採用代行は、問い合わせから運用開始までだいたい2〜4週間です

結論から言うと、問い合わせをしてから募集が動き出すまでは、2週間から4週間が目安です。

流れは5つに分かれます。

  1. 問い合わせとヒアリング
  2. 提案と見積もり
  3. 契約
  4. キックオフ(任せる範囲と要件のすり合わせ)
  5. 運用開始

このうち時間がかかりやすいのは3番目と4番目です。契約書の確認に社内の決裁が入り、キックオフの日程が現場の都合で後ろに動きます。

逆に言えば、渡す資料と決める項目が手前で分かっていれば、2週間で運用に入れます。

令和8年8月の有効求人倍率は、建設・採掘従事者が5.10倍でした。職業計は1.06倍です。新しく出た求人だけを見る新規求人倍率では、建設・採掘従事者は7.63倍になります。

職種別の有効求人倍率(令和8年8月・常用(パート含む)・実数)

出典: 厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年8月分より作成

いずれも常用(パート含む)の実数ベースです(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年8月分)。

同じ月の建設・採掘従事者は、有効求人115,371件に対して就職件数が1,554件。約1.3%です。職業計は有効求人2,028,673件に対して就職67,232件で、約3.3%になります(同資料より算出)。

仕事を探している人、つまり有効求職者は22,633人でした。求人の数に対して、人の数が足りていません。

公的統計ではこの数字です。ただし現場では「求人票は3年前から出しっぱなしで、問い合わせが1件もない年がある」という話のほうをよく聞きます。

求人を出して待つだけでは埋まりません。採用代行を入れる意味は、待っているあいだに手を打つ人を外から足すところにあります。


問い合わせの前に、社内で決めておく3つのこと

採用代行の会社に相談するとき、決まっていると初月の動きが変わる項目が3つあります。

採る人の像、出せる条件、面接できる人と枠です。この3つは外に出せません。会社の中にしか答えがないからです。

タワークレーンが稼働する建設中の高層ビルの外観
写真: Yogendra Singh / Pexels

採る人の像を4つに分けておく

決めるのは4つです。工種が建築か土木か設備か。担当してもらう現場の規模。入社時に要る資格と、入社後に取ればよい資格。受け入れられる年齢の幅です。

建設業の就業者は令和7年で478万人。ピークだった平成9年の685万人から、約3割減りました。年齢で見ると55歳以上が36.6%、29歳以下が11.9%です(国土交通省『参考資料集』(令和8年4月3日))。

「40歳以下で1級の資格を持つ経験者」で探すと、声をかけられる人がほとんど残りません。

資格は2段に分けてください。入社時に要るものと、入社後に会社の費用で取ればよいものです。年齢の上限を5歳広げるだけでも、声をかけられる人の数が変わります。

ここが決まっていないと、求人票の1行目が書けません。

出せる条件を紙に書き出す

次は条件です。給与の下限と上限、日給月給か月給か、資格手当の額、社用車と運転免許の扱い、勤務地が現場ごとに変わること、繁忙期の休みの取り方。

候補者が先に見るのは給与と勤務地です。上限を決めておけば、良い方が来たときにその場で条件を出せます。

条件そのものを見直して採用につなげた会社の例もあります。株式会社長岡塗装店(従業員約30名)は、有給休暇の取得を会社として奨励し、取得率を奨励前と比べて約30%上げました。

1998年から2009年までの11年間のうち、8年間は退職者が0人です。2021年に新卒4名、2022年に新卒2名と中途1名を採用しています(国土交通省・建設業振興基金『中小建設業の多様な人材確保・定着のための柔軟な働き方事例集』)。

採用代行に任せられるのは、条件を伝える部分です。条件そのものは社内で決めます。社外に任せる前に社内で決まっていることが、そのまま結果に出ます。

面接できる人と、面接に使える枠

3つめは面接です。面接をするのは社長か、工務の責任者か。1次と最終を分けるのか。

決めたら、毎週の固定枠を先に押さえてください。「毎週火曜の17時から1時間」のような形です。

在職中の候補者は何社かを同時に受けています。候補日を探すやり取りで1週間が過ぎると、別の会社の選考が先に進みます。

社長が現場に出ていて枠を作れない場合は、1次面接を工務の責任者に任せる形が取れます。社長は最終面接と、内定承諾の最後のひと押しに時間を使ってください。

枠は1週間に1コマでかまいません。面接が入らなかった週は現場に戻れます。空けておくことが決まっているかどうかで、選考の速さが変わります。

採用の仕事を社内と採用代行でどう分けるか

採用の仕事社内でやること採用代行がやること
求める人物像と採用の要件を決める現場で回る条件を出す市場にどれくらい人がいるかを調べて一緒に決める
求人票をつくる・書き直す工期や休みの実際を伝える原稿をつくり、毎月書き直す
求人媒体の選定と掲載予算の上限を決める媒体の選定・掲載・掲載中の調整
スカウトの送信特になし候補者を探して文面を送る
応募者への返信と日程調整特になし24時間以内の返信と候補日の提示
人材紹介会社とのやり取り特になし要件の伝え直しと、合否の理由の返却
面接と最終判断社長か工務の責任者が出る候補日と候補者の資料をそろえる
内定承諾の最後のひと押し現場見学や顔合わせの場を出す条件のすり合わせを支える
月次の数字の確認30分の打ち合わせに出るレポートをつくって提出する

当社の支援経験をもとに作成

要件と最終判断は社内に残ります。残りは外に出せます。この線がはっきりしていれば、キックオフは1回で終わります。


問い合わせから運用開始までの5つのステップ

問い合わせのメールや電話を入れてから、募集が立ち上がるまでの5段階です。

最初の返信までの速さは会社によって違います。ここが遅い会社は、運用に入ってからも遅くなりがちです。

社内で動くのは、だいたい社長と、総務か工務の担当者1名です。採用の専任がいない会社でも進みます。

作業台に広げた図面を指しながら打ち合わせる手元
写真: cottonbro studio / Pexels

ステップ1 問い合わせとヒアリング

1回60分くらいの打ち合わせです。オンラインでも訪問でもできます。

聞かれるのは、採りたい職種と人数、いつまでに欲しいか、いま使っている募集の方法、社内で採用を見ている人は誰か、採用にかけている費用。この5つです。

手ぶらで行っても話は進みます。ただ、次の4つがあると1回で深いところまで入れます。

  • 直近1年の応募数と採用数
  • 使っている求人媒体と、その費用
  • ハローワークに出している求人票の写し
  • 付き合いのある人材紹介会社の名前

求人票の写しがあると話が早いです。給与の書き方、休日の書き方、仕事内容の細かさ。この3つを見れば、応募が来ない理由の半分は見当がつきます。

この段階で費用の話が出てくるのは普通です。一方で、ヒアリングもしないうちに見積もりだけ送ってくる会社は、自社に合わせて考えていない可能性があります。

こちらから聞いておきたいのは、建設業の求人を扱った経験です。工種の違い、1級と2級の差、現場ごとに勤務地が変わること。この3つが通じる相手かどうかは、1回話せば分かります。

この打ち合わせは1回で終わらないこともあります。社長と担当者の都合が合わないときは、2回に分けてもらってかまいません。

ステップ2 提案と見積もり

ヒアリングのあと、数日から1週間で提案が出てきます。中身は、任せる仕事の範囲、月額、期間、担当する人の体制です。

ここで決めるのは委託する範囲です。求人票だけを頼む形。スカウトの送信まで入れる形。応募者への返信と面接の日程調整まで入れる形。紹介会社とのやり取りまで入れる形。どこまで任せるかで金額が変わります。

見積もりを見るときに外せないのが、月額以外にかかるお金です。採用代行の月額を払っても、求人媒体の掲載費はなくなりません。人材紹介会社から採ればその手数料も別にかかります。

当社は「月額20万円(税別)〜+媒体費」で見てもらっています。媒体費は会社が直接媒体に払う形です。

料金の形はサービスによって幅があります。月額固定型は、1か月あたり10万円から70万円程度です。安い枠は作業の一部だけ、高い枠は複数名の担当がつく形になります。

成果報酬型を取るサービスもありますが、建設業では勧めていません。決まらなければ業者の売上にならない契約なので、難しい案件は後回しになりやすいためです。

幅が広いので、金額だけを並べて比べると当てになりません。「この金額で何をやってくれるのか」を業務の単位で書いてもらってください。料金の形ごとの違いは採用代行(RPO)の費用相場ガイドで詳しく扱っています。

ステップ3 契約

採用代行は業務委託契約です。会社の採用の仕事を外の会社に委託する形になります。

ここで知っておきたいのは、採用人数や応募数を書面で約束できないことです。候補者が応募するかどうかは、委託を受けた側が決められません。

書面にできるのは業務の量のほうです。たとえば次のような項目です。

  • スカウトの送信通数(月に何通送るか)
  • 求人票の作成本数と、書き直しの回数
  • 月次レポートの提出日
  • 応募者への返信にかける時間(24時間以内など)
  • 面接の候補日を出すまでの時間
  • 人材紹介会社との打ち合わせの頻度

この数字が入っていれば、動いていない月を後から指摘できます。入っていない契約書は「頑張ります」しか書いていないことになります。

契約期間、自動更新の条項、解約を申し出る期限、秘密保持の範囲も確認してください。期間や解約の予告はサービスによって異なるので、問い合わせのときに具体的な月数を聞くのが確実です。ここを見ていないと、替えたい月に替えられません。

もうひとつ、任せる範囲によっては許可の話が出てきます。候補者を探して紹介するところまで任せるなら、相手は有料職業紹介事業の許可を持っている必要があります。

求人票を書く、応募者に返信する、日程を調整するといった事務は、紹介そのものではありません。線引きと契約書の見方は採用代行は業務委託?違法リスク・許認可・契約書の押さえどころにまとめました。

ステップ4 キックオフ

契約を結んだら顔合わせです。1回90分から2時間かけて、運用の形を決めます。

決めるのは5つです。

  1. 連絡の窓口を社内で1人決める(総務や工務の兼任でかまいません)
  2. 連絡の手段を1つに決める(チャットかメールか電話か)
  3. 毎週の定例の曜日と時間を決める(30分で足ります)
  4. 求人票を書き直す(仕事内容、休日、給与の書き方)
  5. 面接に使える枠を固定する

窓口を1人決めるのは外せません。社長の携帯にだけ連絡が入る形だと、判断が夜と週末に回ります。社長が出張に出た週は、選考が丸ごと1週間遅れます。

この場に現場の責任者を1人入れてください。社長と総務だけで決めた要件は、現場で「この人では回らない」と言われます。

求人票の書き直しで手が入るのは、仕事内容と休日の書き方です。「施工管理業務」の一行を、担当する現場の種類、工期の長さ、1人で何現場持つかまで書き分けます。

休日も「4週6休」だけだと伝わりません。繁忙期はどうなるのか、土曜はどれくらい出るのかまで書くと、入ってから辞める人が減ります。

渡すのは、現場の写真、工期の組み方が分かる資料、給与の幅と資格手当の一覧です。写真は求人票にそのまま載るので、現場の様子が分かるものを選んでください。

求人媒体を使っている場合は、管理画面を見られるようにしてもらいます。掲載中の原稿と、これまでの応募の履歴がここに入っています。

ステップ5 運用開始

キックオフから1〜2週間で募集が立ち上がります。求人票の書き直し、媒体への掲載、スカウトの送信、紹介会社への要件の伝え直しが同時に動きます。

週の動きはだいたい決まっています。代行側がスカウトを送り、応募に返信し、面接の候補日を出す。会社側は候補日を押さえて面接に出る。週1回30分の打ち合わせで、送った通数、会う予定の人数、止まっている案件の数を確認します。

月の終わりにレポートが出ます。経路ごとの応募数、書類選考を通った数、面接を設定できた数、辞退した人数と理由です。

最初の1か月で出てくるのは、求人票に対する反応と、要件が市場から外れていないかの手応えです。採用が決まるところまではまだ届きません。

ステップごとに会社側が出すものと、期間の目安

ステップ会社側が出すもの期間の目安
① 問い合わせとヒアリング直近1年の応募数と採用数/使っている媒体/ハローワークの求人票の写し1回60分。日程が合えば数日のうちに
② 提案と見積もり任せたい仕事の範囲/採用の予算/採りたい人数と時期数日〜1週間
③ 契約契約書の確認(期間・自動更新・解約の申し出期限・秘密保持)数日〜2週間
④ キックオフ窓口の担当者1名/現場の写真と工期の資料/給与の幅と資格手当/面接に使える曜日と時間1回90分〜2時間
⑤ 運用開始週1回30分の打ち合わせの時間キックオフから1〜2週間で募集開始

当社の支援経験をもとに作成。期間はサービスや時期によって変わります

社内の決裁に時間がかかる会社は、③で2週間ほど見ておくと余裕があります。急ぎで動かしたい場合は、契約書の案を先に出してもらい、社内の確認を先に進める形が取れることもあります。


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初月・2か月目・3か月目に何が動くか

運用に入ってからの3か月は、期待と実際がずれやすいところです。応募がすぐ来ると思って始めると、2か月目に不安になります。

民間の大手調査では、採用すると決めてから募集を始めるまでに平均22.7日かかっています。「1か月以上」と答えた企業は35.4%です(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』(2025年実績))。

原稿を書き、媒体を選び、社内の承認を取る。この3週間分を代行側が引き受けるので、初月のうちに募集が立ち上がります。

初月は手応え、2か月目は組み替え、3か月目に面接がそろいます

初月は求人票の書き直しと、経路の立ち上げに使います。応募が来る月もありますが、来ない月もあります。

同じ調査では、応募から内定の承諾までにかかる日数は、1次面接をWEBで行った場合の全体平均が31.5日、対面では30.2日でした。不動産・建設・設備・住宅関連はWEB面接で36.3日で、業種別ではもっとも長くなっています。

ここから逆算すると、1人目の内定までは約2か月、入社までは約3か月です。初月に採用が決まる前提で予算を組むと、途中で続けるかどうかの話になってしまいます。

初月で応募が来なかったときに見るのは、求人票の書き直し回数とスカウトの送信通数です。この2つが動いていれば、まだ途中です。

2か月目にやるのは求人票の書き直しと、経路の組み替えです。どの媒体から来た人が面接まで進んだのかを見て、反応のない媒体から予算を外します。

書き直すのは給与の見せ方と、仕事内容をどこまで細かく書くかです。給与を「月給25万円〜」で出していたなら、資格手当と残業代を含めた実際の支給額の幅に変えます。

要件そのものを広げる月にもなります。年齢の上限を5歳上げる、2級でも受け入れる、未経験の枠を1つ作る。どれかを動かすと、声をかけられる相手が増えます。

3か月目に面接の数がそろってきます。当社が支援した新潟県の総合建設会社(従業員90名)では、経路を組み替えたあとに応募が1.8倍になり、1名あたりの採用単価が30%下がりました。

逆に3か月たってスカウトの通数も求人票の改訂回数も出てこないなら、動いていません。立て直しの手順は採用代行で失敗する6つのパターンに書きました。

経路は1つに賭けません

建設業の有資格者を確実に採れる主力の手法は人材紹介です。減らす方向で考える話ではありません。上手に使いこなせるかどうかで結果が分かれます。

人材紹介では、常用の就職1件あたりの手数料が平均で約103万円でした。前の年度より10.9%増えています。手数料収入の総額は約9,835億円です(厚生労働省『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)』)。

これは全業種をならした数字です。弊社が建設業の採用支援で見ている範囲では、施工管理の手数料は年収の45%が主流です。1級の資格を持つ所長クラスや急ぎの募集では、60〜70%まで上がることもあります。

民間の大手調査では、年間の中途採用費用は1社あたり平均609.9万円。うち人材紹介が375.5万円でした(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』(2025年実績))。

費目のなかでいちばん大きいのが人材紹介です。紹介会社を切る話をしているのではありません。紹介も含めた全体をまとめて回す話です。

紹介会社の担当者は何十社もの求人を抱えています。優先されるのは、推薦への返信が早くて、落とした理由が返ってくる会社です。この手間を外に出せるのが、採用代行の使いどころのひとつです。

求人媒体、スカウト、人材紹介の3つを同時に回します。どれか1つでは候補者の数がそろいません。

中途が7割。募集は何月から始めてもかまいません

建設業の入職率は10.4%、離職率は8.7%です。産業計は入職率14.7%、離職率13.7%でした(令和7年。厚生労働省『令和7年雇用動向調査結果の概況』)。

入ってくる人も出ていく人も、全産業より少ない業界です。公的統計ではそう出ますが、現場では「入って3か月でいなくなった」という話も聞きます。年間の平均と、入社直後の受け入れは別の問題です。入社初日に誰が現場を案内するか、最初の1か月は誰が週1回話を聞くかを、採用の前に決めておきます。

建設業に入った人の約72%は、前の職場から移ってきた転職入職者です(厚生労働省『建設労働をめぐる情勢について』(令和7年10月15日))。

つまり、新卒の年間日程に合わせる必要はありません。中途の募集は何月に始めてもよく、12月に相談しても1月から動けます。

鉄骨の骨組みが組み上がり青空に伸びる建設中の建物
写真: Asysin / Pexels

問い合わせのときに聞いておきたいこと

最初の打ち合わせで聞いておくと、後で困らない項目が6つあります。メモして持っていってください。

  1. 契約期間と、解約を申し出る期限は何か月前か
  2. 月次レポートに何が載るか(見本を見せてもらう)
  3. 担当者は何人つくか。建設業の担当はいるか
  4. 建設業の求人を扱った件数と、採れた職種
  5. 媒体費と人材紹介の手数料は月額に含まれるのか、別なのか
  6. 人材紹介会社とのやり取りまで入るのか

2番は見本を見るのが早いです。経路ごとの数字が入っていないレポートだと、翌月に何を直すかの相談ができません。

3番で「建設業の経験はありません」と言われた場合は、1次面接までの流れを誰が設計するのかを聞いてください。工種や資格の名前が通じない担当だと、要件の伝え直しが毎回やり直しになります。

5番は請求書の形で聞くのが確実です。月額に媒体費が入っている形だと、どの媒体にいくら使われたのかが見えなくなります。会社が媒体に直接払う形のほうが、使い先が分かります。

6番を入れるかどうかで、社内に残る手間が大きく変わります。紹介会社が3社あれば、推薦のたびに返信と理由づけが発生します。ここを外に出せると、社内に残るのは面接と判断だけになります。

採用人数を書面で約束する業者には気をつけてください

「半年で3名の採用を保証します」と契約書に書いてくる会社があります。採用代行は業務委託契約なので、採用人数を約束することはできません。

採用が決まったことに対して報酬を受け取る形は、許可のない職業紹介に近づきます。提案の段階では安心できる言葉ですが、業務委託の枠を超えた約束なので、採れなかったときに揉めやすくなります。

契約書に数字を入れるなら、スカウトの送信通数や求人票の改訂本数といった業務の量のほうにしてください。

募集に手を打とうとしているのは、自社だけではありません。中小企業の人手不足を聞いた調査では、人手が足りないと答えた企業が全体で60.0%。業種別では建設業の77.4%が最多で、運輸業72.2%、介護・看護業70.5%が続きました。

対策としてもっとも多かったのは「採用活動の強化(非正規含む)」で75.7%でした(人手不足と答えた1,592社の複数回答。全体の回答は2,654社、うち建設業500社。日本商工会議所・東京商工会議所『多様な人材の活躍等に関する調査』2026年9月15日)。

対策を挙げた企業の4社に3社が、募集の強化を選んでいます。同じ地域の同業も、同じ時期に同じ職種を探しているということです。

採用以外の対策でいちばん多いのが省力化の40.2%です。それでも採用の強化の半分強にとどまります。機械や工法で人を減らせる工種は限られるので、採用で埋めるしかない会社が多いということになります。


よくある質問

頼んでからどれくらいで人が来ますか?

募集が立ち上がるのは契約から2週間ほどです。応募が並び始めるのは1か月目の後半から2か月目です。

前に挙げたマイナビ『中途採用状況調査2026年版』では、1次面接をWEBで行った場合、応募から内定の承諾まで建設を含む区分で36.3日かかっています。1人目の内定が約2か月後、入社が約3か月後という見方をしてください。

社内に人事がいなくても頼めますか?

頼めます。窓口を1人決めてもらえれば進みます。総務や工務との兼任でかまいません。

採用の手法や媒体は移り変わりが速いところです。社内の人だけで追いかけ続けるのは負担が大きくなります。

専任の人事を置くかどうかは、あとから決めてかまいません。まず建設特化の採用代行と組んで、社内から何人出すかを決めるほうが早く動きます。

契約の途中でやめられますか?

契約期間と、解約を申し出る期限によります。この2つはサービスによって異なるので、問い合わせのときに確認してください。

自動更新の条項があるかどうかも一緒に聞いておくと、更新の月に慌てません。

いまの人材紹介会社は切ることになりますか?

切りません。人材紹介は、建設業の有資格者に手が届きやすい主力の手法です。

紹介会社に要件を伝え直し、推薦に早く返事をし、落とした理由を返す。この役を採用代行が引き受けます。紹介会社から見て優先される会社になるので、推薦の数が増えることもあります。

いくらかかりますか?

当社は月額20万円(税別)〜です。これに求人媒体の費用が別でかかります。人材紹介から採った場合の手数料も別です。

料金の形はサービスによって幅があります。金額だけを並べず、その金額で何の業務がどれだけ動くのかを聞いて比べてください。


まとめ|渡すものが決まっていれば、運用は2〜4週間で始まります

要点は6つです。

  1. 流れは5段階です。問い合わせとヒアリング、提案と見積もり、契約、キックオフ、運用開始。契約から募集の立ち上げまでが2〜4週間の目安です
  2. 問い合わせの前に社内で決めるのは3つです。採る人の像、出せる条件、面接できる人と枠。この3つは外に出せません
  3. 契約書に書けるのは業務の量です。スカウトの送信通数、求人票の改訂本数、レポートの提出日。採用人数を書面で約束する会社には気をつけてください
  4. 契約期間と解約の申し出期限はサービスによって異なります。問い合わせのときに月数を聞いてください
  5. 1人目の内定は約2か月後、入社は約3か月後です。初月に出てくるのは応募ではなく、求人票への反応と要件の手応えです
  6. 求人媒体、スカウト、人材紹介の3つを同時に回します。紹介会社を切る話ではなく、紹介も含めた全体をまとめて回す話です

建設・採掘従事者の有効求人倍率は5.10倍、職業計は1.06倍。ハローワークの求人が1か月のうちに決まるのは、建設・採掘従事者では100件あたり1件ほどです。

この市場で、求人票を出して待つだけの形は続きません。

採用代行は、採用の仕事をまとめて外に出す選択肢のひとつです。当社では長野県の工務店(従業員15名)が最小構成から始めて、現場1名と事務1名を採用した例もあります。15名の会社でも始められます。

何を渡せばいいのか分からない段階でも、相談から入れます。いまの応募数と採用数が分かる紙を1枚持ってきてもらえれば、そこから任せる範囲を一緒に決められます。

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