画書を先に出す順番です。賃金台帳と出勤簿を揃えておくことが不支給を防ぐ最短の手です
助成金には応募を増やす機能がありません。求人票・媒体・紹介会社の運用と組み合わせて、採用が動いたあとの費用を取り戻す使い方になります。
年度が替わる前に、使える制度を年間計画に書き込んでおくと、取りこぼしが減ります。
助成金を織り込んだ採用計画を、一緒に作りませんか?
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