建設業の採用費用は、同じ1名でも手法しだいで10倍以上変わります

建設会社から採用費用のご相談をいただくとき、最初にお伝えするのは「いちばん安い方法を探すより、採りたい人材を確実に採れる方法を選びましょう」ということです。

施工管理など有資格者を人材紹介で採ると、1名で200〜360万円。一方、ハローワークやIndeedの無料掲載なら掲載費はゼロです。同じ「1名採用」でも、手法しだいで10倍以上の差が出ます。

ただ、ここで「安いほうがいい」と即断すると、建設業の採用はたいてい行き詰まります。無料の手法では、施工管理のような有資格者がそもそも応募してこないからです。大事なのは、安さそのものではなく「採りたい人材を、ムダなく確実に採れるか」です。

業界全体の平均で見ると、中途採用1名あたり約97.8万円、求人広告メインの中途で約134.6万円、新卒で約69.4万円とされています。ただ、これは事務系や未経験を含む全職種の平均です。施工管理・電気工事士・現場監督といった資格職の実態は、平均より大きく上振れます。

建設業の有効求人倍率は全体で5.18倍、施工管理は5.76倍、躯体工事は8.01倍です(厚生労働省『一般職業紹介状況』2025年10月分)。良い人材ほど取り合いになる市場で、「どこにいくら使えば確実に採れるか」を組み立てるのが、建設業の採用費用の考え方です。

この記事では、建設業で使う主要6手法の費用相場、施工管理1名を採るときの手法別の総額、そして採用の費用対効果を高める5つの打ち手を、採用の現場目線でまとめました。

媒体カテゴリの組み合わせは建設業の採用媒体完全比較ガイド、求人票の作り方は建設業の求人票の書き方、採用代行の費用相場は採用代行の費用相場ガイドもあわせてご覧ください。


主要6手法の費用相場

建設業 主要6手法の費用相場(2026年版)

手法料金タイプ費用感1名採用あたりコスト目安
求人広告(掲載課金)掲載課金型4週間20〜180万円30〜80万円
求人広告(Indeed等のCPC)クリック課金型月3万〜数十万円10〜40万円
人材紹介成功報酬年収の40〜50%(施工管理は45%が主流)施工管理クラス200〜360万円
ダイレクトリクルーティング月額固定+成果報酬月10〜30万円+採用時報酬40〜100万円
ハローワーク完全無料0円0〜10万円(工数換算)
リファラル(社員紹介)報奨金1名5〜20万円5〜20万円
採用代行(RPO)月額固定月15〜70万円年間費用÷採用人数

各社公開情報・業界相場をもとに作成

表を眺めると、手法ごとにクセがはっきり出ます。

  • 掲載課金型は「掲載期間中に何人採れても費用は同じ」。応募数が多いほど、1名あたりの単価は下がる
  • 人材紹介は「採れたときだけ払う」仕組みで、建設業の有資格者を確実に採れる主力です。施工管理クラスは年収の45%が主流(年収800万円なら約360万円)。1級保持の所長クラスや急募では60〜70%まで上振れることもありますが、紹介会社の使い方しだいで、効き方は大きく変わる
  • ハローワークは無料ですが、建設業では応募の獲得そのものが難しいケースが多い
  • 採用代行は単独の手法ではなく、複数の手法をまとめて動かす立ち位置にある

施工管理に特化した使い分けは施工管理の採用が難しい5つの理由、現場監督採用は現場監督が採れない原因と確保する5つの方法にまとめています。


施工管理1名採用の手法別 総コスト試算

相場の一覧だけでは、1人を採るのに結局いくらかかるのかが見えません。具体的なケースで試算します。

設定: 年収500万円の施工管理候補(経験5年・2級保持)を1名採用する場合

年収500万円の施工管理候補1名採用 手法別総コスト試算

手法総コスト内訳
人材紹介(手数料45%)225万円成功報酬225万円のみ
掲載型求人広告メイン50〜100万円掲載費40〜80万円+運用工数
Indeed・求人ボックス(CPC)20〜40万円クリック課金20〜40万円
ダイレクトリクルーティング50〜80万円月額×期間+成功報酬
リファラル10〜20万円紹介報奨金のみ
ハローワーク0〜10万円工数換算のみ
採用代行(月額20万円・3か月)60万円60万円で求人広告・紹介・DRを横串で運用

採用支援の実務ベースで試算

施工管理は年収が上がるほど、紹介手数料も上がります。

数字だけ見ると、ハローワークとリファラルが最安に映ります。ただし「そもそも応募が来るか」「採りたい人材か」「定着するか」という別の物差しもあります。

安い手法ほどリスクが高い

  • ハローワーク: 無料ですが、躯体工事の有効求人倍率が8.01倍の市場では、応募がほとんど来ないケースが多い
  • リファラル: 安いものの、採用人数が社員数に左右され、年2〜3名以上は安定して供給できない
  • 掲載型求人広告: 掲載期間中に応募ゼロでも、費用は戻らない
  • 人材紹介: 単価は高めですが、建設業の有資格者を確実に採れる手法。決まらなければ費用ゼロで動かせる

「いちばん安い手法」を選ぶより、採りたい人材を確実に採れる手法を軸に、安い手法で母集団を補う。


求人媒体別の費用例

ここまではカテゴリ別でした。実際の媒体名でも、料金感を見ておきます。

主要求人媒体の費用例

媒体料金タイプ費用感
Indeed PLUSクリック課金型月3万円〜数十万円。CPC 50〜300円
求人ボックスクリック課金型CPC 25〜1,000円。Indeedと併用が一般的
engage(エンゲージ)完全無料求人作成・応募管理が無料。自社採用ページ代替に
マイナビ転職掲載課金型4週間20万円〜。若手層に強い
doda掲載課金型4週間25万円〜。即戦力層に強い
助太刀(建設特化)掲載課金型3か月38万円〜。技能職に特化
GATEN職掲載課金型月23,100円〜。技能職特化・低価格
ハローワーク無料0円。地場の求職者層に届く

各社公開情報をもとに作成(2026年4月時点)

中小の建設会社が初めて求人を出すなら、「Indeed有料+engage無料+助太刀(or GATEN職)」の組み合わせから始めるケースが多いです。月額数万円〜10万円で、複数の窓口から母集団を作れます。

タワークレーンと建設中の建物
写真: Pexels

媒体ごとの詳しい比較は建設業の採用サイトおすすめ12選に職種別の選び方を載せています。

自社の採用費用、ムダがないか見直しませんか?

建設業特化の採用コンサルタントが、御社の規模・職種・採りたい人材に合わせた手法の組み合わせを無料でご提案します。月額20万円〜の建設特化採用代行で、人材紹介を活かして良い人材を適正コストで採る組み立てのご相談からどうぞ。

無料で相談する

ハローワーク・リファラルが「無料」でも限界がある理由

無料・低コストの手法は採用単価を確かに下げますが、良い人材を確実に採るという観点では限界もあります。中小の建設会社が誤解しやすいところを、順に見ます。

ハローワークの限界

  • 有効求人倍率5.18倍の市場では、ハローワーク経由の応募が物理的に少ない
  • 求職者層は地場のシニアが中心で、施工管理の若手層には届きにくい
  • 求人票の文字数や表現に制約があり、自社の魅力を伝えきれない

ハローワークは“サブの窓口”として併用するのが現実的で、ここだけに頼る採用計画はうまく回りません。

リファラルの限界

  • 紹介できる人脈が社員数に比例する。15名規模の会社で年5名のリファラル採用は、構造的に厳しい
  • 紹介する社員側にも負担がかかり、無理に紹介すると人間関係のリスクが出る
  • 既存社員と似たタイプばかり集まり、組織の多様性が失われやすい

リファラルは年1〜2名のスポット採用に向いていて、採用人数を増やしたい場面では、他の窓口との組み合わせが必要になります。

採用媒体6カテゴリの全体像は建設業の採用媒体完全比較ガイドにまとめています。


採用の費用対効果を高める5つの方法

採用にかけたお金が活きるかどうかは、手法の選び方より「運用の質」で大きく変わります。安い手法に逃げるのではなく、採りたい人材を確実に採るために、次の5つが効きます。

方法1|求人票の中身を直す

応募が来ない原因の多くは、媒体ではなく求人票の中身です。給与の年収例化・1日の流れ・休日と残業の数字・キャリアパスを書くだけで、応募率が一段上がります。同じ媒体でも、求人票を直すだけで採用単価が3〜5割下がるケースがあります。

求人票の作り方は建設業の求人票の書き方に7つのコツとビフォーアフター例文を載せています。

方法2|効きの悪い媒体を絞る

複数の媒体に出していると、効きの悪い媒体に費用が固定化されがちです。媒体別の応募数・面接設定数・採用数を月ごとに見て、効きの悪いものは止めます。媒体を減らして1社あたりに広告費を集めるほうが、応募単価は下がる場面が多いです。

方法3|紹介会社を上手に使いこなす

建設業の良い人材は、人材紹介経由で採れることが多いです。だからこそ、紹介会社を上手に使いこなせるかどうかが、採用の成果とコストを大きく左右します。

紹介会社と契約しているのに紹介が来ない、ミスマッチが多いという場合、その原因は紹介会社ではなく、社内側の使い方にあることがほとんどです。要件の伝え方・返信スピード・合否の理由づけ・複数社の優先度づけを整えるだけで、同じ手数料でも“決まる紹介”の数と質が変わります。

紹介会社を1社に丸投げせず、複数社に的確な要件を伝え、自社に合う人材を優先的に回してもらう。この紹介会社のとりまとめこそ、人材紹介を最大限に活かす肝です。やり方は採用代行と人材紹介の違いに詳しくまとめています。

建設現場を上空から見たようす
写真: Pexels

方法4|未経験育成の道を残す

経験者だけを追いかけると、市場の薄さに必ずぶつかります。年1〜2名は未経験・第二新卒の枠を残し、自社で育てる仕組みを並走させると、中長期で採用コストが下がります。新卒の採用単価は中途より約3割安く、定着率も高い傾向があります。

新卒採用の打ち手は建設業の新卒採用を成功させる5つの戦略にも載せています。

方法5|採用代行で採用全体を最適化する

求人広告・人材紹介・ダイレクトリクルーティング(DR)・リファラルを社内で並行して回し、紹介会社まで上手に使いこなすのは、採用専任者がいない中小ではかなりの工数です。ここを引き受けるのが採用代行(RPO)です。

採用代行(RPO)は月額20万円〜の建設特化型から始められ、求人票の作成・媒体運用・スカウトの実行に加えて、紹介会社のとりまとめまで、まとめて任せられます。

「紹介料に加えて採用代行費もかかると、二重に高くなるのでは」と思われがちですが、実際は逆です。紹介会社に丸投げしたまま決まらない、ミスマッチで早期離職する——この“払ったのに採れない”ムダこそ、いちばん高くつきます。採用代行が紹介会社を含む採用全体を最適化することで、ムダな媒体費・採り逃し・ミスマッチが減り、1名あたりの実質コストはむしろ下がります。仕組みは採用代行(RPO)とは?、費用は採用代行の費用相場ガイドにまとめています。


中小建設会社が採用を立て直した3社の事例

当社が採用代行としてご支援した3社を、都道府県・業種・規模ベースでご紹介します。

福島県の総合建設業A社(従業員50名規模)

施工管理候補で、求人広告と紹介会社の応募が途切れていた状態でした。採用代行(月額20万円)に切り替え、求人広告の運用改善・紹介会社2社のとりまとめ・応募者の一次対応を一括化。紹介会社にきちんと要件を伝え、複数社に競ってもらう体制に変えたところ、良い人材が安定して紹介されるようになり、応募数は約2.4倍、年間で13名の採用に届きました。1名あたりの実質コストも、従来より下がっています。

新潟県の総合建設業B社(従業員90名規模)

媒体費と紹介料の合計が、年間1,500万円を超えていました。求人広告の運用改善とスカウト設計を引き受け、紹介会社は良い即戦力が出る枠に優先度を上げて使う方針に変更。良い人材を採る力はむしろ上げながら、効きの悪い媒体費を削り、媒体費ベースの1名あたり採用単価は従来比30%減まで改善しました。

長野県の工務店C社(従業員15名規模)

小規模で「採用にコストをかけられない」と感じていた会社です。月額20万円の最小構成の採用代行で、求人票・Indeed運用・応募者の一次対応を任せていただきました。半年で現場1名・事務1名の採用に成功し、紹介会社経由の高額採用に頼らずに済むようになりました。

事例の詳細は建設業の採用成功事例5選にまとめています。


よくある質問

Q. 建設業の中途採用1名あたりの平均コストはいくらですか?

業界全体の平均は約97.8万円ですが、これは事務系・未経験を含む全職種の数字です。施工管理など有資格者を人材紹介で採用すると、1名で200〜360万円かかります(年収500〜800万円×手数料45%)。これは良い人材を確実に採るための相場で、新卒は約69.4万円が平均です。

造成中の現場で稼働するショベルカー
写真: Pexels

Q. 一番安い求人方法は何ですか?

ハローワーク・リファラル・engage(無料採用ページ)が無料です。ただし無料の手法は、応募数や採用人数に上限があり、施工管理のような有資格者はほとんど応募してきません。1〜2名のスポット採用には向きますが、良い人材を確実に採りたいなら、人材紹介を軸に有料媒体を組み合わせるのが現実的です。

Q. 求人広告と人材紹介、どちらを先に使うべきですか?

採用人数と急ぎ度で決まります。良い即戦力を確実に採りたいなら人材紹介、年3名以上の母集団作りなら求人広告。建設業の有資格者は人材紹介が主力になるので、紹介を軸に置きつつ、求人広告で母集団を補う組み立てが、ムダなく採りやすい形です。

Q. 採用代行を使うと、紹介料と二重に高くなりませんか?

逆です。採用代行は「安くする手段」ではなく、紹介会社を含む採用全体を最適化する役です。紹介会社に丸投げして決まらない、ミスマッチで早期離職する——この“払ったのに採れない”ムダを防ぐことで、1名あたりの実質コストはむしろ下がります。月額20万円〜の建設特化採用代行で、年間の採用総コストを30%前後抑えた事例もあります。

Q. 求人広告を出しても応募が来ない場合は?

媒体ではなく、求人票の中身を疑うのが先です。給与の年収例化・休日や残業の数字・1日の流れが書いてあるかを確かめます。直し方は建設業の求人票の書き方にビフォーアフター例文付きで載せています。


まとめ|採用の費用対効果は「手法選び」より「運用の質」で決まる

  • 業界全体の平均は中途97.8万円・新卒69.4万円。ただしこれは全職種を含む数字
  • 施工管理など有資格者を人材紹介で採用すると、1名で200〜360万円。これは良い人材を確実に採るための相場
  • 主要6手法(求人広告・人材紹介・DR・ハロワ・リファラル・採用代行)は、単独ではなく組み合わせで使う。安い手法に逃げず、人材紹介を軸に母集団を補う
  • 安い手法ほど、良い人材が採れない・採用人数に上限という問題が出やすい。「最安」より「確実に採れる組み立て」を狙う
  • 採用の効率を上げる5つの方法: 求人票の中身を直す/効きの悪い媒体を絞る/紹介会社を上手に使いこなす/未経験育成の道を残す/採用代行で採用全体を最適化する
  • 採用代行は紹介料の上乗せではなく、紹介を含む採用全体を最適化する役。ムダ打ち・採り逃し・ミスマッチを防ぎ、1名あたりの実質コストを下げる。月額20万円〜の建設特化型から始められる

採用コストは、最安の手法を探すことではなく、採りたい人材を確実に採れる組み立てで決まります。人材紹介を含む複数の手法を、いかにムダなく組み合わせるか。ここが採用コストの分かれ目です。

次の一歩として、媒体カテゴリの使い分けは建設業の採用媒体完全比較ガイド、求人票の作り直しは建設業の求人票の書き方、中途採用全体の打ち手は建設業の中途採用を成功させる5つの戦略、採用代行の仕組みは採用代行(RPO)とは?、費用感は採用代行の費用相場ガイドをあわせてご覧ください。

良い人材を適正コストで。採用全体の組み立てを相談しませんか?

求人票の作り直しから媒体運用・紹介会社のとりまとめ・採用代行の活用まで、建設業特化チームが御社の規模に合わせてご提案します。月額20万円〜の建設特化採用代行で、人材紹介を活かして良い人材を採る採用全体の組み立てを、無料でご提案します。

サービス内容を見る