施工管理を含む建設技術者の有効求人倍率は6.86倍。求人を出して待つ採り方は成り立ちません

結論から言うと、施工管理の中途採用で人材紹介を主力に据えるのは正しい判断です。

有資格者を採るうえで、いちばん確度が高い手段です。

ただし、申し込んで待っているだけでは決まりません。要件の渡し方と返事の速さで、紹介される人の質が変わります。

令和8年8月の有効求人倍率は、建築・土木・測量技術者が6.86倍でした。職業計は1.17倍です。

仕事を探している人は8,643人で、求人は59,261件ありました。この割り算が6.86倍です。

そのうち、同じ月に紹介までこぎつけたのは1,623件でした。就職が決まったのは402件です。求人59,261件に対して402件ですから、応募を待っているだけでは順番が回ってきません。

新規求人倍率で見ると10.61倍です。ひと月に新しく出た求人が18,399件、その月に新しく仕事を探し始めた人が1,734人でした。

職業別の有効求人倍率(令和8年8月・常用(パートを除く))

同じ月の専門的・技術的職業従事者は1.87倍、情報処理・通信技術者は1.48倍です(厚生労働省『一般職業紹介状況』令和8年8月分)。人手が足りないと言われる職種と並べても、建設技術者の数字は離れたところにあります。

この数字には読み方の注意が3つあります。

ひとつは、ハローワークを通した求人と求職だけの数字だという点です。民間の人材紹介や求人広告での動きは入っていません。実際の採用は、この数字の外側でも起きています。

ふたつめは職種の中身です。「建築・土木・測量技術者」には設計や測量の技術者も含まれます。施工管理だけを切り出した数字ではないので、施工管理を含む建設技術者の数字として見てください。

みっつめは、ニュースで見る全体1.18倍との比べ方です。あちらは季節のばらつきをならした別の数字なので、職種別の数字と並べないでください。

パートを含める数え方(参考統計表6)では、建築・土木・測量技術者は5.71倍です。有効求人60,206件に対して、就職は430件でした。どちらの数え方でも、決まる件数の少なさは変わりません。

年齢の構成も厳しくなっています。建設業の技術者は令和6年で39万人です。平成9年の41万人から平成22年には31万人まで落ち、そこから39万人まで戻しました。

ただし、技術者を含む建設業就業者の全体で見ると、55歳以上が36.7%を占め、29歳以下は11.7%です(国土交通省『改正建設業法(令和7年12月施行分)説明会資料』)。人数は戻っても、これから抜けていく層に偏っています。

採れないままだと会社が持ちません。2026年度の上半期(4月から9月)の人手不足倒産は225件でした。年度の上半期としては4年連続の過去最多です。

業種別の最多は建設業の70件で、前年の同じ時期より17件増えています(帝国データバンク『人手不足倒産の動向調査(2026年度上半期)』2026年10月7日)。

この70件は職人の不足も含んだ数字です。施工管理が採れないことだけが原因ではありません。それでも、人が足りずに畳む会社が建設業でいちばん多いという事実は、重く見ておきたいところです。


職人は紹介できない、施工管理は紹介できる

有料職業紹介、つまり手数料をとって求職者と会社を引き合わせる仕事には、建設業務と港湾運送業務だけにかかる制限があります。

職業安定法第32条の11第1項は、有料職業紹介事業者が「建設業務」に就く職業を紹介してはならないと定めています。

建設業務とは、条文の言葉では土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体の作業、またはその準備の作業にかかる業務です。

かみ砕くと、工事現場で直接手を動かす仕事です。とび、鉄筋、型枠、左官、重機の操作などがここに入ります。

破った場合の罰則は同法第64条にあります。1年以下の拘禁刑(2025年6月から、それまでの懲役と禁錮が一本化された刑です)、または100万円以下の罰金です。動いた担当者だけでなく、会社にも同じ罰金がかかります(第67条。職業安定法(e-Gov法令検索))。

施工管理は紹介の対象になります

厚生労働省の『職業紹介事業の業務運営要領』には、はっきり書かれています。

土木建設等の工事についての施工計画を作成し、それに基づいて、工事の工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理を行ういわゆる施工管理業務は、建設業務に該当せず、有料職業紹介事業を行うことができる

第2の3(4)のロの記載です。同じ3(4)のイでは、建設現場の事務職員も建設業務に当たらないとされています。こちらも紹介できます(厚生労働省『職業紹介事業の業務運営要領』)。

施工管理と現場事務は紹介会社に頼めます。職人は頼めません。線はここで引かれています。

「建設業は人材紹介が使えない」と聞いたことがある方は、職人の話とまざっている可能性があります。施工管理の中途採用に紹介を使うのは、法律上まったく問題ありません。

例外は認定団体だけです

建設業務の有料職業紹介が、世の中からまるごと消えているわけではありません。

建設労働者の雇用の改善等に関する法律第18条第1項にもとづく許可を受けた団体は、建設業務の有料職業紹介ができます。業界の事業主団体が対象で、認定団体と呼ばれます。業界の組合などがこれにあたります。

株式会社はこの許可を受けられません。「職人も紹介できます」と言ってくる一般の紹介会社があれば、根拠を確かめてください。

兼務が前提の求人は紹介に乗りません

実務でつまずきやすいのはここです。

1人の求職者に施工管理と現場作業の両方をさせる前提の求人は、全体として紹介に乗せられません。施工管理の部分だけを切り出して紹介する、という扱いもできません。

小さな会社では、所長が自分で墨出しをする、人が足りない日は型枠を手伝う、という働き方がふつうにあります。

その実態をそのまま求人票に書くと、紹介会社は受けられないと答えます。紹介を使うなら、募集する職務を施工管理の業務で書き切ってください。

鉄筋を立ち上げたコンクリート柱と赤い仮設の斜め支柱が並ぶ建設現場。奥にはタワークレーンが見える
写真: Adrian Sulyok / Unsplash

職種で線が引かれる考え方は、派遣でも同じです。対象になる業務とならない業務の分け方は建設業で派遣が禁止される理由にまとめています。


手数料はいくらかかるのか

令和6年度の有料職業紹介全体の手数料収入は約9,835億円でした。前の年度より17.6%増えています。常用の就職1件あたりの手数料は約103万円で、こちらも10.9%増です。

建築・土木・測量技術者の手数料は、この平均より3割以上高くなります。

同じ集計では、この職種の手数料合計が36,440,187千円でした。約364億円です。うち36,411,556千円が届出制の手数料でした。常用の就職件数は26,230件です。

厚生労働省の集計結果から計算すると、1件あたり約139万円です。全職業の平均103万円の約1.35倍になります(厚生労働省『令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果』)。

103万円は厚生労働省が公表している数字です。139万円のほうは、こちらで手数料合計を就職件数で割った算出値です。

分子の取り方も違います。103万円は常用就職にかかる手数料だけを分子にしていますが、139万円は手数料の合計額を分子にしています。公表値ではないので、おおよその水準として見てください。

求人と求職の数も出ています。この職種の常用求人数は1,019,441人でした。新しく登録した求職者は461,135件で、前の年度より47.5%増えています。

ただし、求人する会社も求職者も複数の紹介会社を使うため、求人数と新規求職申込件数には重複が含まれると原典に明記されています。実際の人数より多めに出る数字です。

それでも、探している人が5割近く増えて、決まったのは26,230件です。紹介会社の側も簡単に決められるわけではない、という裏の数字になっています。

率は会社ごとに違います

手数料の決め方は、職業安定法第32条の3で2種類だけ認められています。

ひとつは上限制手数料です。支払われた賃金額の100分の11が上限になります(消費税の免税事業者は10.3)。

もうひとつが届出制手数料です。あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表にもとづいて請求する形で、紹介会社が自分で決めた率で請求できます。

建築・土木・測量技術者の手数料は、先ほどの内訳のとおり、ほぼ全額が届出制でした。

ここが肝心なところです。届出制には、法令上の率の上限が定められていません。だから会社ごとに率が違います。

率の水準について一般に言われているのは、全業界で理論年収の30〜35%という数字です。これも公的な統計ではなく、業界でそう言われている水準です。

理論年収とは、月給や諸手当から1年分の給与を見積もった額です。入社時の条件をもとに計算します。

当社が建設業の採用に立ち会ってきた範囲では、施工管理の紹介は45%前後が主流です。1級の資格を持つ所長クラスや、急ぎで探す希少な人材では60〜70%まで上振れることがあります。

この45%と60〜70%は、弊社が建設業の現場で見ている水準です。公的な統計ではありません。

年収700万円の施工管理を45%で採ると、手数料は約315万円。60%なら420万円です。同じ1名で100万円以上の差がつきます。

率が届出制で決まる以上、聞かないと分かりません。声をかけた段階で、次の5点を確かめておいてください。

紹介会社と契約する前に確認しておく5点

確認すること何を聞くか見落とすとどうなるか
手数料率理論年収の何%か。1級資格保有者や急募の案件で率が上がるか同じ候補者でも会社によって請求額が100万円単位で変わる
算定の基礎になる年収の中身残業代・賞与・諸手当を理論年収に含めるか基本給だけで見積もっていた請求額が、残業代込みの計算で膨らむ
返金規定の有無と割合入社から何か月で退職した場合、何%が返るか早く辞められても手数料が戻らず、採り直しの費用が二重にかかる
保証期間返金の対象になる期間は入社から何か月か試用期間中の退職が対象外になっていて、返金を受けられない
支払期日請求は内定承諾時か入社日か。支払いは何日以内か入社前に満額を払い、入社辞退が起きたときの回収で揉める

筆者作成。手数料の種類は厚生労働省『職業紹介事業の業務運営要領』を参照

手数料が高いから紹介を避ける、という結論にはしないでください。

6.86倍の市場で求人を出して待っていても、順番は回ってきません。有資格者を採れる主力の手段として、人材紹介は使う前提で考えるものです。

変わるのは使い方のほうです。1社に申し込んで半年放っておくのか、要件を詰め直しながら数社を回すのか。同じ率でも、決まる人数と早期退職の起きやすさが変わります。


紹介会社の選び方を一段上げる

選ぶときに見る点は3つで足ります。建設技術者の紹介実績が何件あるか、登録しているのは施工管理の経験者か別の職種か、入社後も連絡を続けるか。初回の面談で聞けます。

差がつくのは、最初の1社選びよりも、選んだあとの付き合い方です。

大京穴吹建設(従業員101〜500名)は、マンションの修繕、土木建築、耐震補強を手がける会社です。1級の資格保有者の採用に課題を抱えていました。

紹介会社との付き合いは、取材の時点で丸5年になっていました。そのあいだ、採用担当者が定期的に募集要件のすり合わせをしてきました。

結果として、年に1人のペースで即戦力の有資格者を採用できています。書類選考の通過率が高く、入社後の早期離職は起きていません。

採用担当者のコメントを引きます。「弊社の求める人材を吟味してご提案いただいていること、それゆえに書類選考通過率が高いことも理解してはおりますが、だからこそより多くの方をご提案いただければありがたいですね」(施工管理求人ナビ 導入事例(大京穴吹建設))。

すり合わせを続けると、紹介の精度は上がります。ただし会社の側は、それでも足りないと感じています。もっと多くの候補者に会いたい、という要望です。

精度と数は、同時には上がりにくいものです。それでも丸5年のあいだ年に1人のペースを保てているのは、要件を定期的に詰め直してきたからです。

逆の回し方を思い浮かべてみてください。求人票を1度渡して、送られてきた書類の8割を「経験が合いません」の一言で返します。これを3か月続けても、紹介会社の手元には情報が増えません。

見送った理由は、具体的に返してください。「現場経験はあるが、鉄筋コンクリート造の新築で工程を回した経験が足りない」「資格は足りているが、担当してきた現場の規模が小さすぎる」。

この粒度で返すと、次に届く書類が変わります。担当者は社内の登録者を見直して、探し直せるようになります。

要件のすり合わせも、年に1度では間に合いません。受注する工事の種類が変われば、欲しい人も変わります。月に1回、30分の電話で足ります。

木の作業台に並べたヘルメット・のこぎり・金づち・レンチ・保護メガネなどの建設道具
写真: Suntorn Somtong / Pexels

紹介会社の担当者は、同時に何社もの求人を抱えていることがあります。要件がはっきりしていて、返事が早い会社から順に声をかけるのは自然なことです。選ばれる側に自社がいるか、という見方もしておいてください。

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複数社に頼むときのとりまとめ方

1社だけに頼むと、その会社に登録している人の中にしか会えません。かといって10社に出すと、連絡のほうで手が止まります。

目安としてよく言われるのは3社から5社です。本命を2〜3社、補完を1〜2社という置き方になります。総合型の大手と建設特化の会社を組み合わせることもあります。

ただ、決まった正解があるわけではありません。年間の採用人数と、連絡に割ける時間から決めてください。

社数より大事なのは、渡し方と返し方を先に決めておくことです。次の4つです。

1. 同じ要件を同じ言葉で渡す

A社には「1級施工管理技士、鉄筋コンクリート造の経験あり」、B社には「現場を任せられる人」と伝えると、届く人がばらつきます。

要件は1枚の文書にまとめて、全社に同じものを渡してください。資格、経験してきた工事の種類、任せたい現場の規模、給与の幅、勤務地の5項目が入っていれば足ります。

2. 窓口を一本化する

社長と人事と現場の所長がそれぞれ別の紹介会社とやり取りすると、判断の基準がずれます。同じ候補者に別の返事をしてしまうこともあります。

社内の窓口は1人に決めてください。現場の意見はその人に集めて、紹介会社には一本で返します。

3. 重複推薦の扱いを先に決める

同じ人が2社から紹介されることがあります。登録する側は複数の紹介会社を使うので、珍しい話ではありません。

先に紹介してきた会社を優先する、という扱いが一般的です。契約書にどう書かれているかを確認して、社内でも受領日を記録しておいてください。

4. 選考結果を返す期限を自社で決める

書類は3営業日、面接の合否は2営業日というように、自社の側で先に決めて紹介会社に伝えておきます。

決めずに動くと、社長の出張や現場の都合で1週間空くことがあります。その間に候補者が別の会社の内定を受けてしまうこともあります。

この4つは、紹介会社を競わせるための仕掛けではありません。こちらが上手に使いこなすための段取りです。

返金規定と重複推薦は、採用が決まってからでは直せません

揉めごとが起きるのは、たいてい採用が決まったあとです。

ひとつは返金です。入社して2か月で辞めた人の手数料が、1円も戻らないことがあります。保証期間が「入社から3か月」でも、その期間に試用期間中の自己都合退職が含まれていなければ対象外です。契約の文言で確認してください。

もうひとつが重複推薦です。同じ人をA社とB社の両方から紹介され、採用後にどちらにも手数料を請求される形です。先に紹介した会社を優先する、という扱いを両社の契約で揃えておけば起きません。

どちらも、契約書を交わす前の5分で確認できる話です。採用が決まってからでは直せません。


決まる会社がやっていること

施工管理の採用で使われている手法は、求人媒体が43.1%、人材紹介が39.2%、自社の採用ホームページが35.3%でした。

2025年に施工管理職を10名以上中途採用した建設業(従業員1,000名未満)の採用責任者・担当者102人への調査です。2026年3月に実施され、4月に公表されました。採れている会社に絞った調査なので、業界全体の平均ではありません(ネオキャリア『施工管理職の採用に関する実態調査』2026年4月)。

同じ調査では、成果を上げるための工夫も聞いています。このうち面接の運用に関わる3つは、カジュアル面接が42.2%、出張面接が32.4%、平日19時以降や土日の面接が27.5%でした。

この3つは、紹介会社から届いた候補者を取りこぼさないための運用です。

施工管理の人は平日、現場にいます。17時に職場を出られる人はほとんどいません。平日19時以降や土日に面接の枠を作っておかないと、日程の調整だけで2週間溶けます。

出張面接は、遠方の候補者に自社まで来てもらうのをやめる話です。採用する側が近くまで出向くか、支店の会議室を借りて会います。移動を相手に負わせない、という考え方です。

カジュアル面接は、選考の前に話を聞く場です。履歴書を出す前に現場の話をして、合いそうなら選考に進んでもらいます。転職するか迷っている段階の人と会えるようになります。

採用コストも出ています。1人あたり「100万円以上」が38.2%、「50〜99万円」が28.4%でした。前の年と比べて採用コストが増えたと答えた会社は57.9%でした。

紹介手数料の約139万円という算出値と並べると、違和感のない数字です。施工管理を1名採るのに、100万円を超える費用がかかる前提で予算を組んでおくほうが安全です。

淡い空を背景に建つ集合住宅の外観。からし色と青灰色の外壁が並び、手前に生垣がある
写真: PJH / Unsplash

紹介で会えても、そこから先に壁があります

スミセキ・コンテック(従業員101〜500名)は、土木一式と建築一式を手がける会社です。

土木の求人には応募が少なく、建築の人材も採用に至っていませんでした。

当時は主にダイレクトリクルーティング、つまり会社から候補者へ直接スカウトを送る手法を使っていました。そのうえで「当社の提示する年収と求職者の求める年収に大きな乖離があることが多く」と振り返っています。

2017年9月に紹介サービスを使い始め、11月に紹介があり、12月に初めての採用が決まりました。累計では3名を採用しています。

ただし、そのうち2名は退職しました。1人目については、採用後のフォロー不足などから翌年3月には退職したと説明されています。残る1名は課長職として在籍しています(施工管理求人ナビ 導入事例(スミセキ・コンテック))。

会社を責める話ではありません。紹介を使い始めると、多くの会社が同じ順番で壁に当たります。

最初の壁は年収です。提示する額と求職者が求める額に開きがあると、会ってもそこで止まります。紹介会社に要件を渡す前に、自社が出せる上限と、その根拠を決めておいてください。

「1級を持っていて、10億円規模の現場を任せられるなら700万円まで出す」。この形で決めておけば、紹介会社は該当する人だけを探せます。開きは要件の段階で潰せます。

次の壁は入社後です。採用した人が辞めるかどうかは、受け入れ方で変わります。

最初に任せる現場の規模、相談相手になる先輩、前職とのやり方の違いをどう埋めるか。この3つを入社前に決めておくだけで、半年で辞める理由がひとつ減ります。

手数料を払って採った人が1年で辞めると、費用はそのまま消えます。採用の良し悪しは、入社した日ではなく1年後に分かるものです。


紹介会社のとりまとめも含めて任せるという選択肢

採用の手法や媒体は移り変わりが速く、社内の人だけで追いかけるのは負担が大きくなります。

だから建設特化の採用代行と組むのを基本線に置いて、そのうえで社内にどこまで人を割くか、という順番で考えてください。専任の採用担当を置くかどうかは、その次の判断です。

役割の切り分けは3つで足ります。

  • 求める人物像と採用要件の詰め:社内と採用代行で一緒に進めます。現場を知らないと要件が書けないので、ここは外に丸投げできません
  • 面接、最終判断、内定承諾の最後のひと押し:社内です。社長や現場のリーダーが顔を出して食事をする場面は、代わりが立ちません
  • 求人票、求人媒体の運用、スカウト、応募者対応、日程調整、紹介会社とのやり取り:採用代行に出します。手間がかかるうえに、やり方の更新が早い部分です

紹介会社とのやり取りは、思っているより量があります。

3社から5社に同じ要件を渡し、届いた書類に3営業日で返事をして、見送った理由を書いて送ります。月に1度のすり合わせの場も作ります。これを毎週続けるのが、紹介を効かせるための地味な作業です。

採用担当が総務や経理と兼任の会社では、ここが真っ先に止まります。止まると紹介が減り、埋めようとして社数を増やすので、さらに手が足りなくなります。

当社の料金は月額20万円(税別)〜です。コストを比べるときは「月額20万円〜+媒体費」で見てください。採用代行を入れても、求人媒体の掲載費やスカウト媒体の費用はなくなりません。

採用代行は人材紹介の代わりではありません。紹介を含む採用全体を見て、回し方を整える立ち位置です。

丸投げで半年決まらないことや、ミスマッチで1年以内に辞められることが減ります。そのぶん、1名あたりの実際にかかった費用はむしろ下がります。手数料率を1社ずつ値切るよりも、使い方を変えるほうが効きます。

なお、採用人数を書面で約束する業者には気をつけてください。採用代行は業務委託契約なので、書面にできるのは業務の量のほうです。

スカウトの送信通数、求人票の改訂本数、応募者への返信までの時間、紹介会社との定例の頻度は、数字で決めておけます。採用人数は、四半期の振り返りで話す材料にとどめるのが筋です。

採用代行と人材紹介の役割の違いは採用代行と人材紹介の違いに、採用が決まらない原因の分け方は施工管理の採用が難しい5つの理由にまとめています。


よくある質問

人材紹介と人材派遣はどちらがいいですか?

自社の社員として現場を任せたいなら人材紹介です。派遣は人手を一時的に足す手段なので、資格者を自社に残したい採用には向きません。

なお、工事現場で直接作業する業務は派遣も禁じられています。職種による線引きは建設業で派遣が禁止される理由に書いています。

紹介を頼んでから採用まではどれくらいかかりますか?

一律には言えません。先に挙げたスミセキ・コンテックの例では、2017年9月に使い始め、11月に紹介があり、12月に初めての採用が決まっています。

申し込んだ翌週に書類が届くわけではありません。要件を詰めるところに時間がかかるからです。急ぐなら、最初の面談で求人票を一緒に作り直すところから始めてください。

地方の会社でも使えますか?

使えます。ただし通勤できる範囲の登録者が少ないので、1社だけに頼むと紹介が止まりやすくなります。

総合型と建設特化を組み合わせて3社から5社に広げる、出張面接やオンライン面接で遠方の候補者を取りこぼさない、という運用が要ります。先に挙げた調査でも、出張面接を挙げた会社は32.4%ありました。

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