応募は予定数以上あるのに3社に1社が採れていない——落ちているのは面接から先です

中小企業の中途採用で、応募そのものはむしろ集まっています。

採用予定者数に対する応募者数の割合を見ると、100%を超えた会社が63.0%、ちょうど100%だった会社が25.6%。合わせて88.6%が、予定した人数以上の応募を集めていました。50%未満しか来なかった会社は6.1%です。

ところが採用できた人数で見ると、話が逆になります。

予定者数に対する採用者数が50%未満だった会社が12.8%、50〜100%未満が19.6%。合わせて32.4%です。3社に1社が予定に届いていません。

2026年3月中旬に中小企業4,123社から回答を得た調査です。中途採用の集計対象は、応募者数の割合がn=2,215、採用者数の割合がn=2,389です(日本政策金融公庫『中小企業における従業員の採用・定着に関する調査』(2026年6月19日公表))。この調査に建設業だけの内訳は載っていないので、中小企業全体の数字として見てください。

建設業には、ここにもう一つの事情が重なります。

民間の大手調査では、不動産・建設・設備・住宅関連の1社あたりの総応募者数は25.8人でした。全体は68.4人です。入口の太さは全体の4割に届きません。

それでも、来た応募の7割以上には会っています。応募者のうち面接を設定できた割合は72.5%。全体の48.3%を大きく上回ります。

そのうえで、目標採用者数に対する採用者数は60.3%。調査対象の12業種のうち、もっとも低い数字でした(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』(2025年実績))。

応募の数が少ないところまでは、人手不足の話として説明がつきます。会えているのに採用の目標に届かない部分は、それでは説明がつきません。

結論から言うと、建設業の歩留まりが落ちているのは面接から先です。そして落ちる理由の多くは、選考の中身ではなく連絡と日程の遅さにあります。


歩留まりは「次の段階に何割進んだか」で数えます

歩留まりは、ある段階にいた人のうち何割が次に進んだかを表す言葉です。

製造業で、投入した材料のうち製品になった割合を歩留まりと呼ぶのと同じ考え方です。採用では、応募してきた人がどこで減っていくかを同じやり方で見ます。

数えるのは4つです。

面接設定率 = 面接を設定できた人数 ÷ 応募者数 内定率 = 内定を出した人数 ÷ 面接を設定できた人数 内定承諾率 = 入社を承諾した人数 ÷ 内定を出した人数 入社率 = 入社した人数 ÷ 応募者数

最後の入社率だけは応募者数で割ります。入口から出口まで、全体で何割が残ったかを見る数字です。

自社の数字を出すときは、直近1年の募集を1件ずつ分けて書き出します。募集した職種、応募者数、面接を設定できた人数、内定を出した人数、入社した人数の5つで足ります。

ここに経路の列を足すと見え方が変わります。ハローワーク、求人媒体、スカウト、人材紹介、社員からの紹介(リファラル。社員の知り合いを紹介してもらう採用)の5つに分けます。

経路ごとに歩留まりはまったく違います。人材紹介は面接設定率が高く、求人媒体は応募数が多いかわりに面接前で落ちやすくなります。合計だけを見ていると、この差が平均に溶けて消えます。

求職者の側も同じように絞られていきます。2024年7月から2025年6月のあいだに転職した正社員500人への調査では、1人あたりの平均応募件数は13.6件でした。書類選考を通ったのは平均5.1件(通過率37.3%)、内定は平均2.3件です(マイナビ『転職活動実態調査(2025年)』)。

応募してきた1人は、ほかにも十数社に応募しています。自社の歩留まりが落ちている段階は、他社の選考が先に進んだ段階でもあります。

青空を背にした打ちっ放しコンクリート建物の角。質感の異なる二つの壁面が直角に切り替わる外観
写真: David Brown / Pexels

数え始めるときは、過去の分をさかのぼらなくてかまいません。今日から受け付ける応募の分だけで十分です。3か月分たまれば、どの段階が細いかは見えてきます。


建設業の数字は、入口が細く、面接から先で減ります

中途採用の段階別の実数と通過率(2025年実績・1社あたり平均)

段階全体不動産・建設・設備・住宅関連
総応募者数68.4人25.8人
面接設定数33.0人18.7人
内定者数14.4人7.4人
採用者数12.3人6.6人
目標採用者数16.7人10.9人
面接設定率(面接設定数÷総応募者数)48.3%72.5%
内定率(内定者数÷面接設定数)43.7%39.7%
採用率(採用者数÷面接設定数)37.2%35.1%
目標達成率(採用者数÷目標採用者数)73.3%60.3%

マイナビ『中途採用状況調査2026年版』(2025年実績)より作成。不動産・建設・設備・住宅関連はn=177、全体はn=1,327

面接設定率だけが全体を上回っています。内定率は39.7%で全体の43.7%を下回り、採用率も35.1%で全体の37.2%を下回りました。

目標達成率は60.3%です。応募者が25.8人に対して、目標採用者数は10.9人でした。来た応募のかなりの割合を採らないと、目標には届きません。

辞める人が多いせいではありません。令和7年の建設業は、1年間に入ってきた人の割合(入職率)が10.4%、辞めた人の割合(離職率)が8.7%でした。産業計は入職率14.7%、離職率13.7%です(厚生労働省『令和7年雇用動向調査結果の概況』)。

離職率は産業計より5.0ポイント低く、入職率も4.3ポイント低い数字です。出ていく人が多いのではなく、入ってくる人が少ないという形です。

公的統計はこう出ますが、現場では「若手が続かない」という話もよく聞きます。年間の全国平均と、ある会社のある年の実感は別の数字です。

入口の細さは求人側の数字にも出ています。

建設関連職種の有効求人倍率と、求人が埋まった割合(令和8年8月・常用/パートを除く)

職業有効求人倍率対有効充足率
職業計1.17倍2.70%
建設・採掘従事者5.74倍1.31%
建設躯体工事従事者8.95倍0.92%
土木作業従事者7.53倍1.50%
建築・土木・測量技術者6.86倍0.68%

厚生労働省『一般職業紹介状況(令和8年8月分)』参考統計表7-2。有効求人倍率は同表の掲載値、対有効充足率は同表の実数より算出

対有効充足率は、ハローワークが受け付けている求人のうち、その月にハローワークの職業紹介で就職が決まった割合です。求人媒体や人材紹介など、ほかの経路で埋まった求人は分子に入りません。

職業計が2.70%のところ、建設躯体工事従事者は0.92%、建築・土木・測量技術者は0.68%でした。ハローワーク経由でその月に決まるのは、求人100件あたり1件に届きません。

企業側の人手の感覚も同じ向きです。正社員を中心とした常用の労働者(調査では正社員等労働者と呼びます)について、人手の不足感を示す指数を見ます。不足と答えた事業所の割合から、過剰と答えた割合を引いた数字です。

令和8年8月時点で、この指数は調査産業計が+47ポイント、建設業が+59ポイントでした。建設業では不足が59%、過剰が0%です(厚生労働省『労働経済動向調査(令和8年8月)』)。

採れないままにしておくと、受注を断る段階まで進みます。2026年度上半期の人手不足倒産は225件で、前年同期から11件増えました。業種別では建設業が70件でもっとも多く、前年同期より17件増えています(帝国データバンク『人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)』)。

辞める人の割合はむしろ低いです。細いのは入口と、面接から先の2か所です。


面接から先で落ちる理由は、選考の中身より「遅さ」です

求職者が「遅い」と感じ始めるのは、応募から10日から2週間です

「面接設定が遅い」と感じたときの、応募から面接設定までの期間

出典: 株式会社ダトラ『中途人材の面接設定に関する実態調査』(2023年3月)より作成。n=81

過去1年以内に転職した111名への調査で、73.0%が「面接設定が遅いと感じた経験がある」と答えました(かなりある21.6%+ややある51.4%)。

そう感じた81名のうち、86.4%が「志望度の高かった会社なのに、面接設定が遅くて志望度が下がった経験がある」と答えています。

遅いと感じた期間でもっとも多かったのが10日〜2週間未満の40.7%です。5日〜1週間未満の段階でも22.2%が遅いと感じています。

建設を含むこの区分の実測値も、このゾーンに入ります。応募から面接までの日数は、不動産・建設・設備・住宅関連がWEB面接で14.4日、対面で13.3日でした。業種別でもっとも長い数字です。全体はどちらも12.1日です(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』)。

求職者に聞いた調査と企業に聞いた調査なので単純には比べられませんが、もっとも多くの人が「遅い」と答えた10日〜2週間のど真ん中に、企業側の平均日数が入っていることになります。

平均でそこに入っているということは、これより遅い会社も相当あるということです。

応募の受付から内定の承諾までで見ると差はさらに開きます。全体の平均はWEB面接で31.5日、対面で30.2日でした。同じ区分のWEB面接は36.3日で、これも業種別で最長でした。

遅さは辞退に直結します。20〜40代の男女520人への調査では、40.8%が「選考スピードの遅さが原因で辞退や志望度の低下をした経験がある」と答えました。

そのうち、とくにストレスや辞退につながったと答えたのは、書類選考の結果連絡の遅さが64.6%、面接の結果連絡の遅さが45.3%です。

回答者全体では、理想の選考期間を「1か月未満」とした人が64.6%でした(株式会社ワークポート『転職活動の選考プロセスに関する調査』(2026年9月))。

内定を出す前の段階で、すでに志望度は落ちています。

辞退の数字も動いています。中途採用の内定辞退率は全体で15.0%。2024年の9.3%から5.7ポイント上がりました。面接の無断キャンセル率は全体で5.4%で、従業員数が少ないほど高いという結果が出ています(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』)。建設業だけの内定辞退率は公表されていないので、ここは全体の数字として見てください。

日程が組めないのは、採用の担当者がほかの仕事と兼任しているからです

遅さの原因は、やる気でも段取りの下手さでもありません。日程を押さえる人の手が空いていないからです。

人事担当者400名への調査では、内定までにかかる時間が原因で辞退された経験が「かなりある/ある/まれにある」で約8割に達しました。選考が長引く理由として挙がったのは、「面接日程の調整の難しさ」「見極め」「採用プロセス」「社内の体制」「人手不足」などです。自由回答には「応募者と面接担当者のスケジュールが合わない」「現場との調整に時間がかかる」という声が載っています。

応募から内定までの期間は「1か月以内」が37.8%、「2週間以内」が26.0%です(マンパワーグループ『採用選考に関する人事担当者向け調査』(2024年2月))。

担当者の働き方を見ると理由が分かります。採用実務に従事した1,647名への調査で、採用以外の業務も兼務している担当者が72.4%。採用業務だけをしている人は24.1%でした。兼務している先は、総務・労務や販売・営業などです。

応募から採用までの流れ全体にかかる時間のうち、面接までの各種調整業務が52.4%を占めています。面接そのものにかけている時間は16.1%でした。

さらに74.9%が応募者との連絡が途絶えた経験をしており、21.7%が面接日程を調整するコストを課題に挙げています。2021年10〜11月に行われた調査なので、少し前の数字として見てください(Indeed Japan『採用担当者の業務実態に関する調査』(2021年))。

当社が見てきた範囲では、建設会社でこの調整役を担うのは工務部長か社長です。先ほどの公庫の調査には、こんな自由回答が載っていました。

人事に関する専任者がいない。ほかの業務との兼ね合いもあり、採用にまでなかなか手が回らない

関東のオフセット印刷業の回答です。建設業の回答ではありませんが、専任者を置けない中小企業の状態をそのまま表しています。

鉛筆を置いた建物の設計図面と内観パースの印刷物が机の上に重ねられている様子
写真: Antoni Shkraba / Pexels

建設業にはもう一つ、日程が組みにくい事情があります。面接の形です。

1次面接で「WEB面接が50%以上」と答えた企業は全体で65.2%でした。一方、不動産・建設・設備・住宅関連では4割を超える企業が「100%対面のみ」と答えています(マイナビ『中途採用状況調査2026年版』)。

対面を前提にすると、会社に来られる平日の日中に、面接官の予定が空いている日を探すことになります。現場が動いている会社で、候補者が来られる日と面接官が空いている日が重なることは多くありません。

求人票や面接で伝える内容のズレは建設業の採用ミスマッチにまとめています。ここで落ちているのは中身ではなく、会うまでの時間です。


自社の歩留まりがどの段階で落ちているか、一緒に数えてみませんか?

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段階ごとの直し方

応募から面接まで

直すのは3つです。

1つ目は返信の速さです。応募を受けてから24時間以内に1通返します。土日や夜間に来た応募が月曜の夕方まで止まっていると、その2〜3日のあいだに他社の面接が先に入ります。

内容は長くなくてかまいません。応募を受け取ったことと、次にこちらから連絡する日を書けば足ります。

2つ目は日程を先に押さえることです。応募が来てから面接官の予定を探すと、そこで1週間が消えます。

逆にします。毎週決まった曜日と時間に面接枠を2つ空けておき、応募が来たらその枠に入れます。面接官の予定は先に埋めておくほうが早いです。

3つ目は、対面をやめずに場所と時間をずらすことです。

2025年に施工管理職を10名以上中途採用した建設業(従業員1,000名未満)の採用責任者・担当者102名への調査では、実施率は次のとおりでした。

施工管理職の採用で実施されている手法(2026年3月調査・n=102)

手法実施率
カジュアル面接42.2%
出張面接32.4%
SNSでの情報発信30.4%
平日19時以降または土日の面接27.5%

株式会社ネオキャリア『施工管理職の採用に関する実態調査』(2026年3月)より作成

出張面接が32.4%、平日19時以降または土日の面接が27.5%です。候補者の最寄り駅まで出ていくか、現場から戻ったあとの時間に面接します。対面の良さを捨てずに、日程が組める確率を上げる形です。

在職中の施工管理職が平日の日中に抜けるのは簡単ではありません。会社側が時間をずらしたほうが、会える人数は増えます。

同じ調査では、施工管理職1名あたりの採用コストを「100万円以上」と答えた企業が38.2%、「50〜99万円」と答えた企業が28.4%でした。前年比で「増加した」と答えた企業は57.9%です。

1名採るのに50万円から100万円以上かかるということは、日程が合わずに1人流れるたびに、次の1名分の費用を使い直すことになります。

面接から内定まで

面接回数は2回以下にします。

先ほどのワークポートの調査で、理想の面接回数を「2回以下」とした人は90.4%でした。2回が63.1%、1回が27.3%です。

3回以上やっている会社は、1回目と2回目で聞いている内容が重なっていないか見てください。重なっているなら、面接官を同席させて1回にまとめられます。

面接の終わりに、その場で次の日程を決めます。「追ってご連絡します」で帰すと、そこから社内の調整が始まって1週間が消えます。

候補日を2つ出して、その場で片方を押さえて帰ってもらいます。これだけで、次の面接までの待ち時間がなくなります。

そして現場を見せます。当社が面接に立ち会ってきた範囲では、建設業の候補者がもっとも知りたいのは、担当する現場の規模と数、そして一緒に働く人です。

会議室で30分話すより、現場を15分歩いたほうが伝わります。入社後の「思っていたのと違う」も、ここで先に潰せます。

社長と現場リーダーを面接に出すのも効きます。大企業と並べられたとき、中小の建設会社が勝てるのは意思決定の近さです。社長が自分の言葉で5年先の話をできるなら、それは人事部を通した説明より強い材料になります。

内定から入社まで

内定を出してから承諾までの空白が、辞退を生みます。

さきほど見たとおり、中途採用の内定辞退率は前の年より上がっています。在職中の候補者は、退職交渉という最後の難所をこの期間に通ります。

空白を埋めるのは情報です。入社日までの手続きや、初月に入る現場、使う道具や車の手配を伝えます。決まっていることを週1回送るだけで、候補者の不安は減ります。

もう一つ効いてくるのは、入社後の働き方として見せられる材料を増やしておくことです。国土交通省と建設業振興基金がまとめた事例集に、中小建設会社の実例が載っています。

三又建設株式会社は「くじよじ出勤選択制」を入れました。基本の勤務は8時から17時ですが、出勤を8時か9時、退勤を16時か17時から選べる形です。土曜に出勤するか休むかも選べます。

朝礼の情報は情報共有ツール(グループウェア)でクラウドに上げました。結果として女性社員3人の採用に成功し、令和4年度の有給休暇の取得は13.7日でした。建設業の平均取得日数である約10日を上回っています。

株式会社長岡塗装店は、制度の意義を社員に説明することから始めました。8年間退職者ゼロで、Uターン人材や新卒の採用が進んだとあります(国土交通省/建設業振興基金『中小建設業の多様な人材確保・定着のための柔軟な働き方事例集』)。

どちらも大きな投資をした話ではありません。働き方の選択肢を増やし、それを社内に説明した結果です。

内定を迷っている人に「入社したらこういう働き方ができます」と具体的に示せれば、それが承諾までの空白を埋める材料になります。

ハローワークからの応募を増やす書き方は建設業のハローワーク求人の出し方に載せています。


数字を取る仕組みと、社内で持つ範囲

記録は表計算ソフト1枚で足ります

専用のシステムは要りません。表計算ソフトのシート1枚に、応募1件を1行で書いていきます。

列は次のとおりです。

  • 応募日
  • 経路(ハローワーク/求人媒体/スカウト/人材紹介/社員からの紹介)
  • 職種(施工管理/技能職/事務など)
  • 最初に返信した日
  • 面接の日程が決まった日
  • 面接を実施した日
  • 面接の結果(通過/見送り/辞退/連絡つかず)
  • 内定を出した日
  • 承諾または辞退の日
  • 入社日

この10列があれば、4つの歩留まりはすべて計算できます。応募日と返信日の差で返信の速さ、応募日と面接実施日の差で面接までの日数も出ます。

月末に経路ごとに集計して、前月と並べます。どの経路のどの段階で止まっているかが見えたら、直す場所は1つに絞れます。

何か月目にどの数字が動くかは採用代行の効果にまとめました。

社内に残すものと、外に出せるもの

記録と日程調整を、ほかの仕事と兼任している担当者が片手で回すのは負担が大きすぎます。

専任の人事を置くかどうかは、あとから決めてかまいません。まず建設特化の採用代行と組む形を基本線に置き、そのうえで社内から何人出すかを考える順番になります。

歩留まりを直すときの役割の分け方

誰が何を
社内+採用代行で一緒に求める人物像と採用要件の整理。現場を知る社内の知見が要る部分
社内面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し(社長や現場リーダーが出る場面)
採用代行運用全般。求人票、求人媒体、スカウト、応募者への返信、日程調整、記録と月次の集計

当社の支援経験をもとに作成

外に出すのは、先ほどの調査で52.4%を占めていた面接前の調整業務です。面接と最終判断は社内に残ります。

当社は月額20万円(税別)〜です。これに求人媒体の費用が別でかかります。採用代行の月額だけを他社と並べると見え方が狂うので、「月額20万円〜+媒体費」の合計で見てください。

屋根付きの資材置き場に積み上げられた製材の束。奥に製材工場の設備が並ぶ
写真: Mark Stebnicki / Pexels

契約の形にも1つ注意点があります。採用代行は業務委託契約なので、採用人数を書面で約束することはできません。応募するかどうか、承諾するかどうかを、委託を受けた側が決められないからです。

採用人数を書面で約束してくる業者は、業務委託の枠を超えています。あとで揉めやすい形です。

書面に入れられるのは業務の量です。スカウトの送信通数、求人票の改訂本数、応募者への返信までの時間、面接設定までの時間、紹介会社との定例の頻度などです。歩留まりを直す話なら、返信までの時間と面接設定までの時間を入れておくのが要点になります。

成果報酬型は建設業では勧めていません。業者から見ると、決まらなければ売上にならない契約です。難易度の高い建設業の案件は後回しになり、月額固定で払っている他の顧客が優先されやすくなります。

人材紹介は、上手に使いこなす側に置きます

人材紹介は、建設業の有資格者に確実に手が届く主力の手法です。減らす方向で考える話ではありません。

手数料は、全業界で一般に言われているのが年収の30〜35%という水準です。建設業の施工管理は主流45%。1級の資格を持つ所長クラスや急ぎの募集では60〜70%まで上振れるケースもあります。この45%と60〜70%は、当社が建設業の採用に立ち会ってきた範囲で見ている水準で、公的な統計ではありません。

高いから避ける、という話ではありません。同じ手数料でも、紹介会社を上手に使いこなせるかどうかで結果が変わります。

変わるのは、要件の伝え方、推薦への返信の速さ、見送った理由の返し方、複数社の優先度のつけ方です。推薦が来て何日も返事をしないままだと、紹介会社は次の候補者を他社に回します。

この手間が社内から消えるぶん、推薦は動きやすくなります。紹介会社とのやり取りのとりまとめも、採用代行が引き受ける側に入ります。

採用代行の月額は、紹介料に乗る二重の費用ではありません。紹介も含めた採用全体を整えるための費用です。当社が支援した新潟県の総合建設会社(従業員90名)では、応募が1.8倍になり、1名あたりの採用単価が30%下がりました。


よくある質問

応募が月1件しかない会社でも、歩留まりを数える意味はありますか?

あります。件数が少ないほど、1件が止まった影響が大きく出ます。

月1件なら、年間で12件です。その12件がどこで止まったかを並べると、面接前なのか面接後なのかはすぐ分かります。母数が小さくても、止まる場所には偏りが出ます。

日程調整だけを外に出すことはできますか?

できます。実際、そこから始める会社は多いです。

応募者への返信と面接日程の調整を外に出し、面接と判断は社内に残す形です。応募から採用までの流れにかかる時間の半分ほどがこの調整業務なので、空く時間は小さくありません。

面接を1回に減らすと、見極めが甘くなりませんか?

回数ではなく、1回の中身で決まります。

2回に分けて同じことを聞いている会社は、1回にまとめても判断の材料は減りません。むしろ社長と現場リーダーを同席させたほうが、現場で使える人かどうかは早く分かります。

そのうえで現場見学を足せば、候補者側の見極めも同時に進みます。

人材紹介からの応募も同じように数えますか?

同じ列で数えます。ただし集計は経路を分けてください。

経路によって、止まる場所がまるで違います。人材紹介の推薦そのものが来ていないのか、求人媒体からの応募が面接の前で消えているのか。混ぜて平均すると、この違いが見えなくなります。


まとめ|数えるのは4つ、直すのは連絡と日程の速さです

要点は6つです。

  1. 中小企業の中途採用では88.6%が予定数以上の応募を集めている一方、32.4%が採用予定に届いていません。応募の数と採れた数は別の問題です
  2. 不動産・建設・設備・住宅関連の面接設定率は72.5%で全体の48.3%を上回ります。それでも目標達成率は60.3%で12業種中最低。落ちているのは面接から先です
  3. 歩留まりは面接設定率、内定率、内定承諾率、入社率の4つで数えます。経路を分けて数えないと、改善点が平均に溶けます
  4. 求職者が「遅い」と感じ始めるのは応募から10日〜2週間。建設を含む区分の実測は13.3〜14.4日で、このゾーンのど真ん中に入っています
  5. 遅れる理由は担当者の兼任です。採用担当者の72.4%がほかの業務と兼務し、応募から採用までの流れにかかる時間の52.4%が面接までの調整業務に使われています
  6. 直す順番は、返信を24時間以内に出す、面接枠を先に押さえる、場所と時間をずらして会う、面接回数を2回以下にする、内定から入社までの空白を情報で埋める、の順です

当社が支援した福島県の総合建設会社(従業員50名)では、応募が2.4倍になり、年間13名の採用につながりました。

直近1年の応募者数と採用数が分かる紙を1枚持ってきてもらえれば、どの段階から直すかを一緒に考えられます。こういう選択肢もある、という程度に見てもらえれば十分です。

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