建設業の女性は88万人・18.4%、採用の入口では23%まで来ている
2025年の建設業の就業者は478万人。うち女性は88万人で、比率は18.4%です。過去最高の水準になりました。
技術職に絞ると約5万人で、2002年以降でもっとも多い人数です(日本建設業連合会『建設業の現状』)。
全産業の女性比率は45.8%ですから、業界としてはまだ半分以下です。
ただし、在籍と採用を分けて見ると景色が変わります。
国土交通省が建設業・建設関連業の1,609社に聞いた調査では、社員総数に占める女性は17%でした。ところが2024年度の採用実績に占める女性は23%です。
技術者だけを見ると、在籍10%に対して採用は20%。入口では2倍の開きがあります(国土交通省『令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査』)。
結論から言うと、入口はもう開いています。詰まっているのは受け入れる側の準備です。
採用戦略の全体像は建設業の採用戦略ガイド、定着の打ち手は建設業の離職率を下げる定着施策5選、制度面は建設業の福利厚生で扱っています。
女性が入ってこない・続かない3つの理由
理由1|現場の設備が女性を想定していない
先ほどの国土交通省の調査に答えた1,609社は、約8割が従業員99人以下です。中小の実態がそのまま出ています。
女性が快適に使えるトイレが「概ね整備されている」と答えた企業の割合は、国が発注する公共工事で63%、都道府県61%、市町村47%。民間工事では33%まで落ちます。
従業員1〜29名の会社に限ると、民間工事は20%です。
更衣室はさらに低く、国36%、都道府県31%、市町村26%、民間21%。1〜29名の会社では民間11%でした。
大手の現場は別の景色です。日本建設業連合会の会員企業89社・延べ8,326現場では、女性用トイレのある現場が2024年度で81.2%。2022年度の72.0%から9ポイント上がりました。更衣室のある現場は54.0%です(日本建設業連合会『建設業における女性の活躍推進に関するフォローアップアンケート調査報告書 2024年度』)。
この81.2%は日建連の会員企業、つまり大手中心の現場の数字です。中小を含む国土交通省調査の民間工事33%と並べると、同じ業界の話とは思えないほど開きがあります。自社がどちら側かで、打ち手は変わります。
整備が進まない理由の1位は「現場に女性がいない」で、1,121社が挙げています(複数回答で41%)。2位が「現場に必要性が浸透していない」445社、16%です。「予算が限定的」は367社、13%にとどまります(国土交通省『令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査』)。
女性がいないから設置しない。設置がないから女性が来ない。この堂々めぐりは、どこかで会社側が先に切るしかありません。
理由2|育休の決まりが、そもそも就業規則に無い
厚生労働省の調査で、育児休業制度の規定がある事業所は建設業70.3%。全産業は84.0%です。
建設業は調査対象16産業のなかでもっとも低い数字でした。2番目に低い宿泊業・飲食サービス業でも75.2%です(厚生労働省『令和7年度雇用均等基本調査』付属統計表(事業所調査))。
一方で、取得率の差はほとんど残っていません。女性の育児休業取得率は建設業86.8%、全産業88.3%。差は1.5ポイントです。男性は建設業45.0%、全産業50.9%でした。
ただし、この取得率だけで「追いついた」と見るのは早いです。建設業の女性の取得率は令和6年度の66.9%から令和7年度の86.8%へ、1年で19.9ポイント動いています。
建設業はこの調査の回答数が少なく、年ごとの振れが大きく出ます。数字より、制度の有無を見たほうが確かです。
育休の決まりが就業規則に無い会社が3割。詰まっているのは取得率ではなく、その手前の話です。
理由3|上がっていく先が見えない
課長相当職以上(役員を含む)に占める女性の割合は、建設業9.1%。産業計は13.8%です。
内訳は部長相当職4.7%(産業計9.2%)、課長相当職6.0%(同13.2%)、係長相当職13.7%(同20.9%)でした。
しかも前年の令和6年度は9.6%です。業界として目標を掲げている一方で、直近は下がっています(厚生労働省『令和7年度雇用均等基本調査』付属統計表(企業調査))。
国土交通省の調査でも同じ傾向が出ています。管理職総数76,088人のうち女性は3,462人で4%。女性管理職の比率が20%以下の企業が84%です。
入社した先に、上に上がった女性が一人もいない会社で、本人が10年先を思い描くのは難しい話です。

女性が応募して定着する5つの打ち手
打ち手1|現場の設備を、国の基準に合わせて整える
「快適トイレ」は、国土交通省が仕様を決めた現場用のトイレです。国が直接発注する工事では、設置が原則になっています。
費用は会社の丸抱えではありません。令和8年4月1日以降に入札契約の手続きを始める工事から、57,000円/基・月を上限に工事費へ計上する仕組みが動いています。
計上先は共通仮設費(工事費のうち現場の仮設に充てる費用)の営繕費です。計上額は「積算上の差額」と57,000円/基・月のうち安いほう。積算上の差額とは、実際にかかった費用から従来品の分10,000円を引いた額です。
基数は現場ごとに必要性を協議して決めます。当初は金額を入れず、変更契約のときに計上する流れになっています。
必須の仕様は11項目あります。女性に関わるものだけ挙げると、容易に開かない施錠、男女がいる場合の男女別表示、周囲から入口が直接見えない工夫、女性用へのサニタリーボックスの設置などです。
国土交通省は、これとは別に導入時の配慮事項を8つ示しています。何をやればいいかが国の文書で決まっているので、自社の現場にそのまま当てはめられます。
- 女性が現場にいる場合は、女性用トイレを設置するのを標準とする
- 設置の前に、現場で働く女性の意見を聞く
- 女性用トイレと、男性用トイレや喫煙所は隣り合わせにせず、一定の距離を取る
- 男女で入口を分けるなど、動線に配慮する
- 開けたら真正面にならないよう、ドアは便座と直角の向きにする
- 中にいる人の影が窓に映らないよう、照明をスポットライト式にするなどの工夫をする
- 冷暖房や扇風機で室温を快適に保つ
- 混雑を理由に男性が女性用トイレを使うことがないよう徹底する
出典は国土交通省『快適トイレの導入について』(令和8年2月27日)です。
民間工事には、発注者が費用を負担する仕組みがありません。それでも、公共工事で快適トイレを標準にしてしまえば、仕様と運用の型が社内に残ります。
打ち手2|育休の決まりを就業規則に書く
3割の会社に規定がありません。就業規則に条文を1本置くだけで、規定のある7割の側に回れます。最初の一歩としては軽い作業です。
どこを目標に置くかは、大手の実績が参考になります。日建連の会員企業では、2024年度に配偶者が出産した男性社員3,234人のうち2,380人が育休を取りました。73.6%です。2022年度45.9%、2023年度69.0%からの伸びでした。女性社員は688人中676人で98.3%です。
これも会員企業、つまり大手中心の数字なので、中小がすぐ並ぶ水準ではありません。ただ、数年かけて近づける目標としては置けます。
国土交通省の調査では、1,609社の制度面の取り組みとして各種休暇制度1,193社、社員教育586社、短時間勤務570社、テレワーク308社、復職に関する取組276社、フレックス264社が挙がっていました(国土交通省『令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査』)。
同じ調査で集まった、実際の会社の取り組みも参考になります。
- 年次有給休暇を2年繰り越せるようにした
- 男性社員にも子の看護休暇を、有給で子1人につき5日
- 出社が必須の時間帯(コアタイム)のないフレックスを、育休から復帰した人が選べるようにした
業界全体に求めることの1位は「妊娠・出産・育児の制度を労使双方が学ぶ機会」で944社。制度を作る側と使う側の両方が知らない、という自覚が業界にあります。
打ち手3|どの仕事から任せるかを決めて、先の道筋を見せる
「女性を採る」だけでは、配属した現場でその先が続きません。任せる仕事と、その先をあらかじめ決めておきます。
国土交通省の調査で、女性の技能者が実際に就いている職種は次のとおりでした(回答計348人)。
- 普通作業員113人
- 軽作業員45人
- 運転手(一般)28人
- 特殊作業員23人
- 運転手(特殊)21人
- 鉄筋工15人
- 土木一般世話役14人
現場の技能職だけが受け皿ではありません。技術者を支える事務系の女性は1,454人います。建設ディレクター(現場の書類や工程の管理を事務所側から支える職種)、CADオペレーター、ICT(パソコンや測量機器を使った情報化施工)のオペレーター、UAV(ドローン)のオペレーターなどです。
同じ調査に載っている会社の例として、技能者として入った女性が、子育てが始まったあと技術者に移り、自宅から施工図の作成と積算を担当しているケースが挙がっています。
メンター制度(先輩が担当につく仕組み)を入れている会社もあります。
国土交通省と業界7団体は、令和7年3月14日に「建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画」を作りました。国の公式の現状認識として、建設業で働く女性約88万人のうち技術者は3.4%、技能者は13.6%にとどまり、業界全体(技術者7.9%・技能者62.9%)に比べて低いと書かれています(国土交通省ほか『建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画』)。この3.4%・13.6%は、実行計画が用いた別の統計による割合です。冒頭の「技術職に絞ると約5万人」とは集計のもとが違うので、引き算はできません。
つまり、女性の多くは事務側に寄っています。現場側の道筋を用意できる会社が、これから差をつけます。
人の育て方は建設業の人材育成ガイドで扱っています。

打ち手4|やっていることを外に出す
社内外の広報活動に取り組んでいる企業は、1,609社のうち527社。33%だけです。
三大都市圏では49%、その他の地域では30%。地方ほどやっていません。
手段の内訳は、ホームページ381社、業界団体・学校との連携291社、イベント・講習会201社、SNS189社、動画104社でした。
届け先は、求職者286社、高校生282社、大学生268社、社会人124社、学校関係者100社、小中学生84社です(国土交通省『令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査』)。
3社に2社が何も出していません。トイレを整えた、育休の規定を置いた、女性が施工図を担当している。そうした事実をホームページに1本載せるだけで、比べられたときの差になります。
求人票への落とし込みは建設業の求人票の書き方に、他社の動き方は建設業の採用成功事例5選に載せています。
打ち手5|手が足りないぶんを採用代行に任せる
女性活躍・定着の取組が「ある」と答えたのは862社で54%。「ない」は747社、46%でした(国土交通省『令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査』)。
取組のない企業の約95%が、従業員100人未満です。
進めていない理由の1位は「人的余裕がない」283社。次いで「検討しているがまだ」210社、「想定していなかった」207社、「時間がない」145社、「予算の余裕がない」96社と続きます。
予算より先に、手が足りていません。
採用の手法も媒体も毎年のように移り変わります。社内の人だけで追いかけるのは負担が大きいので、建設業に特化した採用代行と組むのを基本線に置いてください。そのうえで、社内の手をどこに割くかを決めます。
役割の分け方は次のとおりです。
- 社内と採用代行で一緒に: 求める人物像と採用要件の整理。現場を知る社内の知見が要ります
- 社内: 面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し
- 採用代行: 求人票、媒体、スカウト、応募者対応、日程調整といった運用全般
人材紹介も、この枠の中で使う主力の手法です。建設業の有資格者を確実に採れるルートなので、外す理由はありません。
手数料は全業界の平均で30〜35%、建設業の施工管理では45%が主流です。1級を持つ所長クラスや急募の希少人材では60〜70%まで上振れることもあります。使うこと自体は正しく、上手く使えるかで効き方が変わります。
弊社の建設特化の採用代行は月額20万円(税別)〜。建設業に特化した採用代行の価格帯は、月額20万〜30万円(+媒体費)が目安です。採用代行を使っても媒体費は別にかかるので、予算を組むときは両方で見てください。
なお、採用人数を書面で約束する業者は業務委託の枠を超えています。契約書に書けるのは、スカウトの送信通数、求人票の作成・改訂本数、月次レポートの提出日、応募者対応の返信時間といった業務の工数です。採用人数は、四半期ごとの振り返りで議論する材料として扱います。
仕組みは採用代行(RPO)とは?で扱っています。
女性採用、環境整備と採用運用を両輪で壁打ちしませんか?
建設業特化の採用コンサルタントが、現場設備の整え方・育休規定・任せる仕事の設計・採用広報まで、御社の規模に合わせて無料でご提案します。月額20万円〜の建設特化採用代行で、女性採用を仕組みにするご相談からどうぞ。
無料で相談する助成金と認定制度で、費用と受注の両方を取りに行く
環境整備と採用を一体で進めるなら、人材確保等支援助成金の「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)」が使えます。
人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)
| 助成の種類 | 内容 | 助成率・額 |
|---|---|---|
| 事業主経費等助成 | 入職前の魅力発信から入職後の育成・定着までを一体で行う事業の経費 | 中小の建設事業主は5分の3(中小以外は20分の9) |
| 定着助成 | その事業で採用した人が、雇い入れから6か月以内に辞めていない場合 | 1人につき42万円(一年度126万円まで。3人分) |
| 賃金向上助成 | 事業主経費等助成の決定を受けた場合の加算 | 経費助成額の20分の3 |
| 研修受講分 | 雇用管理研修・職長研修などを受けさせた場合 | 1人1日9,500円(3時間以上、6日まで) |
厚生労働省『人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース)支給要領』(令和8年4月8日)、厚生労働省『建設事業主等に対する助成金』より作成
一事業所・一年度あたりの上限は200万円です。事業主経費等助成・定着助成・賃金向上助成を合算した額になります。
注意したいのは申請の時期です。計画届は事業を始める2か月前まで。申請は年度内に1回です。ここでいう「若年者」は35歳未満を指します。
助成金の全体像は建設業の助成金ガイドに載せています。
認定を取ると、公共工事の点数が上がる
えるぼし・くるみんは、採用広報の材料であると同時に、経営事項審査(公共工事を受注するために受ける会社の採点)の加点項目でもあります。
W1-⑨「ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況」として評価されます。持っている認定のうち、もっとも配点の高いもの1つだけが対象で、上限は5点です。
経営事項審査 W1-⑨の配点
| 認定 | 点数 |
|---|---|
| プラチナえるぼし | 5点 |
| プラチナくるみん | 5点 |
| えるぼし(3段階目) | 4点 |
| ユースエール | 4点 |
| えるぼし(2段階目) | 3点 |
| くるみん/トライくるみん | 3点 |
| えるぼし(1段階目) | 2点 |
えるぼしの評価項目は5つです。採用、継続就業、労働時間などの働き方、管理職比率、多様なキャリアコース。1〜2項目を満たすと1段階目、3〜4項目で2段階目、5項目すべてで3段階目になります(厚生労働省『女性活躍推進法特集』)。
くるみんは令和7年4月1日から基準が厳しくなりました。くるみん認定に要る男性の育児休業等取得率が10%以上から30%以上へ、プラチナくるみんは30%から50%以上へ、トライくるみんは7%から10%以上へ引き上げられています。
ただし令和9年3月31日までは、旧基準でも申請できる経過措置があります(厚生労働省『くるみん認定・プラチナくるみん認定・トライくるみん認定について』)。取りにいくなら、この期限が一つの区切りです。
業界の目標も数字で決まっている
先の実行計画は、国土交通省と日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国建設産業団体連合会、住宅生産団体連合会、建設産業女性定着支援ネットワークの8者が作ったものです。
取組目標は4つ置かれています。
- 令和11年までの間、建設業の女性技術者・技能者の人数を毎年増やす
- 令和11年までの間、女性の離職者が入職者に占める割合を、建設業全体の同じ割合より高くしない
- 令和11年度までの間、建設業の管理職に占める女性の割合を毎年度増やす
- 令和11年度までに、都道府県単位で活動する「建設産業女性定着支援ネットワーク」への加入を全47都道府県に広げる(令和6年12月時点で33都府県)
発注者側の評価も、この方向に寄っていきます。先に動いた会社が有利になります。
従業員規模ごとの女性採用の進め方
規模別・着手の順番
| 従業員数 | まず手を付けること | 次に足すこと |
|---|---|---|
| 10〜30名 | 就業規則に育児休業の条文を置く。女性が入る現場を1つ決めて、快適トイレを入れる | 事務系や図面・積算から任せる範囲を決める。自社のホームページに取り組みを1本載せる |
| 30〜100名 | 短時間勤務と各種休暇を文書にする。男性の育休を含めて取得の実績を数え始める | 女性用トイレと更衣室を現場の標準仕様にする。高校・専門学校への訪問を年間予定に入れる |
| 100名以上 | 管理職へ上がる道筋を等級ごとに文書にする。くるみん・えるぼしの要件を点検する | 先輩が担当につく仕組みを手当付きで運用する。採用の広報を通年で回す |
国土交通省『令和6年度 建設産業における女性定着促進に関する実態等調査』と弊社の建設業採用支援の実務をもとに作成
区分の根拠は調査データにあります。取組のない企業の約95%が従業員100人未満で、広報をやっていない企業も同じ層に集中しています。
つまり100人未満の会社では、まだ動けていないところが多数派です。就業規則の条文とトイレ1基から始めても、地域では先頭に出られます。
100人を超えると、制度を文書にしていないことが足かせになります。等級ごとの職責と、上がるための要件を紙に落としておくと、求人票にそのまま転記できます。

若手の採用と重なる部分が多いので、建設業の若手採用ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 女性採用は、大手だけの話ではありませんか?
数字の上では逆です。国土交通省の調査に答えた1,609社は約8割が従業員99人以下で、その全体で2024年度の採用実績の23%が女性でした。技術者では20%です。中小にも応募は来ています。むしろ、取組のない企業の約95%が100人未満という結果のほうが、いまの実態を表しています。
Q. 現場のトイレを整えると、いくらかかりますか?
公共工事なら、会社の持ち出しだけにはなりません。国が直接発注する工事では、57,000円/基・月を上限に工事費へ計上する仕組みがあります。計上額は、実際にかかった費用から従来品の分10,000円を引いた額と、57,000円/基・月の安いほうです。基数は現場ごとに協議して決めます。民間工事にはこの仕組みがないので、公共の現場で型を作ってから民間に広げる順番で進めるとやりやすいです。
Q. 育休の規定を置くと、現場が回らなくなりませんか?
規定を置くことと、全員が同時に休むことは別の話です。全産業では84.0%の事業所に規定があり、建設業でも70.3%は置いています。国土交通省の調査では、各種休暇制度1,193社、短時間勤務570社、復職に関する取組276社という数が挙がっていました。規定がないまま個別対応を続けるほうが、現場の負担は読めなくなります。
Q. 女性を採るには、賃金を上げないといけませんか?
建設業の女性の給与は、他の業界と比べて低くありません。令和7年の所定内給与額(残業代を除いた毎月の給与)は、女性の全産業平均28.6万円に対して建設業は29.2万円です。男性の給与を100としたときの女性の水準は、建設業77.0、全産業76.6。建設業のほうが男女の差はわずかに小さくなっています(厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』)。ただしこれは10人以上の事業所の平均で、地域や職種による差は残ります。自社の水準は自社の求人票で確かめてください。賃金より先に、設備と規定のほうが遅れています。
Q. くるみん・えるぼしは取る価値がありますか?
公共工事を取りにいく会社なら価値があります。経営事項審査で最大5点の加点になり、求人票にも書けます。ただし、くるみんは令和7年4月1日から基準が厳しくなりました。男性の育児休業等取得率が10%以上から30%以上へ上がっています。令和9年3月31日までは旧基準でも申請できるので、動くならこの期限を見ながら進めてください。
まとめ|入口は開いた。あとは受け入れる側
- 建設業で働く女性は88万人・18.4%で過去最高。全産業45.8%とは差があるが、伸びている
- 在籍17%に対し、2024年度の採用実績は23%。技術者は在籍10%・採用20%。入口はすでに開いている
- 詰まっている3点は現場の設備/育休の規定/上がっていく先。育休の規定がない会社が3割で、16産業中もっとも低い
- 5つの打ち手は国の基準に合わせた設備整備/就業規則への育休条文/任せる仕事と道筋の設計/広報/採用代行
- 快適トイレは公共工事なら57,000円/基・月を上限に工事費へ計上できる。配慮事項8項目は国の文書でそのまま使える
- 助成金は一事業所・一年度で上限200万円。えるぼし・くるみんは経営事項審査で最大5点
- 広報をやっているのは33%だけ。やれば差がつく
女性の応募は、設備と制度がそろってから来るものではありません。先に決めて、外に出した会社から順に来ます。
次の一歩として、定着の打ち手は建設業の離職率を下げる定着施策5選、制度の設計は建設業の福利厚生、求人票の作り直しは建設業の求人票の書き方、助成金は建設業の助成金ガイドもあわせてご覧ください。
女性が応募して定着する会社への道筋、一緒に引きませんか?
現場設備の整え方から育休規定、任せる仕事の設計、求人票と採用広報の運用まで、建設業特化のチームが御社の規模に合わせてご提案します。月額20万円〜の建設特化採用代行で、女性採用を仕組みにするご相談からどうぞ。
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