施工管理クラスは1名200〜360万円、手法次第で10倍以上の差

建設業の採用費用で押さえておきたいのは、平均値の数字より「自社が採りたい職種・経験」で実際にいくらかかるかです。

施工管理など有資格者を人材紹介経由で採用すると、1名で200〜360万円。年収800万円の施工管理を3名採用すれば、紹介手数料だけで約1,080万円に達します(年収×手数料45%)。一方、ハローワークやIndeed無料掲載なら掲載費はかかりません。同じ採用1名でも10倍以上の差が出ます。

業界全体の平均値で見ると、中途採用1名あたり約97.8万円、求人広告メインの中途で約134.6万円、新卒で約69.4万円とされています。ただしこれは事務系や未経験を含む全職種の平均で、施工管理・電気工事士・現場監督といった資格職の実態は、平均値より大きく上振れます。

有効求人倍率は建設業全体で5.18倍、施工管理は5.76倍、躯体工事は8.01倍(厚生労働省『一般職業紹介状況』2025年10月分)。「求人をどこに出すか」だけで採用コストが大きく変わる市場です。

この記事では、建設業の主要6手法の最新の費用相場、施工管理1名を採用するときの手法別総コスト試算、そして採用単価を下げる5つの打ち手を、採用視点でまとめます。

媒体カテゴリの組み合わせは建設業の採用媒体完全比較ガイド、求人票の作り方は建設業の求人票の書き方、採用代行の費用相場は採用代行の費用相場ガイドもあわせて参考になります。


主要6手法の費用相場

建設業 主要6手法の費用相場(2026年版)

手法料金タイプ費用感1名採用あたりコスト目安
求人広告(掲載課金)掲載課金型4週間20〜180万円30〜80万円
求人広告(Indeed等のCPC)クリック課金型月3万〜数十万円10〜40万円
人材紹介成功報酬年収の40〜50%(施工管理は45%が主流)施工管理クラス200〜360万円
ダイレクトリクルーティング月額固定+成果報酬月10〜30万円+採用時報酬40〜100万円
ハローワーク完全無料0円0〜10万円(工数換算)
リファラル(社員紹介)報奨金1名5〜20万円5〜20万円
採用代行(RPO)月額固定月10〜70万円年間費用÷採用人数

各社公開情報・業界相場をもとに作成

ポイントを並べると次の通りです。

  • 掲載課金型は「掲載期間中に何人採れても費用は同じ」。応募数が多ければ単価が下がる
  • 人材紹介は「採れたときだけ払う」が、建設業の施工管理クラスでは年収の45%が主流。年収800万円なら1名で約360万円。1級保持の所長クラスや急募の希少人材では60〜70%まで上振れるケースもあり
  • ハローワークは無料だが、建設業では応募獲得自体が難しいケースが多い
  • 採用代行は単独手法ではなく、複数手法をまとめて運用する位置にある

施工管理採用に特化した詳しい使い分けは施工管理の採用が難しい5つの理由、現場監督採用は現場監督が採れない原因と確保する5つの方法にまとめています。


施工管理1名採用の手法別 総コスト試算

費用相場だけ並べても、1人採るためにいくらかかるかが見えにくいので、ケース別の試算を出します。

設定: 年収500万円の施工管理候補(経験5年・2級保持)を1名採用する場合

年収500万円の施工管理候補1名採用 手法別総コスト試算

手法総コスト内訳
人材紹介(手数料45%)225万円成功報酬225万円のみ
掲載型求人広告メイン50〜100万円掲載費40〜80万円+運用工数
Indeed・求人ボックス(CPC)20〜40万円クリック課金20〜40万円
ダイレクトリクルーティング50〜80万円月額×期間+成功報酬
リファラル10〜20万円紹介報奨金のみ
ハローワーク0〜10万円工数換算のみ
採用代行(月額20万円・3か月)60万円60万円で求人広告・紹介・DRを横串で運用

採用支援の実務ベースで試算

施工管理は年収レンジが上がるほど紹介手数料が跳ねます。年収800万円・1級保持なら1名で約360万円(800万×45%)です。

数字だけ並べると、ハローワークとリファラルが最安に見えます。ただし「応募が来るかどうか」「採用までの期間」「定着するかどうか」という別の物差しもあります。

安い手法ほどリスクが高い

  • ハローワーク: 無料だが、建設躯体工事の有効求人倍率が8.01倍の市場では応募がほぼ来ないケースが多い
  • リファラル: 安いが採用人数が社員数に依存し、年間2〜3名以上は安定供給できない
  • 掲載型求人広告: 掲載期間中に応募ゼロでも費用は戻らない
  • 人材紹介: 単価は高いが、採用が決まらなければ費用ゼロで動かせる

「いちばん安い手法」を選ぶのではなく、安い手法と確度の高い手法を組み合わせるのが採用設計の起点になります。


求人媒体別の費用例

費用相場を媒体名でも具体的に見ておきます。

主要求人媒体の費用例

媒体料金タイプ費用感
Indeed PLUSクリック課金型月3万円〜数十万円。CPC 50〜300円
求人ボックスクリック課金型CPC 25〜1,000円。Indeedと併用が一般的
engage(エンゲージ)完全無料求人作成・応募管理が無料。自社採用ページ代替に
マイナビ転職掲載課金型4週間20万円〜。若手層に強い
doda掲載課金型4週間25万円〜。即戦力層に強い
助太刀(建設特化)掲載課金型3か月38万円〜。技能職に特化
GATEN職掲載課金型月23,100円〜。技能職特化・低価格
ハローワーク無料0円。地場の求職者層に届く

各社公開情報をもとに作成(2026年4月時点)

中小建設会社が初めて求人を出すなら、「Indeed有料+engage無料+助太刀(or GATEN職)」の組み合わせから始めるケースが多いです。月額数万円〜10万円のレンジで、複数チャネルから母集団を作れます。

媒体ごとの詳しい比較は建設業の採用サイトおすすめ12選に職種別の選び方を載せています。

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ハローワーク・リファラルが「無料」でも限界がある理由

無料・低コスト手法は確かに採用単価を下げますが、限界もあります。中小建設会社が誤解しやすい部分を整理します。

ハローワークの限界

  • 建設業の有効求人倍率5.18倍の市場では、ハローワーク経由の応募が物理的に少ない
  • 求職者層は地場のシニアが中心。施工管理の若手層には届きにくい
  • 求人票の文字数や表現が制約され、自社の魅力を伝えきれない

ハローワークは「サブチャネル」として併用するのが現実的で、ここだけに頼る採用計画はうまく動きません。

リファラルの限界

  • 紹介できる人脈が社員数に比例する。15名規模の会社で年5名のリファラル採用は構造的に厳しい
  • 紹介する社員側にも負担がかかり、無理に紹介すると人間関係のリスクが出る
  • 既存社員と似たタイプばかりが集まり、組織の多様性が失われやすい

リファラルは年1〜2名のスポット採用に向いていて、採用人数を増やしたい場面では他チャネルとの組み合わせが必要になります。

採用媒体6カテゴリの全体像は建設業の採用媒体完全比較ガイドにまとめています。


採用単価を下げる5つの方法

採用コストを下げるには、手法の選び方より「運用の質」のほうが効くケースが多いです。

方法1|求人票の中身を直す

応募が来ない原因の多くは、媒体ではなく求人票の中身です。給与の年収例化・1日の流れ・休日と残業の数字・キャリアパスを明示するだけで、応募率が一段上がります。同じ媒体でも、求人票を直すだけで採用単価が3〜5割下がるケースがあります。

求人票の作り方は建設業の求人票の書き方に7つのコツとBefore/After例文を載せています。

方法2|効きの悪い媒体を整理する

複数媒体に出していると、効きの悪い媒体に費用が固定化されがちです。媒体別の応募数・面接設定数・採用数を月次で見て、効きの悪いものは整理します。媒体を減らして1社あたりに広告費を集中させるほうが、応募単価は下がる場面が多いです。

方法3|紹介会社の使い方を見直す

紹介会社を契約しているのに紹介が来ない場合、社内側の運用が紹介担当の手を止めているケースがほとんどです。要件シート・返信スピード・合否フィードバックを整えるだけで、同じ紹介会社からの推薦数が動きます。

紹介会社の運用と採用代行の関係は採用代行と人材紹介の違いに詳しくまとめています。

方法4|未経験育成の道を残す

経験者だけを追いかけると、市場の薄さに必ずぶつかります。年1〜2名は未経験・第二新卒の枠を残し、自社で育てる仕組みを並走させると、中長期で採用コストが下がります。新卒採用単価は中途より約3割安く、定着率も高い傾向があります。

新卒採用の打ち手は建設業の新卒採用を成功させる5つの戦略にも載せています。

方法5|採用代行で複数手法を束ねる

求人広告・人材紹介・DR・リファラルを社内で並列運用するのは、採用専任者がいない中小ではかなり厳しい工数です。採用代行(RPO)は月額10万〜30万円の建設特化型から始められ、求人広告の運用・紹介会社のコントロール・スカウトの実行までをまとめて任せられます。

採用代行を上位レイヤーに置くと、媒体費の最適化と紹介会社の使い分けで「採用1名あたりの実費」が下がります。仕組みは採用代行(RPO)とは?、費用は採用代行の費用相場ガイドにまとめています。


中小建設会社が採用コストを下げた3社の事例

会社名は伏せて、都道府県・業種・規模ベースでまとめます。

福島県の総合建設業A社(従業員50名規模)

施工管理候補で求人広告と紹介会社の応募が途切れていた状態。採用代行(月額20万円)に切り替え、求人広告の運用改善・紹介会社2社のコントロール・応募者一次対応を一括化したところ、応募数が約2.4倍、年間で13名の採用に到達。媒体費ベースの1名あたり採用単価は従来比で改善しました。

新潟県の総合建設業B社(従業員90名規模)

媒体費と紹介料の合計が年間1,500万円を超えていました。求人広告の運用改善とスカウト設計を巻き取り、紹介会社は急ぎの即戦力枠に絞って使う方針に変更。媒体費ベースの1名あたり採用単価は従来比30%減まで改善しました。

長野県の工務店C社(従業員15名規模)

小規模で「採用にコストをかけられない」と感じていた会社です。月額10万円の最小構成の採用代行で求人票・Indeed運用・応募者一次対応を外注。半年で現場1名・事務1名の採用に成功し、紹介会社経由の高額採用に頼らずに済むようになりました。

事例の詳細は建設業の採用成功事例5選にまとめています。


よくある質問

Q. 建設業の中途採用1名あたりの平均コストはいくらですか?

業界全体の平均値は約97.8万円ですが、これは事務系・未経験を含む全職種の数字です。施工管理など有資格者を人材紹介経由で採用すると、1名で200〜360万円かかるのが現実です(年収500〜800万円×手数料45%)。新卒は約69.4万円が平均です。

Q. 一番安い求人方法は何ですか?

ハローワーク・リファラル・engage(無料採用ページ)が無料です。ただし無料手法は応募数や採用人数に上限があります。1〜2名のスポット採用には向きますが、年3名以上の継続採用では有料媒体や紹介会社との組み合わせが必要です。

Q. 求人広告と人材紹介、どちらを先に使うべき?

採用人数と急ぎ度で決まります。年1〜2名で急ぎなら人材紹介、年3名以上の継続採用なら求人広告で母集団を作りつつ紹介はピンポイントで使うのが、採用総コストを抑えやすい設計です。

Q. 採用代行は本当にコストが下がりますか?

媒体費の最適化と紹介会社の使い分けが効くと、採用1名あたりの実費は下がる場面が多いです。月額10万〜30万円の建設特化採用代行で、求人広告と紹介会社を横串で運用し、年間の採用総コストを30%前後抑えた事例もあります。

Q. 求人広告を出しても応募が来ない場合は?

媒体ではなく求人票の中身を疑うのが先です。給与の年収例化・休日や残業の数字・1日の流れの記載があるかをチェックします。直し方は建設業の求人票の書き方にBefore/After例文付きで載せています。


まとめ|採用単価は「手法選び」より「運用の質」で下がる

  • 業界全体の平均は中途97.8万円・新卒69.4万円。ただしこれは全職種を含む数字
  • 施工管理など有資格者を人材紹介で採用すると1名で200〜360万円(年収500〜800万円×手数料45%)が実態
  • 主要6手法(求人広告・人材紹介・DR・ハロワ・リファラル・採用代行)は単独ではなく組み合わせで使う
  • 安い手法ほど採用人数の上限・確度の問題が出やすい。「最安」を狙うより「適切な組み合わせ」を狙う
  • 採用単価を下げる5つの方法: 求人票の中身を直す/効きの悪い媒体を整理/紹介会社の使い方見直し/未経験育成の道を残す/採用代行で複数手法を束ねる
  • 採用代行は単独手法ではなく上位レイヤー。月額10万〜30万円の建設特化型から始められる

採用コストは、媒体や紹介会社との契約条件だけで決まるわけではありません。求人票の中身・運用の精度・他チャネルとの組み合わせで、同じ予算でも採用人数が大きく変わります。

次の一歩として、媒体カテゴリの使い分けは建設業の採用媒体完全比較ガイド、求人票の作り直しは建設業の求人票の書き方、中途採用全体の打ち手は建設業の中途採用を成功させる5つの戦略、採用代行の仕組みは採用代行(RPO)とは?、費用感は採用代行の費用相場ガイドをあわせてご覧ください。

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