会社の47.2%がハローワークで募集、入職のきっかけになったのは15.2%

建設会社3,521社に若手の職人(若年技能労働者)の募集方法を聞いた調査があります。公共職業安定所、つまりハローワークを通して確保を図ると答えた会社は47.2%で、いちばん多い回答でした。

次が縁故を頼りに働きかける28.9%、そもそも若手の募集を行っていない23.1%、民間の就職・転職サイトを利用する18.8%、自社のHPに採用情報を掲載する17.6%です(厚生労働省委託『建設業における雇用管理現状把握実態調査報告書(令和6年度調査)』図表28)。

同じ調査では、働く人の側にも質問しています。

家族や親戚に薦められて応募した人が33.5%、友人や母校の先輩など知人の紹介・勧誘で入った人が30.3%です。ハローワークの求人を通じて応募した人は15.2%でした(同報告書 図表68・複数回答)。

会社の半分近くがハローワークに出しています。一方、いま建設業で働く人に業界へ初めて入ったときの方法を聞くと、ハローワークは15.2%です。

調査の対象も時点も違うので単純には引けませんが、出す側と入る側で経路に開きがあります。

結論から言うと、ハローワークは出して当たり前の場所です。ただし、出すだけでは現場の人は来ません。

手続きを正しく踏み、求人票の中身を直し、他の手段と組み合わせる。ここまでで1セットです。


ハローワークに求人を出す4つのステップ

手順は次のとおりです。

  1. 事業所情報の登録
  2. 求人情報の入力(仮登録)
  3. ハローワークの窓口で内容の確認を受ける(受理)
  4. 求人情報の公開

(ハローワークインターネットサービス『求人申込み手続きの流れ』)

会社の情報は「事業所登録シート」に記入します。雇用保険適用事業所番号(雇用保険の手続きで会社ごとに振られる番号)の記入欄があるので、番号を手元に用意してから取りかかると早いです(同『事業所登録シート』)。

募集の中身を記載するのは「求人申込書」です(同『求人申込書』)。

求人の申込み方法は3通り

方法事前にやること窓口でやること
求人者マイページメールアドレスとパスワードでマイページを開き、事業所と求人の情報を仮登録する。過去にハローワークへ求人を出したことがある会社は、マイページの開設手続きを窓口で行う登録した内容の確認を受ける
ハローワークの端末なし窓口の端末で仮登録してから本登録まで進める
紙の求人申込書求人申込書を印刷して記入する申込書を出して登録してもらう

ハローワークインターネットサービス『求人申込み手続きの流れ』、同『求人者マイページからの事業所登録・求人申込み方法について』より作成

求人者マイページを開くには、メールアドレスとパスワードの登録が要ります。過去にハローワークへ求人を出したことがある会社は、開設の手続きを窓口で行います。この場合は事業所登録が省略され、前に出した求人のデータを使って申し込めます。

初めて申し込む会社は、事業所の所在地を管轄するハローワークに問い合わせて、登録の状況を確認してもらいます。初めてマイページから申し込んだ場合などは、職員が事業所訪問や電話で内容を確かめることがあります(同『求人者マイページからの事業所登録・求人申込み方法について』)。

パソコンを使い慣れた担当者がいるなら、マイページで仮登録しておくのが速いです。社長と事務の方で回している会社なら、紙の申込書を持って窓口に行くほうが手戻りが少なく済みます。

公開のあとに気をつけるのは有効期間です。求人は受理された日の翌々月の月末で無効になります。2月15日に受理された求人なら、4月末までです(大阪労働局ハローワーク池田『求人申込みQ&A』)。

出してから使えるのは、実質2〜3か月です。決まらなければ出し直しになります。

青空を背景にタワークレーンが立つ建設中のビル躯体
写真: Athena Sandrini / Pexels

ハローワークが代わりにやってくれるのは、紹介までです

ハローワークは国が運営する雇用サービス機関で、仕事を探す人と求人事業主の双方に、さまざまなサービスを無償で提供しています(厚生労働省『ハローワーク』)。

掲載料も成功報酬もかかりません。ただし、無料で代わってもらえるのは求人を受け付けて公開し、窓口で求職者に紹介するところまでです。

従業員規模別・ハローワークで若手の職人を募集している会社の割合

出典: 厚生労働省委託『建設業における雇用管理現状把握実態調査報告書(令和6年度調査)』図表28(N=3,521・複数回答)より作成

ハローワークで募集している会社の割合は、従業員2〜4人で25.2%、5〜9人で41.8%、10〜29人で62.6%、30人以上で70.1%でした。

民間の就職・転職サイトでは、規模による差がもっと大きくなります。2〜4人で6.9%、5〜9人で13.1%、10〜29人で27.8%、30人以上で44.8%です(いずれも前掲の図表28)。

無料のハローワークでさえ、従業員2〜4人の会社では4社に1社です。

ただし、使えていないという話ではありません。同じ区分では46.0%が、若手の募集そのものを行っていないと答えています(同 図表28 従業員規模別)。

無料かどうかより前のところで、求人を出して動かす手が足りていません。

求人票を書く手も、応募のあとに動く手も、会社に残ります。次のような作業です。

  • 求人票を書くこと、反応を見て直すこと
  • 応募や問い合わせへの折り返し
  • 面接の日程調整
  • 採用に至らなかった方への連絡

統計の上では、建設業の募集の主役はハローワークです。ただし、求人票を見直して採用に至った建設会社の社長は、取り組む前をこう振り返っています。

これまでハローワークに求人を出していても全く反応がなく、半ば諦めていた

(ハローワーク求人票改善で2名採用!建設会社の採用戦略構築プロジェクト)

出すこと自体は無料でも、反応が出るかどうかは求人票の中身と、そのあとに動く人で決まります。


求人票で勝負が決まる3つの欄

求人申込書のなかで、会社が自由に文章を書ける欄は3つです。

  • 仕事の内容: 最大360文字
  • 事業所からのメッセージ(求人PR情報): 最大600文字
  • 求人に関する特記事項: 最大600文字

(ハローワークインターネットサービス『求人申込書』)

合わせて1,560文字あります。賃金や休日の条件が同じでも、ここだけは会社ごとに差が出ます。

ただし、検索結果の一覧に出るのは仕事の内容の30字×3行までです(同『求人申込書の書き方』)。

読まれるかどうかは、最初の90文字で決まります。工種と現場、未経験の受け入れ可否を、この90文字に入れます。

間取り図と白いヘルメット、水平器が並べられたコンクリート床
写真: Pavel Danilyuk / Pexels

建設業の求人票では、次の6点を具体的に書くと反応が変わります。

工種と現場の種類を特定できるように書きます。「土木工事一式」では、何をやる会社なのか伝わりません。

専門用語には説明を添えます。墨出しや型枠の建て込みは、業界の外では通じない言葉です。

1日の流れを時間で示します。集合時間、現場までの移動、休憩、終業までを並べると、生活が想像できます。

未経験の人をどう受け入れるかも入れます。最初の数か月は誰と組むのか、何を覚えてもらうのかまで触れます。

資格取得の支援は、対象の資格と費用の負担まで示します。

最後に、会社見学の案内を入れます。応募より手前の一歩を用意します。

仕事の内容欄の書き換え例

書く場所よくある書き方書き換えた例
仕事の内容(冒頭90文字)土木工事の施工および付帯業務全般。詳細は面談時にご説明します。市道の舗装打ち替えが中心です。1現場2〜3週間、同じ班で動きます。未経験の方は先輩と2人組で、交通誘導と機械の段取りから覚えます。
1日の流れ8:00〜17:00(休憩60分)7:20に会社集合、社用車で現場へ。8:00朝礼、12:00休憩、17:00終業。直帰もできます。
事業所からのメッセージアットホームな職場です。やる気のある方を歓迎します。入社後に2級土木施工管理技士を取った社員がいます。受験費用とテキスト代は会社が負担します。
求人に関する特記事項詳細は面接時にお伝えします。社会保険完備、退職金制度あり。土曜の午前で会社見学を受け付けています。応募の前にお越しください。

文字数の上限はハローワークインターネットサービス『求人申込書』、一覧表示の行数は同『求人申込書の書き方』。例文は書き方の見本です

先ほどの建設会社は、求人票に手をつける前に社内から始めています。

20〜30代の若手・中堅社員に直接話を聞き、求める求職者像と、本人たちが実際に求めているものを特定しました。そのうえで自社の魅力を整理し、採用のキャッチコピーを決めてから、ハローワークの求人票を直しています。

道路舗装スタッフの求人では、職種名の28文字を使い切って「未経験歓迎」「地図に残る仕事!」を入れました。冒頭でやりがいと安定性、未経験者への配慮を伝えています。

専門用語は避け、道路の区画線を引く仕事は「線・文字・マークを描く」と言い換えました。特記事項の欄には福利厚生と資格取得の支援、会社見学の案内を入れています。

結果は2名の採用です(ハローワーク求人票改善で2名採用!建設会社の採用戦略構築プロジェクト)。

賃金を上げたわけではありません。ただし、欄を書き換えただけでもありません。先に社員に話を聞いて「誰に何を伝えるか」を決めてから、求人票に落としています。

例文は建設業の求人票の書き方にも載せています。


いまの求人票を、一度見せていただけませんか

仕事の内容欄の冒頭90文字と、事業所からのメッセージの中身を拝見して、どこを直すと反応が変わるかをお伝えします。月額20万円〜の建設特化採用代行が無料でお話をうかがいます。売り込みはしません。

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求人票を直してもハローワークだけでは埋まらない理由

建設・採掘従事者の有効求人倍率は4.99倍です。職業計は1.05倍ですから、5倍近い開きがあります。

建設躯体工事従事者は7.94倍、建築・土木・測量技術者は5.46倍でした(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年7月分。参考統計表、常用(パートタイムを含む)・全国計)。

建設業の新規求人数は、令和6年で806,398人です(厚生労働省『建設労働をめぐる情勢について』。職業安定業務統計。新規学卒者とパートタイムを除く)。

令和6年の1年間で80万人分の新規求人が出された一方で、求職者の側の経路は細くなっています。

業界を問わず、仕事を探す人の入職経路に占めるハローワークの比率は、2013年の26.7%から2023年の15.1%まで下がりました。紹介件数も2009年から2023年で73.0%減っています(リクルートワークス研究所『人手が不足するなか、なぜハローワークの紹介件数は減少を続けるのか』。入職経路の比率は内閣府の月例経済報告の資料、紹介件数は厚生労働省『一般職業紹介状況』を基にした分析)。

求人を出した会社の努力が足りないわけではありません。求職者が集まる場所が、この10年で移りました。

そして、移った先を追えていない会社が多くあります。

応募を増やすための取組を聞くと、「特に取組を行っていない」が73.7%でした。職場見学会は6.8%、インターンシップは5.2%です。

直近3年の若手の採用状況は、「採用できていない」49.8%、「あまり採用できていない」18.7%でした。合わせて68.5%が採れていません。別の回答として「採用したいと考えていない」が14.8%あります(いずれも前掲の実態調査報告書)。

現場に積み重ねられた鉄筋(異形棒鋼)のクローズアップ
写真: Pixabay / Pexels

無料の求人を1本出して待つやり方は、入職の4人に1人がハローワーク経由だった時代のものです。


ハローワークを軸に、何を足すか

足すものは、募集する職種で変わります。

職業安定法第32条の11で、建設業務、つまり現場で工事に従事する職業への有料職業紹介は原則として禁じられています(e-Gov『職業安定法』第32条の11)。

とび、鉄筋、型枠、大工といった技能職は、有料の紹介会社経由では採れません。この層はハローワークと求人広告、それに社員からの紹介で集めます。

一方、施工管理、設計、CADオペレーター、現場事務は通常の有料職業紹介で扱えます。派遣との線引きは建設業で派遣が禁止される理由にまとめています。

技術者の求人倍率が5倍を超える市場で、自社の募集だけで有資格者が揃うことはまれです。施工管理や技術者を採るなら、人材紹介は確実に手が届く主力の手段です。

手数料は安くありません。一般に言われる相場は全業界で理論年収(内定者の想定年収)の30〜35%、建設業の施工管理は主流45%です。1級施工管理技士を持つ所長クラスや、急いで埋めたい希少な人材では60〜70%まで上振れるケースもあります。いずれも弊社が建設業の商談で見ている水準で、公的統計の数字ではありません。

高いから避ける話ではありません。使い方しだいで効き方が変わります。

ハローワークに足す手段と費用の目安

手段費用向くケース
ハローワーク0円(掲載料も成功報酬もなし)地元で通える人、未経験者、技能職。土台として出し続ける
求人広告(求人サイト)掲載期間ぶんの掲載料応募の数そのものが足りないとき。技能職にも使える
人材紹介全業界平均は理論年収の30〜35%、建設業の施工管理は主流45%、1級施工管理技士を持つ所長クラスなどは60〜70%まで上振れることも施工管理、設計、CADオペレーター、現場事務。有資格者を確実に採りたいとき(技能職は法律上扱えません)
採用代行月額20万円〜+媒体費求人票の改訂、求人媒体の運用、スカウト、応募者対応、日程調整、紹介会社のとりまとめまで任せたいとき

技能職への有料職業紹介の禁止はe-Gov『職業安定法』第32条の11。人材紹介の手数料は弊社が建設業の商談で見ている水準で、公的統計ではありません

手段が増えると、動かす手間も増えます。そこで担い手を分けます。

求める人物像と採用要件の整理は、社内と採用代行で一緒にやります。現場を知っているのは社内なので、ここは丸投げにできません。

面接と最終判断、内定承諾の最後のひと押しは社内です。社長や現場のリーダーが出る場面です。

求人票の作成と改訂、求人媒体の運用、スカウトの送信、応募者への対応、日程調整、それに紹介会社のとりまとめは採用代行が受けます。

専任の人事を置くかどうかにかかわらず、まず建設に特化した採用代行と組み、そのうえで社内にどれだけ人を割くかを考えます。弊社はこの順番をおすすめしています。

採用の手段と媒体は移り変わりが速く、本業のある社内の人だけで追い続けるのは重いからです。


よくある質問

Q. 費用はかかりますか?

ハローワークへの求人の掲載は無料です。国が運営していて、掲載料も成功報酬もありません(厚生労働省『ハローワーク』)。

かかるのは社内の時間です。

Q. 求人はいつまで有効ですか?

受理された日の翌々月の月末までです。2月15日に受理されたなら4月末で切れます(大阪労働局ハローワーク池田『求人申込みQ&A』)。

期限が来たら出し直せます。前に出した求人は転用(再利用)できるので、一から書き直しにはなりません。有効中の求人も、期限が過ぎた求人や取り消した求人も転用できます(ハローワークインターネットサービス『求人者マイページからの事業所登録・求人申込み方法について』)。

同じ文面をそのまま出すより、反応を見て仕事の内容欄を直してから出すほうが次につながります。

Q. 高校新卒の求人はいつから出せますか?

ハローワークでの求人申込書の受付は6月1日に始まります。学校への求人の申込みと学校訪問は7月1日からです(厚生労働省『中学校・高等学校卒業予定者の就職・採用活動時期について』)。

年間の動き方は建設業の高卒採用にまとめています。

Q. 求人票を直せば応募は来ますか?

増えることはあります。社員への聞き取りから始めて求人票を直し、2名の採用に至った例もあります。

ただし、業界を問わず入職経路に占めるハローワークの比率は26.7%から15.1%に下がっています。求人票の直しだけで足りる会社は多くありません。

仕事の内容欄を直しながら、求人広告やスカウトを足します。施工管理など紹介で扱える職種なら、人材紹介も加えます。

ハローワークに何を足すか、一緒に考えませんか

採りたい職種と人数、いまの求人の反応をうかがって、ハローワークに足す手段と順番をお伝えします。月額20万円〜の建設特化採用代行が、採用全体に並走する採用パートナーとしてお手伝いします。

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